ゴルフ「北の国から」

ゴルフトゥデイでの連載「ゴルフ〜北の国から〜」をしていたファルコンまつばらです。 クラブMOIマッチングを中心とした理想の工房を北海道に作るまでの模様、そしてクラブMOIマッチングの今とこれからを中心に様々なことに顔を突っ込んでいきます(^^;; なお、純はもしかしたら出てくるかもしれませんが、蛍や五郎さんは出てきませんので、念のため・・・。

June 2019

abemaTVツアーのコメント欄を見ていて、ゴルフは自然破壊するし除草剤使いまくっているといったようなコメントが目に止ったので、本当にそうなのか書いてみようと思います。

まず、ゴルフ場がどうやって出来るかですが、森や林になっているところを切り開いてゴルフ場にすることが多いですね。

この時にただ木をバッサバッサと切って行くと思ったらそれは違います。木が大きくなるには何十年もかかりますし、フェアウェイ真ん中に大きな木があるほうが良い障害物になったりしますから、必要最小限の木を切るだけです。

この際にコース間のセパレーションを行う林などの中も間引いて綺麗にすることも多いですが、無造作に切る事はなく、林業で言う所の間伐と同じように細い、弱い木を中心に間引いて林の中に適度に光が差し込むように枝打ちの作業も行います。

木を切ってフェアウェイやバンカー、グリーンといったコースに必要な物を作っていく過程において、ブルドーザやユンボ(ショベルカー)等々の重機を使いますが、宅地造成などと違い、自然の起伏や地形を活かした形で作らないと面白いコースにもなりませんし、そもそもの規模も宅地造成とは比べ物になりませんから、重機を使ってコースの造成をするのは必要な所を中心に行っています。
(このあたりがコース設計者の腕の見せ所ですね)


このようにゴルフコースの造成にあたっては、基本自然へのインパクトを最小限にしつつ行われます。自然にも優しいですし、このほうがお金もかかりませんから(笑)

私自身も試打スペースを作るのに開拓みたいなことをやっていますが、山を切り崩して造成するなんてホント大変ですから、自然の地形を活かし必要最小限にすることが多いです(^^

そうして作られたコースはよく手入れされた里山と同じ役割を担っています。
手付かずの自然と人間の住む場所との緩衝地帯と言えますね。

これを自然破壊とは言いにくいのではないかと。


次にゴルフ場として継続していくための管理作業でどの程度自然に対してインパクトを与えているかです。

自然破壊と言われる方のイメージとしては、農薬を大量に使って土地を汚染させ、その汚染された土などから出た地下水は川の魚も殺してしまうほど汚染されているというイメージでしょうか?

あとは・・・
雨が降ると農薬まみれの汚染された土が流れ出して・・・という事かな?

1年間コース管理でグリーンキーパー見習いとして働いたファルコンですが、コース管理の施設の中に農薬を見たことがありません。
見たことがあるのは、肥料と融雪剤くらいです。

肥料は数種類を使いますが、肥料ですから芝などに栄養を与えるためのもので、汚染につながる成分はもちろん入っていません。
窒素・リン酸・カリが適度に入っているモノで、フェアウェイには顆粒の肥料で薄く長く効く物を、グリーンには液肥と顆粒の肥料を時季や芝の生育具合によって使い分けます。


バーディーエース
フェアウェイやラフ、ティーグラウンドに使うバーディーエース。



ちなみに農薬らしい農薬としては以下のようなモノがありますが、これらのほとんどはゴルフ場ではあまり関係の無いものですね。

(1)【殺虫殺菌剤】 害虫と病気の両方に効く薬剤。
  • (2)【殺虫剤】 昆虫を退治する薬剤(「ベニカベジフルスプレー」、「スミチオン乳剤」など)。
  • (3)【殺ダニ剤】
  • (4)【殺線虫剤】
  • (5)【なめくじ駆除剤】
  • (6)【殺菌剤】 
  • (7)【除草剤】
  • (8)【植物成長調整剤】

少なくとも私がコース管理をしていた弟子屈カントリークラブでは上記の農薬は全く使っていませんでした。
グリーンも他のところも、適正な芝高にしていれば雑草などが生えてきてもある程度駆逐出来ますし、適正に肥料を与えていれば病気になるようなことも多くの場合防ぐことが出来ます。
ex.タンポポなどは綿毛が出来る前に芝と一緒に刈り込んでしまえば駆逐は出来なくとも増えることは無いですし。

