フジクラのMCI BLACK、非常に良いシャフトです。
このことは間違いないので、最初に書いておきます(^^
MOIマッチングをシャフトの点から実現しようと長い期間をかけて開発した、その心意気も最大限の評価に値します。
ただし、MCI BLACKにも弱点があります。
その弱点とは、既に何度か書いていますが、シャフトでの重量フローと重心フローです。
シャフトだけでMOIマッチングを実現させようとするのは非常に難しく、実際には重量だけでほぼほぼMOIが揃うようにするにはロングアイアン用とショートアイアン用で30~40gもの重量差をつけなければなりません。
技術力の高いフジクラですから、重量だけでMOIを揃えることは上記のような大幅な重量フローをしていかなければいけないことが分かっていました。
そのため、重量だけでなく重心位置も番手ごとにフローさせること(ロングアイアンはバット側へ、ショートアイアンはチップ側に)で必要最小限の重量フローとさせています。
いわば重量と重心のフローを敢えて行うことでMOIを合わせていくと言う技術のあるフジクラならではの手法ですが、重心を今以上にフローさせてしまうとキックポイントもかなり変わってくることから、重心位置のフローも、それほどの量が行われている訳ではありません。
どちらかを取るとどちらかがダメになる。そうしたしがらみのようなものがあるので仕方のないことなのですが、結果的に100Sでロングアイアン用のシャフト重量は94gであるのに対して、ショートアイアン用の重量は115gと21gもの重量差を設けなければMOIマッチング的な振り心地の統一を測れなかったんです。
この21gのシャフト重量差の他にヘッドの重量差も7gピッチでありますから、4番アイアンとPWでは(7g×6)+21g=63gもの重量差が生まれることになります。
42gで済んでいたものが、63gになるのですから、どなたでも持っただけで「重い!!軽い!!」と分かるようになります。
総重量自体は適正な重量差であればキャディバッグから出してテイクバックに入るまでの間しかゴルファーに影響は与えず、スイングに入ると基本クラブMOIが支配しますが、特にショートアイアンではその重量差がある上にシャフトの重心までもがチップ側にフローしていくことでゴルファーに対して必要以上(クラブMOI以上)に重いと言う感覚を植え付けます。
これがMCI BLACKの最大の弱点なんです。
ちなみにですが、この点が優位に働く方もいらっしゃいます。
第一次MOI(腕や身体のMOI)が不足し、カウンターバランスをつけなければチーピンに悩むようなゴルファーです。
しかしながら、クラブMOIの適正値がオーナーひとりひとりによって違うように、第一次MOIを調整するカウンターバランスの重量もひとりひとりによって変わってきます。
そうした意味からもMCI BLACKの重量差に頼るのは1種類のカウンターバランスと言うかたちになりますから、合うか合わないかは賭けとも言えます。
更には重心位置が短くなるに従ってチップ側に移動していくことから、カウンターバランスとして機能する重量も必要以上に重くなると言う弊害もあります。
(人にもよりますがBoseIronFactoryでカウンターバランスを仕込む場合、必要最小限にしていますので、重くても10gまでは行きません。バット側ギリギリに埋め込みますので、軽いカウンターバランスでもより効果的ということになります)
一方でMCI BLACKやDG-AMTのようななんちゃってMOI用のシャフトではなく、通常のコンスタントウエイト(シャフト重量差が無いシャフト)のアイアンの場合、基本ヘッドの重量調整と0.1mm単位でのバットカットにてMOIマッチングを行います。
MOI=慣性モーメントですから、外周部に近ければ近いほど効果があるので、シャフトの重量差で調整するより何倍も効果的です。
その為4番アイアンとPWの重量差も45g~49g程度で済むのです。
63g-49g=14gものアドバンテージが生まれるんです。
ぶっちゃけて言ってしまいますと、MCI BLACKはMOIマッチングの知識も技術も無いお店に向けたシャフトであり、キチンとMOIマッチングが出来るJCMO認定店に関して言えば、PINGのGシリーズのようにヘッド重量の調整が難しい上に、ホーゼルも殆ど手がつけられないくらいの差し込み長しか取ることの出来ないアイアンに関しては有用ですが、それ以外のヘッドに関して言えば必要ないと言えます。
キチンとしたMOIマッチングができる我々にとっては、MOIマッチング的な考え方が広まっていってくれると言う点ではMCI BLACKは本当に有り難いシャフトなのですが、逆に殆ど使うことの無いシャフトとも言えるんです。
そうした点から、MCI BLACKで組み上げられたクラブのMOIマッチングをご依頼頂いた場合、普通のMCIなどにリシャフトすることをお勧めしております(^^;;←なんか照れちゃうのですが、オーナーにとって1番良い状態にしたいですからね。
クラブMOIマッチングをお急ぎの方は、JCMO認定店でのMOIマッチングもご検討ください。
https://www.club-moi.org/officialshop
こちらに記載している各工房はJCMOが技術やノウハウ等をお教えし認定された工房です。
川崎のKURO-MOI工房に関してはKURO氏と直接のお知り合いやそのご紹介に限らせていただいておりますが、その他の工房に関しましてはどなたでもMOIマッチングが出来る工房となっております。
BoseIronFactoryでは只今4月下旬のお預かりで5月上旬~中旬のお戻しと言うスケジュールとなっていますが、その他の工房はもっと早く作業が可能かと思われますので。
