ゴルフ「北の国から」

ゴルフトゥデイでの連載「ゴルフ〜北の国から〜」をしていたファルコンまつばらです。 クラブMOIマッチングを中心とした理想の工房を北海道に作るまでの模様、そしてクラブMOIマッチングの今とこれからを中心に様々なことに顔を突っ込んでいきます(^^;; なお、純はもしかしたら出てくるかもしれませんが、蛍や五郎さんは出てきませんので、念のため・・・。

カテゴリ: MOIマッチング

あるプロがクラブを短く持ってティーアップを低くしたら飛距離が伸びたという事をFacebookで書いておられました。

そのプロは全部正解で合うか合わないかであると書いていましたが、とても興味深いお話ですので、
なんでこのプロの場合これが正解だったのかに関してクラブMOIマッチング的な視点から書いてみようと思います。

結論から言うとこのプロの仰るとおりなんですけども・・・。



さて、どんなことがこのプロに起こったのか・・・。

短く持つとクラブMOIは低くなる。
クラブMOIが低くなることで振るために必要となる抵抗が低くなるので振りやすくなり、よく言われているようにヘッドスピードも1インチで1m/s落ちることはありません。
更には短く持つことで芯に当たる確率が上がるので飛距離が伸びる可能性も高くなります。

ティーアップと低くすると、アッパーではなくレベルブローに近いところでボールコンタクトを迎えることになりますから、リアルロフトは小さくなり、ボールはよりロフトに近い打ち出し角で飛んでいきます。
それなりに速いボール初速とした場合では、打ち出し角が高すぎると前に伸びるためよりも上に上がるためにエネルギーを消費しますから、適正な打ち出し角となり、飛距離が伸びたものと考えられます。


ただ、ここでいちばん大切なのは、これが合う人と合わない人が居るということ。
短く持たなくても適正MOIの場合もありますし、ヘッドスピードが一番出るところ(ボール初速が一番出るところ)がアッパー軌道に乗ったところという方もいらっしゃいます。

そのへんが難しいのと、プロゴルファーに対してのクラブMOI値の階段が、一般的なアマチュアゴルファーよりも段差が少ない(ex.仮にプロのドライバーMOIが2780kg-c㎡でアイアンが2680kg-c㎡だったとすると、一般的なアマチュアのドライバーが2800kg-c㎡でアイアンが2650kg-c㎡と150kg-c㎡差だったりする)こともあります。

正解はゴルファーの数だけありますし、同じ人でその正解も体力が落ちたり体力が付いたりして変わってくることも。

一番良いのはキチンとしたノウハウと経験を持つプロにクラブの調整を任せたほうが良いということですね(^^;;

さて、いきなり本題です(^^;;

まずはこの表を御覧ください。


MO


アイアンに関しては、2630kg-c㎡合わせでHAYABUSAウェッジでは10kg-c㎡だけ下げての2620kg-c㎡合わせで作っています。

この数値自体が高いか低いかに関して言うと、28歳の若人としてはぶっちゃけ低いほうですね。


では2セット目のクラブMOIを見ていきましょう。

MOI-2

ドライバーも2750kg-c㎡から20kg-c㎡下げの2730kg-c㎡にしていますが、アイアンも20kg-c㎡下げの2610kg-c㎡です。

HAYABUSA3本

HAYABUSAは15kg-c㎡下げですが2605kg-c㎡合わせ。

私が打ったら完全に左にしか行かないでしょうね(^^;;





このように、若いからとか体力があるからとか、大柄とか小柄とか、プロゴルファーだからだとかアマチュアだからとかでは無いんですね。

「俺はハードヒッターだからD2じゃなきゃ」とか「私はもう60近いからC5じゃなきゃ」とか全くそんな事はありませんし、ほとんどのゴルファーよりも圧倒的に体力のある池田勇太プロでさえ、C6とかC7のドライバーで結果を残していますし、池田勇太プロよりも若い三木龍馬プロもドライバーはC7.5です。
それぞれ適正な振り心地と結果を求めていくと、C6になったり、D4になったりとスイングバランスでは測れないところ(スイングバランスでは論理的整合性が取れない所)に行き着きます。

大切なことなのでもう一度言いますが、若いからとか体力があるからとか、大柄とか小柄とか、プロゴルファーだからだとかアマチュアだからとかでは無く、人それぞれでそれぞれに合った適正なMOIがあるのです。

BoseIronFactoryでクラブのMOIマッチング組み上げを通じてサポートしているプロの中の1人に三木龍馬プロがいます。

三木プロは2018年の日本プロゴルフ選手権大会の予選からのサポートで、それまでなかなか予選を勝ち抜けなかった日本プロの予選を、ぶっつけ本番(予選当日に開催されるゴルフ場で受け取ったという、まさにぶっつけ本番)でMOIマッチングしたクラブを使って見事予選を勝ち抜きました。