そういった意味ではゴルフ場のほとんどは無農薬と言っても良いんじゃないかと。


なお、この中で一番嫌われているのが(7)の除草剤ですが、除草剤使ったら芝が枯れてしまいますから、全く使わないゴルフ場も多いのでは無いかと思います。

まぁ、除草剤に関して言えば、普通のご家庭のほうが使ってますね(^^;;
ラウンドアップマックスロードなどは5リットルで8,000円から10,000円くらいですから、そんなの広大なゴルフ場で使ってたら大変な金額になりますしね(^^;;



あ、ちなみにですが、弟子屈でコース管理をしていて一番の敵だったのはキタキツネでした。
キタキツネが芝の上でおしっこしたら、そこだけ除草剤の原液かけたくらいの勢いで枯れちゃうんです。アンモニアが強いのかもしれませんけれども、人間のおしっこでも大量にかけたら芝は枯れちゃいますのでちゃんとトイレで用を足しましょうね(^^;;

「アイアンは良いのにドライバーはスライスします。 」

「ドライバーやウッドは良いのにアイアンが散らばります。」

これらは良く聞くお話ですが、スイングのせいだったらアイアンも悪いはずなのになぜドライバーだけ悪かったり、ウッド類は良いのにアイアンが悪いということが起こるのでしょうか?



岩崎くんMOI

こちらは東南アジアツアー等で戦っているプロのクラブMOIです。
56度だけ鉛ベタベタ貼ってあったのでクラブMOIが高いですが、基本的に長くなるに連れてクラブMOIが高くなっている=振りにくくなっていることが分かります。
ちなみに一般アマチュアでもスイングバランスで作られたクラブはこれと同じ傾向となります。
プロのクラブだから特別、ということはありませんので。


クラブMOIが高い=振るのにより一層のチカラが必要。
クラブMOIが低い=振るのにチカラはさほど必要でない。


ということですから、ドライバー(2829)よりも9番アイアン(2622)のほうがより少ないチカラで振ることが出来るということになります。


人間の出せるチカラには限度があり、軽すぎても重すぎてもいけません。
リシャフトしてヘッドが付いていないシャフトやカチャカチャでヘッドを抜いた状態のシャフトを振ってみるとものすごいヘッドスピードで振ることが出来ますが、気持ちよく振り切るというのには遠く及びませんし、下手したら身体を壊します。
逆にドライバーのカチャカチャのシャフトに5wのヘッドを付けてスイングしても気持ちよく振り切るには遠く及びませんし、思いっきり振ったら重すぎて身体を壊すでしょう。

そこまで極端でなくても、実際に適度なクラブMOIで無かった場合にどうなるのか、図でご説明していきます。
図では分かりやすいように少し誇張して角度を付けていますが、実際にはもっと微妙なものになりますので、ご注意ください。



イラストB
イラストA


クラブMOIが高すぎる場合、振るのに必要なチカラが出せないとうことになります。
結果として振り遅れることになりますから、フェースは開いたCの位置、ロフトは立った1の位置で当たることとなります。

フェースが開いてロフトは立って入りますから、ボールが上がらずスライスするということになりますね。

クラブMOIが高いドライバーやロングアイアンで球が上がらずスライスするのはこれが原因となります。


対して、クラブMOIが低い場合は、振るのに必要なチカラを出しすぎてしまうことになります。
結果として振りすぎてしまうこととなり、ロフトは寝て入り、フェースは閉じて入ることになります。

ショートアイアンやウェッジ等で引っ掛ける原因はここにあります。


良く「ライ角が方向性を決める」と言ったことを聞きます。
確かにライ角も重要な要素を言えますが、ライ角を正確に合わせてあってもショートアイアンで引っ掛け、ロングアイアンやドライバー等で右に行く事は説明出来ません。

クラブMOIの視点もきっちりと取り入れた上で、総合的なクラブチューニングをお勧めします(^^




BoseIronFactoryでの現在のクラブMOIマッチングの状況ですが、7月中旬お預かりで7月下旬お戻しとなります。
クラブMOIマッチングの料金は1本6,800円にグリップ代、そして送料(全て税別)となります。

お問い合わせ・お申込みは、seabose@me.comまでお願いいたします。




 

