MOIマッチングでの質問でたまに頂くのが、「MOIマッチングの作業はどういった手順で行うのですか?」というご質問です(^^

手順と言ってもそのクラブによってかなり違うので一概には言えませんし、細かな部分までメールや電話でお教えすることは不可能。
中にはこのブログ見てさぞ自分で考えだしたように始める人もいらっしゃいますしね・・・(^^;;←同業の方でしたら、ノウハウのすべてを無償でお教えするので、ちゃんと連絡くださいね~( ´ ▽ ` )ノ 
 


そうは言っても気になるのは当然ですので大まかではありますが、ご説明していきましょう(^^


Q:MOIマッチングってどういった手順で作業するのですか?


A: クラブの状態、構造、クラブMOI自体によって変わってきますので、大まかな手順ではありますが、ご説明します。
1.問診票の確認~グリップやシャフトなどの手配。
MOIマッチングのご依頼を正式に頂いた場合、問診票というエクセルシートにご記入頂きます。メールやメッセージで問診票をお戻しいただき、問診票に基づいてグリップの手配等を行います。

2.到着~クラブ確認~測定
BoseIronFactoryにクラブが到着しましたら、まずクラブの確認をします。
本数や頂いた情報に間違いが無いかと言ったことや、輸送途中に壊れたりしていないか等、ヘッド~ソケット~シャフト~グリップまで一通りチェックです。
確認が済みましたら、測定に入れる場合は測定をしますが、宅配便がいつもキリの良い時に来るとは限りませんので、作業状況によっては確認後一旦保留させて頂く場合もあります。

3.作業開始!!適正MOI の導き出し~手順の決定。
測定が完了して、グリップ等が到着していれば、いよいよ作業開始です。まずは一番大切な適正MOIを導き出す作業。適正MOIを導き出す作業は単純なものでは無いのでこうした形で書き出すことは難しいのでご勘弁を・・・(^^;;
適正MOIが導き出されたら適正MOIよりも高い番手と適正MOIよりも低い番手に分けて作業の開始です。

4.MOIマッチングの作業工程。
作業工程はバランス合わせの作業工程と大きくは変わりません。
バランス合わせの代わりにMOIをあわせていく作業となり、ヘッド重量、シャフト重量&長さ等々を緻密な計算の元に組み合わせていく作業になります。
どのような手法を取って、どのような調整量にすれば、どのくらいMOIが変化するかは、厳密な計算によって行われますが、実際にMOI計算した通りになっているかも毎回計測しながら作業を行います。
重量で言えば0.01g単位、長さで言えば0.1mm単位の作業になるので、大変気を使う作業です。

また、バランス合わせではグリップ重量は非常に大切な項目ですが、クラブMOIマッチングの場合は外周に行くにしたがってMOIに与える影響が大きいために、それほど大きな影響は及ぼしません(ただしグリップエンドの厚みが大きく変わるとMOIに与える影響も大きくなるので注意は必要です)。
しかしながらクラフトの基本として軽めのグリップは長いクラブ、重めのグリップは短いクラブということもありますので、基本そのように挿すこととしています。
まぁ、正直それほどの意味は無いのですが、そのほうが気持ち良いですから(^^;;


5.計測~お戻し
MOIマッチングの作業が完了すると、計測をして、狙い値通りの形になっているかを確認します。クラブMOIの狙い値はJCMOではプラスマイナス3kg-cm2としていますが、BoseIronFactoryでは殆どの場合プラスマイナス1~2kg-cm2の範囲で合わせています。
JCMO以外のところでMOIマッチング的なことをされたクラブも入庫しますが、それらの多くはプラスマイナス15~30くらいの精度?です。
BoseIronFactoryでは手間を惜しまず、綿密な計算と何回もの実測によってMOIマッチングを行っていきますので、プラスマイナス1kg-cm2程度に収まる場合も多いです。
計測が完了し、クラブ全体を綺麗にクリーニングしてからお戻しします。

お戻しは基本ヤマト運輸の宅急便です。
片道150キロ圏内の帯広、根室、北見などでしたら、ツアーバンに乗せて直接お渡しもOKですが、近くの方は直接ご来店頂いてのお渡しが多いですね。

配送に関しては弟子屈に来た時ゆうパックとヤマトで悩んだのですが、弟子屈に限って言えばヤマトのほうが遅配が少なく、確実だったので。

ちなみにニュースなどでも取り上げられている荷物の扱いが雑ということはオイトイテ、こと弟子屈に関して言えば佐川急便は問題外となってしまいます。
70キロ離れた釧路にしか佐川急便は営業所がなく、集荷も時間指定も出来ませんから・・・。


お送りする際には、MOIマッチングが精密さを要求されることで、「精密機器」の扱いとダンボールにてお戻しする場合は「下積厳禁」の扱いにしていただいています。
最近では更にワレモノシールも付けて頂いていますから、今のところ弟子屈からお送りした際の破損事故などはゼロです。
(破損事故ゼロの記録はずーっと更新し続けて欲しいですね)

 

6.お戻し~ご入金
お戻しする際にスペックシートと、ご請求書を添付させていただいております。
スペックシートにはスイングバランスも記載しておりますが、MOIマッチングされる方にとってスイングバランスはほとんど意味のないものですので、こちらも簡易な測定とさせていただいています。
(と言っても日本に1台しか無いかなり精緻な測定器で測っていますのでまず間違いの無いところですが)

クラブが戻りましたらクラブに破損・新たな傷などが無いか確認していただき、問題ないようでしたら添付したご請求書通りお振込ください。


これでMOIマッチングの流れのご説明は終了ですが、実際に打ってみて感想などがありましたら、良いものでも悪いものでもお寄せくださいね。
いただいたご感想はこのブログやホームページなどに掲載させて頂くことがありますが、その際でも個人情報はわからないようにして掲載させていただきますので、よろしくお願いいたします。




2016-12-27-14-23-12
風が吹くとさすがにサミー・ヘイガー(^^;;



ちなみに、プラスマイナスで3kg-cm2の差で、全盛期の中嶋常幸プロが気づかない範囲です。
特にPINGの場合、他のメーカーのように鉛での重量調整がされていませんから、プラスマイナス1kg-cm2の範囲に収めるのかなり難しい作業です。
また、計測誤差としてもプラスマイナス1kg-cm2程度は出てきますから、それを含めて考えるとほぼすべてのクラブはプラスマイナス1kg-cm2の範囲には収まっていると言えるかとおMOIます。

JCMO認定店に関しては安心して任せていただいて結構ですよ(^^