日本プロの本戦でも初日には9位(最高で4位)まで上がるという活躍を見せてくれました。決勝トーナメントまで進み最終的には50位となるものの、初のメジャー大会で日本のプロゴルファーの上位50人に入ったのですから、上々の成績と言えるでしょう。

その後HEIWA・PGM CHAMPIONSHIPでも決勝トーナメントまで進み32位タイ、先日行われたabemaTVツアーの大山どりCUPでは最終日に65のビッグスコアを叩き出して3位タイになるなど、若手トーナメントプロの中で着実に実力を付けてきている注目選手です。

三木プロはYouTubeもやっていますし、トーナメントでも蝶ネクタイを付けてプレイしていることから、割と目立っていると思うんですが本当に性格の良い好青年なので、皆から好かれていますし、私もホント大好きなプロです(^^

さて、今後数回に渡ってそんな三木プロのクラブセッティングをクラフトマンの立場から分析してみたいと思います。

ぶっちゃけプロのクラブと言っても、何も特別なことはしていないのですが、皆さんご興味あると思いますので(^^

三木プロのクラブセットは2セット組み上げていますが、まずは1セット目から。


三木プロ1セット目データ


これ、三木プロに渡したスペックシートです。
BoseIronFactoryでMOIマッチングしたことのある方は、見覚えあると思います。ご自身でお持ちのスペックシートと測定項目は全く同じということがお分かりになるかと(ね?プロのクラブと言ってもえこひいきしてないでしょ?(笑))
ご自身のスペックシートと比較しながら見ていくとおもしろいと思うので、お持ちの方は引っ張り出してきてくださいね(^^


gaiyou


小さくて見にくいと思いますので、まずは概要を拡大してみました。
三木プロは基本AKIRAさんのヘッドを使っていますが、ウェッジだけBoseIronFactoryのHAYABUSAウェッジです。

「AKIRAさんにお世話になっているのは良く知っているし、試合で使わなくても良いから、トーナメントプロの目からHAYABUSAウェッジを評価してくれない?」ということで渡したHAYABUSAウェッジなのですが、「実際に打ったらプロとして使わざるを得ないです!」ということで(AKIRAさんには申し訳ないのですが)使って頂いています。

BoseIronFactoryとしても良いものを作っているつもりですので、HAYABUSAウェッジにも相応の自身はあるんですが、ことウェッジやパターに関してはこだわりや好みが分かれるところですから、まさか本当に使ってもらえるとは考えていませんでした(^^;;



さて、まずここで注目なのが、シャフトフレックスです。
シャフトはKBSと癒着(笑)があるので、アイアンはKBS支給(HAYABUSAはBoseIronFactoryが購入していますが・・・)。
ウッドはフジクラにお願い!!して支給して頂いています。
(このあたりはやはり三木プロの人柄でしょうね、同じプロでも「使ってやるよ!!」みたいな感じだと上げたくなくなるのは人情ってもんですから)

ドライバーがX、FWがS、アイアンがR+と少しづつ柔らかくなってきて、ウェッジでSとまた硬くなっています。

こう見ると振動数がバラバラでちゃんとフローしているのか心配になると思うんですが、ご心配は無用。

振動数
sinndousuu



長い番手から短い番手にかけて、綺麗にフローしています(^^

プロの振動数フローって、一般的なアマチュアの振動数フローからすると数値上の差が大きくはありません。

この部分は一般的なアマチュアにはあまり見られないことですが、若いトーナメントプロの間では最近良く見られる傾向です。

対してベテランのプロに関してはもう少し差が開いている傾向がありますが、平均的なアマチュアだともっと差が開いています。



この振動数フローがあまりないという傾向ですが、アイアンもドライバーも出来る限り同じ感覚で振りたいという部分があるんですね。
振動数が低くなると同じクラブMOIだった場合重く感じる事が多いのですが、こうしたプロはもともとクラブMOIが高いドライバーやFWを通常のフレックスの同一設定よりも硬くフローさせていくことで硬さを含む振り心地に統一感を求めているというのがファルコンなりの分析です。


三木プロの場合はぜ~んぶMOIマッチングしていますので、振動数の差もより少ないほうがより振り心地の統一感も出てきます。

最近大きなミスも少なく、良い形でスコアも安定して、成績も残せてきているのはこうしたことが寄与しているのかもしれませんね(^^


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三木プロ用のNewHAYABUSAウェッジ54度が到着。