New HAYABUSAウェッジの58度の在庫が無くなりました。

只今作ってもらっていますが、しばらくかかるものと思われます。


48度、50度、52度、56度に関しましては少量ですがまだ在庫はございますので、お考えの方はお早めにご依頼くださいませ。

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ボールピッカー、おかげさまで大好評です(^^

現時点では3Dプリントによる手作りで、販売も数箇所でしか扱っておりませんが、夏以降には価格を抑えた量産バージョンを発売予定です。

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量産バージョンに関しましては、数社からお問い合わせを頂きましたが、その中でも大手のゴルフ用品卸様に取り扱って頂くこととなりましたので、全国津々浦々のゴルフショップやゴルフ場で販売されることとなります。

大手のゴルフ用品卸さんですから、ほぼす全てのゴルフ関連ショップに置かれることになりますから、きっと一気に普及してくれるものと思われます。

中には真似して作られる粗悪品も出てくるかもしれませんが、ノベルティなどの一部を除いて、量産品の販売はほぼ独占でその卸さんにお任せしますので、採算ベースに乗ることは難しいと思います。
また、ゴルフ業界自体狭い業界ですから、真似して作っても私達がオリジナルであることは多くの方が知っています。
正直真似して作っても良いことなどひとつも無いと思いますので、その点に関してはあまり考えなくても良いかと(^^

近々にも詳細をお知らせできると思いますが、カラー展開や多色展開などは3Dプリントならではのものですので、3Dプリント版も引き続きよろしくお願いいたしますm(_ _)m



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3Dプリントバージョンに関しても、新色やスワロフスキーをデコレートしたものなど、様々な展開を考えていますので、量産品が発売になっても細々と販売は継続してまいります(^^

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私のクラブたちです(^^;;

追々詳細をご説明しますが、試打用クラブもバッグに入れているので本数は大幅にオーバーしています。

なので実際にラウンドする時は抜きに抜きまくって14本にしてからラウンドです(笑)







BoseIronFactoryにクラブをお送りの際には出来るだけヤマト運輸かゆうパックをご利用頂き、午前指定にして頂けると助かります。


この2つ以外の宅配の場合、時間指定をしても指定外区域となりますので、いつ着くかも分かりませんが、ヤマトとゆうパックでしたらこちらも荷受けがスムーズです。


荷物の扱いに関しては精密機器、ワレモノという形にして頂けると助かります。

更にダンボールに入れて送られる場合は上積み厳禁扱い、キャディバッグの場合は天地無用にしていただけると助かります。

BoseIronFactoryは毎週火曜日定休ですので本日はお休みです。

まぁ、休みと言っても実際に休めることはほとんど無くそこそこ忙しくさせて頂いております。


もう一方で休みの日はMOIやゴルフクラブのことはあまりやらないようにしないと気持ちの切り替えがなかなか上手く行かないのも事実と言えまして・・・。

また、BoseIronFactoryの機材って一般的なゴルフ工房に揃っている機材はもちろん揃っているんですが、一般的なゴルフ工房には無い機材というのも多く有りまして。

しかも稼働率で言ったら年に1回可動するかしないかといったものまで、電子機器から土木用具までプロ用のものがかなりの数揃っています。
重機こそはありませんが、それこそ家が楽勝に建てられるラインアップです。
実際、工房はほぼ一人で建ててますし。

で、そんな機材がもったいないですし、3Dプリンタやレーザー彫刻機、3Dスキャナにカッティングマシンなどの作業ノウハウも身について来たことから、休みの日はFab施設的なものとして使っていこうかと。

とは言っても、美空ひばりに地の涯と歌われた弟子屈、東京や札幌などと違って稼働率はたかが知れています。
私自身も365日年中無休よりは年中有給を好むタチですので、事前予約制の簡易FabLabとして火曜及び機材を使っていない間に限り実費プラスアルファ程度で貸し出すことといたしました。

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常設の3Dプリンタスペース。

FabLabらしくないウッディ(というか手作り感満載)です。


現状のFab的な機材としては、

3Dプリンタその1:ダヴィンチPro 3in1
3Dプリンタその2:Creality CR-10S PRO(ボンサイラボ扱い正規品)
レーザー彫刻機:ダヴィンチPro 3in1(レーザーヘッド使用)
3Dスキャナ:ダヴィンチPro 3in1
カッティングマシン:ローランドディージー デザインカッター ステカ SV-8
CNCルーター:機種名よく分かりません(中華製)

