BoseIronFactoryではJCMO(日本クラブMOIマッチング機構)としてクラブMOIマッチングセミナーを実施しています。

そのセミナーの中ではクラブMOIマッチングを中心とした講義を行いますが、実際にクラブMOIマッチングのやり方や考え方をお教えするだけでなく、クラブMOI的な考え方が一番大切ではないかと考えています。

先程上げたブログ記事の中で「1インチ伸ばすとヘッドスピードが1m/s上がる」という内容を書きましたが、このことはクラブMOI的な考え方を象徴するひとつの事例としてセミナーテキストにも記載しています。

セミナーテキストはクラブMOIマッチングの秘伝書とも言えますのでその内容全てをブログに書き記す訳にはいきませんが、「1インチ伸ばすと~」の部分だけは公開しますね(^^

セミナーテキストの最終章にこのことが書いてありますので、1~7章に関してはセミナーを受けた方だけです(^^;;

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8.クラブMOI的考え方の実例
8-1. 1インチ伸ばすと・・・
皆さん気になされるヘッドスピードのことを例にとってお話ししましょう。
クラブを1インチ伸ばせば約1m/sヘッドスピードが伸びて、3~6ヤード飛距離が伸びるという神話があります。
このことは誰しも疑うことなく、まことしやかにお話されていますが、そこは百戦錬磨のゴルフ記者だったり評論家だったりしますから、「1インチ伸ばすと1m/sヘッドスピードが速くなると”言われています”から・・・」と皆さん他人のせいにしています。
これは実際にはほとんど伸びたためしがないからではないかと。

また、このことを逆に考えると、非常に面白いことが起きてきます。
45インチでヘッドスピードが40m/sの平均的なゴルファーがいるとしましょう。
1インチ伸ばすと~が真実であるとすると、1インチ短くすると1m/sヘッドスピードが落ちる事となります。
となると、5インチのクラブを振るとヘッドスピードは0になり、4インチだったらヘッドスピードはマイナス1m/sになります。
いくら短いとは言っても逆回転になるというのはありえない事です。

こうしたことに対して疑問を持つのがクラブMOI的思考の第一歩です。
実際に計算してみる。検証してみるというのがクラブMOI的思考の実践となります。

45インチのドライバーで1インチ伸ばした場合、45×25.4=1143mm→46×25.4=1168.4mmになります。

ヘッドスピードは周速度といって、回転運動における外周部の速度ですから、同じ回転数で回転した場合、半径が大きくなれば周速度=ヘッドスピードも上がると言う事になります。
この点においては理論的整合性は取れていることになります。

ヘッドスピード40m/sの場合の回転数は、回転数 = 周速度40m/s ÷(直径2286mm × π)
となりますから、ヘッドスピードが40m/sで45インチの半径とした場合、回転数は毎秒5.56975回転となります。
回転数を5.56975回転で固定した場合、半径が1143mmから1168.4mm(直径2336.8mm)となった場合の計算式は、周速度 = 直径2236.8mm × π × 回転数5.56975 となりますので、40.889m/sとなります。
1m/sまではいきませんが、0.9m/sなのでほぼ正しいといえますね。

と思われるでしょうが・・・・、実際にスイングする時ってクラブだけがクルクル回る訳でありません。
腕や身体全体も動いてこそのスイングとなるわけです。
体の回転まで入れたいところですが、ここは2・3歩譲って腕までとしましょう。

私の肩から手首までの腕の長さが550mm位ありますから、半径1143mmに550mmを足して、半径1693mmとします。
1693mmでヘッドスピード40m/sの場合、回転数は3.7603回転。ずいぶんとゆっくりになりましたが、実際に動画を撮って検証してみると確かにその通りです。
そうなると45インチから46インチになると1693mmに25.4mmを足して、1718.4mm×2=3436.8mmが直径となります。
その場合の周速度の計算は、周速度 = 直径3436.8mm × π × 回転数3.7603=40.6m/s
まだ四捨五入すれば1m/sになりますけれども、1インチにつき~ということですから、2インチ伸ばして47インチにしたとすると、直径が3487.6mmですから、2インチ伸ばしても41.2m/sにしかなりません。
ここまで来ると、いくらなんでも盛り過ぎと言わざるを得ません。
確かに元々の周速度=ヘッドスピードが速ければ、1インチ伸ばして1m/s上がる人もいます。計算上は45インチでのヘッドスピードがおおよそ70m/s以上ある人です(笑)

この計算はもちろん1インチ伸ばしても2インチ伸ばしてもクラブMOIが変わらないと言う前提です。
クラブMOIが変われば振る事自体によりチカラが必要となりますから、2インチ長くなると相当ヘッド重量を軽くしないといけないでしょう。

こうした思考をすることが、クラブMOIの本質を理解するためには必要となってきます。

1インチで1m/sというのはいわばゴルフ界の常識ですが、ロングアイアンは難しいというのも、ショートアイアンは引っかかるというのもゴルフ界では常識とされてきたことです。工房の中ではホーゼル内に錘をつけると重心距離が変わるというのも常識です。

その常識が実は非常識であったということを検証しても、変化を嫌うゴルフ業界にはなかなか浸透していきません。しかしクラブMOIが、クラブMOI的思考がゴルフ業界を変えていくことはもう誰にも止められません。

セミナーを受講して仲間となった皆さんはゴルフ業界を変えていく先駆者の1人です。
私達と一緒に変えていきましょう!!


~~~~~~~~~~~~ここまで~~~~~~~~~~~~~

さて、いかがでしたでしょうか?

ゴルフ業界内で常識と言われていて誰しも疑うこと無く信じられている事ですが、ほんの少し疑問に思ったり、見方を変えるとその常識が本当にその通りなのかということがお分かりになると思います。

クラブMOIマッチングはもちろんですが、HAYABUSAウェッジなども「1インチ伸ばすと~」みたいに視点を変えることで初めて革新的なソール形状が生まれたと言えます。

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(写真が無くて寂しいのでHAYABUSAの写真をば)