3Dプリンタの導入で、かなり作れるものが増えてきたので、今までよりも精度の高いクラブチューニングが可能になってきています(^^

例えば、一次MOI調整用のカウンターバランス作成やシャフト延長などはつい先日まで市販のシャフト延長部品などを使っていましたが、3Dプリンタを購入してからはひとつひとつ3D-CADで設計し、3Dプリントするようになりました。

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バリ等はキチンと取ってから使っています(^^

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今まで使っていたシャフト延長棒(下)とカウンターバランス作成用チップ(上)





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カウンターバランス作成用チップの3D-CAD画像。

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3D-CADで設計したシャフト延長棒


多くの皆さんは、「これの何が違うの?わざわざ作らなくても・・・」とお思いになるかもしれませんが、これがかなり違うんです(^^

市販の部品は汎用として作ってありますから、ワンサイズしかありません。
サイズ違いはシャフト延長棒の場合で、0.5インチか1.0インチかという点だけで、0.35インチ伸ばしたいと言った場合は0.5インチを削っていくしかありませんでしたし、汎用ですからシャフトに刺す部分がシャフト内径に対して太かったり細かったりして、そのままでは使えないものでした。

そのため長さだけではなく、シャフト内径にピッタリ収まるように削ったりカーボンシート等で太くする必要がありました。

カーボンシャフトの場合は同じブランドの同じシャフトでも、重量帯やフレックスなどで内径が違うものがほとんどですし、スチールシャフトでもNS-950GHは太くて大変だけど、1050GHは950より細いとか、かなり違うんです(^^;;


3D-CADでの設計なら0.01ミリまで設計出来ますが、実際に3Dプリンタで出力すると流石にそこまでの精度はありません。
でも0.1ミリまででしたら十分可能ですし、出力した時の収縮も考えて作ればピッタリとハマるモノが作れます。

強度的にも1インチ程度までならペンチで思いっきりチカラを加えてみても問題はなさそうです。
市販のモノと違って強度を保ったままでの肉抜きも出来ますし、素材自体もABSを使いますので同じ大きさでしたら40%近くも軽量化出来ます。

まさに良いことづくめのように思えますが、デメリットも。

ひとつひとつ3D-CADで設計するので、それなりに時間がかかりますし、何よりも出力するのに時間がかかります。


内野様カウンターバランス書き出しデータ
広島のU様の書き出しデータです。
各1~2個の予備も含めて作ります。

小さなモノとは言っても、17個出力するのに4時間弱・・・。
設計も含めて考えると5~6時間はかかることになります。

ちなみにこの一次MOI調整用カウンターバランス作成工賃は1つにつき1,500円(税別)を頂いています。
高いとお感じになるかもしれませんが、ひとつひとつ3D-CADでの設計から行って1,500円だったら、それほど高くないと考えています。


まぁ、それでもプリントしている時間は他の作業を行っていれば良いので、この程度の手間暇は特に問題ないかと(^^

実際プリントしている間にこうしてブログの更新をしたりも出来るわけですからね(^^




以下独り言ですが・・・(笑)

美空ひばりの唄で地の涯と言われたここ弟子屈なんですが、その弟子屈の中でも超ド田舎の、自然以外なぁ~んもないこの地で、MOIマッチングやCADでのカウンターバランス等々の最新のことをしているなんて、なんか凄いなというか感慨深いというか・・・。

まぁ、今の時代、どこにいても技術や知識やノウハウがあればどこにいても仕事は出来るのでだからどうしたという感じでもありますが、こうしてブログ等で書かなければ、誰一人としてそんな事は思わないでしょうねぇ(^^;;