と言った感じです。

Fab的な機材ではありませんが、半自動溶接機もありますので簡単な鉄工作業も可能です。

今後レーザーカッター、木工用旋盤なども随時増やして行きますので、家でもアクセサリーでもほぼ全てのものが出来るようになります。

また、地方ならではの設備としてD型ハウスがありますので、D型ハウス内でホコリや汚れる作業等も行うことが可能です。

あ、もちろん大きな音の出る作業も近い方の隣の家まで250mは離れていますので問題はありません。



もしかしたら、FabLabというより大概のことは出来る工房といったほうが良いかもしれませんが、Fab Teshikaga 本日午後より稼働します(^-^)v


FabLab Teshikaga に関する詳細はBoseIronFactoryのWebSiteに「FabLab Teshikaga」として新たなメニューを追加しておりますので、そちらを御覧ください。

結果的に言いますと、何も問題は無かったのですが、ちょっとばかりお恥ずかしいお話です。

HAYABUSAウェッジやHAYABUSA Ironに採用しているどこから見てもまん丸のソール形状。

ファルコンソールとか命名されていて、本人もやぶさかではないけど少しばかり恥ずかしいなぁと思っていたのですが、マルマンさんが30年も前に考えていて、特許も取得されていたということでありました。


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結果的には、HAYABUSAウェッジの当時から、なに偉そうに面から点へとか抜かしとるん?
ファルコンが考えつく30年近く前からもう考えられていて、ファルコンがパクっただけでしょ?

ということですね・・・。


一応言い訳をさせて頂きますと、この特許が出願されたのは1988年、その頃のファルコンは大学生でジェットスキーのレースに明け暮れ、全国を遊び回っていた時代で、ゴルフとは全く無縁の状態でした。

ゴルフを再開してクラブに興味を持ち始めたのが2000年以降。
ハマりまくった時期からとすると2006~2007年ですから、もうマルマンソールはほとんど採用されていない時期でしたので、ホント何にも知らなかった(というよりも昨日まで知らなかった)というのが本当のところであります(^^;;
当然ファルコン自身が考えついたので「ファルコンさん、HAYABUSAのソール特許取らないんですか?」などと言われて、「いやぁ、本当に良いソールなので敢えて特許は取らずに皆が真似すればいいじゃないですか?」なんて言っていた位なのですが、知らなかったとは言っても結果的に真似したのはファルコン自身だったという。。。嗚呼本当にお恥ずかしい。


何でわかったかというと昨日の夕方に教えてくれた方が居て、元法務部として「こりゃあイカン!すぐに調べてお客様にご迷惑のかからないようにしなくては!!」と必死こいて特許を調べ、特許権の存続期間の20年をとうに過ぎていることを確認して胸を撫で下ろしているわけであります。
存続期間中は独占的、あるいはライセンスと言う形でマルマンさんの発明として保護されるのですが、存続期間が終了すると権利的にはオープンとなり、誰でも無償で使えるようになるという訳です。


ということでマルマンさん、ごめんなさい。そしてありがとうございます!!
30年以上前にこんな素晴らしいソール形状を考えてしまうなんて、全力リスペクトであります!!

それとHAYABUSAウェッジをお買い上げの皆様及びHAYABUSA Ironをご予約の皆様、ファルコンは真似っ子ですが、権利侵害はしておりませんので、安心してくださいね(^^


ちなみにマルマンさんの特許は1600件もあります。
幸いにも400件くらいのところでマルマンソールの特許は見つけましたが、1件調べるのに1分はかかっていましたから、見るけるまででも7時間近く・・・・。

大変恥ずかしいお話ですが、恥ずかしいお話でもお客様にはキチンとお伝えしておかないといけないのでお話させていただきましたm(_ _)m

さて、今回はHAYABUSA Ironのソールのお話なのですが、その前に、HAYABUSAウェッジのソールのお話をもう一度して置かなければなりません(^^;;


HAYABUSAウェッジのヌケの良さはソール形状にあります。


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HAYABUSAウェッジのソールイメージ(トレースしただけですが)

HAYABUSAウェッジのソールは玉子を半分に切った形をしています。

これは今までのウェッジが面を多く取ることでの滑りを良くしてヌケを良くしていくのに対して、丸くすることで接地する面積を極限まで落とすことでヌケを良くするという考え方をしているから。

どちらが良いとか悪いとかの問題ではなく、単に考え方が違うということですね(^^


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こちらがHAYABUSA Ironの7番相当のソール

HAYABUSAIronも基本的に同じような全体的に丸みを帯びたソールにしています。

このことでHAYABUSAウェッジ並の抜群のヌケの良さを実現・・・してはいません。

ヌケに関しては、他のアイアンなどから比べるともちろん良いのですが、HAYABUSAウェッジのヌケを一度味わってしまうとIronのほうは「え?こんなん?」と感じてしまうほどです。