先日のabemaTVツアー大山どりカップではトップに肉薄しつつ惜しくも3位となった三木プロですが、次のabemaTVツアーでは50度、54度、58度のNewHAYABUSAウェッジの3本体制で望むこととなります。

プロの組み上げだからと言ってファルコンとしては別に特別なことはしません。
普通にMOIマッチングで組み上げるだけですし、実際に組み上げる時間も普通にかかる時間だけです(^^

ヘッドもhttps://longiron.net/で販売しているNewHAYABUSAウェッジと全く一緒です。
と言うか、単に今日54度が届いたと言うだけです。
ネットショップでは三木プロの組み上げより先に載せてますので(^^

(ということで、三木プロと全く同じウェッジが欲しいというご要望にも対応できます。シャフト差額とMOIマッチング組み上げ工賃が発生しますが。)

ただ、今回は用意されたシャフトが0.5フレックス程柔らかかったので、現在支給しているHAYABUSAウェッジやAKIRAのアイアンとの繋がりを考えて、ひと手間かけます。


IMG_3879

三木プロのシャフトはKBSのC-Taperなのですが、アイアンがR+シャフトで、ウェッジはSシャフト。
アイアンよりは少し硬いほうがコントロール性も高くなるので良いのですが、今回送られてきたのがR+とアイアンと同じフレックスでした。
素管の段階でダミーヘッドを付けて振動数を計測してみるとやはり少し柔らかかったので上記の写真のように、振動数に応じて微妙にカット長を変えてのチップカットです。


IMG_3883
1本目

IMG_3885
2本目

IMG_3884
3本目


まぁ、こんなもんで勘弁したるわ!!(笑)

実際のヘッドを付けるともう少し差は出てきますが、KBSシャフトはよく出来ていますのでプラマイで1.5位には収められるかと。

今回はひと手間かけましたけれども、普通にご依頼頂くアマチュアのクラブでも、必要であればこのくらいのことしていますので、ご安心くださいね(^^


特別扱いはしないのです!!

と言うか、普通の仕事がいつも特別なんですけどね(^^

「アイアンは良いのにドライバーはスライスします。 」

「ドライバーやウッドは良いのにアイアンが散らばります。」

これらは良く聞くお話ですが、スイングのせいだったらアイアンも悪いはずなのになぜドライバーだけ悪かったり、ウッド類は良いのにアイアンが悪いということが起こるのでしょうか?



岩崎くんMOI

こちらは東南アジアツアー等で戦っているプロのクラブMOIです。
56度だけ鉛ベタベタ貼ってあったのでクラブMOIが高いですが、基本的に長くなるに連れてクラブMOIが高くなっている=振りにくくなっていることが分かります。
ちなみに一般アマチュアでもスイングバランスで作られたクラブはこれと同じ傾向となります。
プロのクラブだから特別、ということはありませんので。


クラブMOIが高い=振るのにより一層のチカラが必要。
クラブMOIが低い=振るのにチカラはさほど必要でない。


ということですから、ドライバー(2829)よりも9番アイアン(2622)のほうがより少ないチカラで振ることが出来るということになります。


人間の出せるチカラには限度があり、軽すぎても重すぎてもいけません。
リシャフトしてヘッドが付いていないシャフトやカチャカチャでヘッドを抜いた状態のシャフトを振ってみるとものすごいヘッドスピードで振ることが出来ますが、気持ちよく振り切るというのには遠く及びませんし、下手したら身体を壊します。
逆にドライバーのカチャカチャのシャフトに5wのヘッドを付けてスイングしても気持ちよく振り切るには遠く及びませんし、思いっきり振ったら重すぎて身体を壊すでしょう。

そこまで極端でなくても、実際に適度なクラブMOIで無かった場合にどうなるのか、図でご説明していきます。
図では分かりやすいように少し誇張して角度を付けていますが、実際にはもっと微妙なものになりますので、ご注意ください。



イラストB
イラストA


クラブMOIが高すぎる場合、振るのに必要なチカラが出せないとうことになります。
結果として振り遅れることになりますから、フェースは開いたCの位置、ロフトは立った1の位置で当たることとなります。

フェースが開いてロフトは立って入りますから、ボールが上がらずスライスするということになりますね。

クラブMOIが高いドライバーやロングアイアンで球が上がらずスライスするのはこれが原因となります。


対して、クラブMOIが低い場合は、振るのに必要なチカラを出しすぎてしまうことになります。
結果として振りすぎてしまうこととなり、ロフトは寝て入り、フェースは閉じて入ることになります。