このことは間違いないので、最初に書いておきます(^^
MOIマッチングをシャフトの点から実現しようと長い期間をかけて開発した、その心意気も最大限の評価に値します。
ただし、MCI BLACKにも弱点があります。
その弱点とは、既に何度か書いていますが、シャフトでの重量フローと重心フローです。
シャフトだけでMOIマッチングを実現させようとするのは非常に難しく、実際には重量だけでほぼほぼMOIが揃うようにするにはロングアイアン用とショートアイアン用で30~40gもの重量差をつけなければなりません。
技術力の高いフジクラですから、重量だけでMOIを揃えることは上記のような大幅な重量フローをしていかなければいけないことが分かっていました。
そのため、重量だけでなく重心位置も番手ごとにフローさせること(ロングアイアンはバット側へ、ショートアイアンはチップ側に)で必要最小限の重量フローとさせています。
いわば重量と重心のフローを敢えて行うことでMOIを合わせていくと言う技術のあるフジクラならではの手法ですが、重心を今以上にフローさせてしまうとキックポイントもかなり変わってくることから、重心位置のフローも、それほどの量が行われている訳ではありません。
どちらかを取るとどちらかがダメになる。そうしたしがらみのようなものがあるので仕方のないことなのですが、結果的に100Sでロングアイアン用のシャフト重量は94gであるのに対して、ショートアイアン用の重量は115gと21gもの重量差を設けなければMOIマッチング的な振り心地の統一を測れなかったんです。
この21gのシャフト重量差の他にヘッドの重量差も7gピッチでありますから、4番アイアンとPWでは(7g×6)+21g=63gもの重量差が生まれることになります。
42gで済んでいたものが、63gになるのですから、どなたでも持っただけで「重い!!軽い!!」と分かるようになります。
総重量自体は適正な重量差であればキャディバッグから出してテイクバックに入るまでの間しかゴルファーに影響は与えず、スイングに入ると基本クラブMOIが支配しますが、特にショートアイアンではその重量差がある上にシャフトの重心までもがチップ側にフローしていくことでゴルファーに対して必要以上(クラブMOI以上)に重いと言う感覚を植え付けます。
これがMCI BLACKの最大の弱点なんです。
ちなみにですが、この点が優位に働く方もいらっしゃいます。
第一次MOI(腕や身体のMOI)が不足し、カウンターバランスをつけなければチーピンに悩むようなゴルファーです。
しかしながら、クラブMOIの適正値がオーナーひとりひとりによって違うように、第一次MOIを調整するカウンターバランスの重量もひとりひとりによって変わってきます。
そうした意味からもMCI BLACKの重量差に頼るのは1種類のカウンターバランスと言うかたちになりますから、合うか合わないかは賭けとも言えます。
更には重心位置が短くなるに従ってチップ側に移動していくことから、カウンターバランスとして機能する重量も必要以上に重くなると言う弊害もあります。
(人にもよりますがBoseIronFactoryでカウンターバランスを仕込む場合、必要最小限にしていますので、重くても10gまでは行きません。バット側ギリギリに埋め込みますので、軽いカウンターバランスでもより効果的ということになります)
一方でMCI BLACKやDG-AMTのようななんちゃってMOI用のシャフトではなく、通常のコンスタントウエイト(シャフト重量差が無いシャフト)のアイアンの場合、基本ヘッドの重量調整と0.1mm単位でのバットカットにてMOIマッチングを行います。
MOI=慣性モーメントですから、外周部に近ければ近いほど効果があるので、シャフトの重量差で調整するより何倍も効果的です。
その為4番アイアンとPWの重量差も45g~49g程度で済むのです。
63g-49g=14gものアドバンテージが生まれるんです。
ぶっちゃけて言ってしまいますと、MCI BLACKはMOIマッチングの知識も技術も無いお店に向けたシャフトであり、キチンとMOIマッチングが出来るJCMO認定店に関して言えば、PINGのGシリーズのようにヘッド重量の調整が難しい上に、ホーゼルも殆ど手がつけられないくらいの差し込み長しか取ることの出来ないアイアンに関しては有用ですが、それ以外のヘッドに関して言えば必要ないと言えます。
キチンとしたMOIマッチングができる我々にとっては、MOIマッチング的な考え方が広まっていってくれると言う点ではMCI BLACKは本当に有り難いシャフトなのですが、逆に殆ど使うことの無いシャフトとも言えるんです。
そうした点から、MCI BLACKで組み上げられたクラブのMOIマッチングをご依頼頂いた場合、普通のMCIなどにリシャフトすることをお勧めしております(^^;;←なんか照れちゃうのですが、オーナーにとって1番良い状態にしたいですからね。
クラブMOIマッチングをお急ぎの方は、JCMO認定店でのMOIマッチングもご検討ください。
https://www.club-moi.org/officialshop
こちらに記載している各工房はJCMOが技術やノウハウ等をお教えし認定された工房です。
川崎のKURO-MOI工房に関してはKURO氏と直接のお知り合いやそのご紹介に限らせていただいておりますが、その他の工房に関しましてはどなたでもMOIマッチングが出来る工房となっております。
BoseIronFactoryでは只今4月下旬のお預かりで5月上旬~中旬のお戻しと言うスケジュールとなっていますが、その他の工房はもっと早く作業が可能かと思われますので。
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