HAYABUSAウェッジのロフトはウェッジですから48度から58度と寝ています。このことで長い芝でもフェースに直接当たることは少ないです。
イメージとしてはロフト0度のフェースとロフト90度のフェースだったら分かりやすいかと思いますが、同じフェース面積だとしたらロフト0度のフェースは全部の芝がフェースに当たって抵抗となるのに対して、ロフト90度のフェースはフェースの厚さの部分にしか芝は当たりません。

ロフトが立っているアイアンは同じソールだったとしてもウェッジよりも芝が多く当たるため、芝の抵抗が多いことになりますから。



正直、このことに気付いたのはHAYABUSA Ironの初期の試作を作って、実際に根室GCのとんでもないラフで打ってみるまで気付きませんでした。

ちょっと考えれば分かりそうなものですが、逆に言うとそれほどまでにHAYABUSAウェッジのヌケが良かったのでアイアンでも同じだろうと思っていたのが敗因です。


ではアイアンにこのファルコンソール(命名:こんちゃん(元祖蝶ネクタイプロ)は意味が無いものかと言うとそうではありません。
ファルコンソールにすることで、今までのアイアンではなし得なかった大きな問題を解決出来たのです。



ちょっと引っ張らせてくださいね(^^;;






その問題とは、フライヤーです。

フライヤーはどういったメカニズムで起こるかというと、フェース面に芝が挟まれた状態でボールインパクトを迎えることによって起こります。
フェース面に芝が挟まれるとスコアラインが機能せず、バックスピン量が減り、フライヤーが起こる訳です。


一般的なアイアンの場合は、リーディングエッジが鋭角になっていますので、リーディングエッジによって切り取られた芝がフェースに乗ったままボールインパクトを迎えますのでボールとフェースの間に芝が挟まれフライヤーが起こります。

一方でHAYABUSAウェッジやHAYABUSA Ironの場合では、リーディングエッジのエッジが立っておらず、芝が切り取られる度合いが非常に少なくなっています。
(100%完全に切り取られない訳ではありません)

芝は殆ど切り取られず、且つソールがまんまるですから芝はソールの下をするりとすり抜けます。

結果、フェースとボールの間に芝が挟まれることは殆ど無いためHAYABUSA Ironではフライヤーが殆ど起きず、フェアウェイから打った球と同様のバックスピンがかかる。ということになります。


昨年の秋にプロの試打を通じて行ったテストでも、鬼ラフと言われる程度のラフからはフライヤーは起きず、フェアウェイから普通に打ったときとほぼ同じ飛距離が出ることが確認されています。


フライヤーが起きないということは実はとんでもないメリットなんです。
プロゴルファーでもフライヤーによってどの程度飛びすぎてしまうかはなかなか予測不可能ですので、普通に打って飛び過ぎたり、逆に加減して打って手前に落ちてしまったりする場合が多々あります。

そのフライヤーが殆ど無くなるということは、ラフからでも距離の計算が出来ますから。
フライヤーってプロだけのものではもちろんありません。ほとんどのアマチュアは飛ぶと嬉しいので、通常150ヤードの飛距離のはずの番手で、フライヤーによって170ヤード飛んじゃったとしても「俺ってハードヒッター(^^」と思ってしまいがちです。
なのでプロだけでなく、普通のアマチュアにとっても(飛距離の階段を作るべきアイアンにおいては)フライヤーは大きな敵となります。


何年か後にトーナメントの中継でT張さんが偉そうに、「これはフライヤーですねぇ・・・」なんて言うこともなくなるかもしれませんし、もしT張さんがそんな事言ったら、「とっくの昔にHAYABUSA Ironでフライヤー問題は解決済みでしょ!?」とT張さん以上に偉そうに言ってやりましょう(笑)


HAYABUSA Ironの開発では、様々な性能を詰め込んでファルコンのクラブ設計の集大成的なものにしたいと考えてきました。
HAYABUSAウェッジの時もそうでしたが、現状考えうる最高のクラブが出来たと感じています。

まだ細かい部分での修正はありますし、ロゴの刻印を作ったり、ロフト表示の刻印も作らなくてはいけませんが、性能的にもその他の部分でも、良いものが作れたのではないかと自負しております。




LimitedForgedというとこのブログの読者の皆様はやはりこの世界初のミーリングのHAYABUSA LimitedForgedを想像される方が多いと思うのですが、LimitedForgedという呼称自体はBoseIronFactoryの協力企業である共栄ゴルフ工業さんのほうが早いんです(^^


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共栄さんのI.Ogrind LimitedForgedに惚れ込んだ私が、まずI.Ogrind LimitedForgedの黒染めモデルを先行発売させてもらって・・・


I.OLimitedForged
そう言えばこのチラシを作ったのも私です。

その後に共栄さんがFi-0CBの通常モデルを限定200セットでリリース。
そしてその通常モデルを更にモディファイして誕生したのがFi-0CB LimitedForgedと言う訳です。


Fi-0
こちらがI.Ogrind LimitedForged

LimitedForgedの名を冠したからには通常のFi-0CBとは同じにするわけにはいきません。
I.Ogrind LimitedForgedがプロのために作ったモデルをそのまま一般発売したので、Fi-0CB LimitedForgedに関してもプロスペックをそのまま販売しています。
もちろんモディファイにあたってはファルコンまつばら完全監修で、通常のFi-0CBを私が研磨し、その研磨した物をマスターとして共栄さんが作るというスタイルです。
この頃には既にHAYABUSAウェッジやHAYABUSA Ironの基本的な考え方はありましたので、ソール形状などはHAYABUSAに通じるものがあるんです(^^
もちろん現在のHAYABUSAではFi-0で出来なかった研磨もノウハウとして詰め込んでいますけれど、基本的な考え方はこの頃から持っていますので、アイアンとしてはかなりヌケが良いものとなりますね。

しかも、通常モデルのFi-0CBは200セット限定でしたのですぐに売り切れてしまいましたが、Fi-0CB LimitedForgedは数量限定ではありません。BoseIronFactory限定販売という限定はありますが。

BoseIronFactory限定ということで、プロに対して支給するものも全て私が組んでいます。全部が私の手を通じて世に出ていくのでよ~くわかっていますが、アマチュアに販売した本数より、圧倒的にプロゴルファーに組んだ数のほうが多いという、まさに本物のプロモデルと言えるでしょう。


Fi-0CB LimitedForgedに関しては宣伝らしい宣伝は一切しておらず、共栄ゴルフのWebSiteにも全く載っていません。BoseIronFactory限定なので私がまだアメブロに書いていた頃に細々と紹介していたのとBoseIronFactoryWebShopで細々と載せている位です。
(扱いが出来ない他の工房さんに申し訳ないですしね・・・)

で、このFi-0CB LimitedForgedなのですが、そんな感じで宣伝も紹介もしておりませんでしたので、この1年位で1セット出たくらいだったんです。



でも、この1週間であれよあれよという間に結構な数のご依頼を頂きまして・・・。
在庫自体もともと持っていない完全受注生産モデルでお時間も3ヶ月くらいはかかるのに・・・です。

当然、MOIマッチング専用ヘッドで、拘りとアイデアを詰め込んだものになりますので、アイアンヘッドとしては結構高いですし・・・。

嬉しい反面、何でここ1週間とかでご依頼が立て続けにあるのかな?なんて思ったので、思い出したようにブログに書いてみました(^^;;



もちろんお値段以上に良いアイアンですので、皆さんどうかよろしくお願いいたしますm(_ _)m


HAYABUSA Iron、JCMシリーズ、DoMアイアン等々、BoseIronFactoryには様々なオリジナルヘッドがあって、どれもいいですよ~とかファルコンのハゲは言っているけど、どれもいいですよ~ってことは結局どれも中途半端で大したことないんだろ!!

と思う方もいらっしゃるかと思います。
敢えて言い訳をさせてもらいますが、全てに於いて完璧な物は私には一生作れないと思います。
誰でも7番アイアンで200ヤード飛んじゃって、見た目と操作性はTN-87、打感もTN-87以上に柔らかくて、しかも絶対にトップもダフることも無く、更にはどんなミスに対して優しい・・・みたいな物は絶対に無理です。

どのモデルにもそれぞれの特徴があって、いくら今がんばって最後の調整をしているHAYABUSA IronでもJCM-03キャビティのミスに対する寛容さでは勝てません(負けないようにしようとがんばってますけどね)。
私が言うと言い訳とか負け惜しみになりますけれど、だからこそいろんなモデルがあって良いのですし、いろいろなものから選べる選択肢があって良いと考えます。

もちろんBoseIronFactory以外の選択肢もアリです!!
気に入った方に気に入ったものを長く使って頂きたいので、そのためにも世界一小さなクラブメーカーでもありますが、RODDIOや三浦技研などの取扱もして、豊富なラインアップからそれぞれがお好きな物を選んで頂けたらと思います(^^

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