ショートアイアンやウェッジ等で引っ掛ける原因はここにあります。


良く「ライ角が方向性を決める」と言ったことを聞きます。
確かにライ角も重要な要素を言えますが、ライ角を正確に合わせてあってもショートアイアンで引っ掛け、ロングアイアンやドライバー等で右に行く事は説明出来ません。

クラブMOIの視点もきっちりと取り入れた上で、総合的なクラブチューニングをお勧めします(^^




BoseIronFactoryでの現在のクラブMOIマッチングの状況ですが、7月中旬お預かりで7月下旬お戻しとなります。
クラブMOIマッチングの料金は1本6,800円にグリップ代、そして送料(全て税別)となります。

お問い合わせ・お申込みは、seabose@me.comまでお願いいたします。




 

三木プロがHAYABUSAウェッジの紹介をしてくれております(^^




全幅の信頼をよせてくれるって、本当に有り難く嬉しいことですが、なんか少し歯がゆいというか照れちゃうというか・・・(^^;;

今後も三木プロのことは全力でサポートしていくつもりですので、三木プロもガッツリといい成績を残してくれると嬉しいです(^^
そうなった時には「ファルコンのおかげです」では無くて「MOIマッチングのおかげです」って言ってもらえると最高です。

ちなみに三木プロとお会いしたのは今年3月のゴルフフェアの後にお会いしたのが最初なんです。

つい先月初めてお会いしたのに、三木プロのクラブのMOIマッチングやHAYABUSAを通じて、もうかなり長い付き合いみたいに感じています。

会ったこともなく、もちろんスイングも見たこと無い(動画でも見たこと無いんです)のに、プロがここまで褒めてくれるクラブを作ってしまう(自慢!!)、クラブMOIマッチングって本当に凄いです(^^


あと、この動画の凄い所。

3分くらいの所で、三木プロのキャメロンパターが出てきます。
そのパターの打痕に注目です!!

さすがはプロ、パッティングでは毎回同じ所(芯)に当てているので、芯の部分に打痕が付いているのが分かるんです。
これ見たら、「やっぱりプロってスゲェ!!」って思いますね(^^

私自身、どんな仕事であってもプロである以上は素人がどうあがいても追いつけない実力の差が無ければ行けないと考えていますが、三木プロはあのパターの打痕を見ただけで「本物のプロゴルファー」だと感じます。




ちなみに誰とは言いませんが、あるプロとこんな会話をしたことがあります。


ファルコン:「もし、用具の関係で使いにくかったら使わなくてもいいよ。」

某プロ:「いえ、プロとして(HAYABUSAを)使わざるを得ませんから。」



そのプロはその時からずっとHAYABUSAを使ってくれていますが、その言葉を聞いた時、すっごく嬉しくて涙が出そうでした(^^;;

私もゴルフクラブに関してはプロだと思っていますので、HAYABUSAウェッジの開発にあたってはホント、死に物狂いでやってきました。
コンセプトから今までに無いウェッジというコンセプトですし、実際の開発にあたっては日本で一番厳しい環境(寒さだけでなく、芝の質や様々なライであったり天候であったり)の中でテストを行い、時にはクラブクラフトが出来なくなる位に手首を痛めたり・・・。

そうした環境に自ら身を置くために、会社も辞めて、家族を横須賀に残しての単身移住です。

人生を賭けて命がけでやってきてようやく納得できるウェッジとなったのがHAYABUSAなんです。

そのウェッジを「プロとして使わざるを得ない」ということは、「用具の供給関係を差し置いてでも使いたい」と言うことです。

本物のプロゴルファーが本気で気に入ってくれたウェッジがHAYABUSAなんです。
これ以上の褒め言葉はありませんよね(^^


3Dプリンタの導入で、かなり作れるものが増えてきたので、今までよりも精度の高いクラブチューニングが可能になってきています(^^

例えば、一次MOI調整用のカウンターバランス作成やシャフト延長などはつい先日まで市販のシャフト延長部品などを使っていましたが、3Dプリンタを購入してからはひとつひとつ3D-CADで設計し、3Dプリントするようになりました。

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バリ等はキチンと取ってから使っています(^^

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今まで使っていたシャフト延長棒(下)とカウンターバランス作成用チップ(上)





3DCAD
カウンターバランス作成用チップの3D-CAD画像。

3DCAD-2
3D-CADで設計したシャフト延長棒


多くの皆さんは、「これの何が違うの?わざわざ作らなくても・・・」とお思いになるかもしれませんが、これがかなり違うんです(^^

市販の部品は汎用として作ってありますから、ワンサイズしかありません。
サイズ違いはシャフト延長棒の場合で、0.5インチか1.0インチかという点だけで、0.35インチ伸ばしたいと言った場合は0.5インチを削っていくしかありませんでしたし、汎用ですからシャフトに刺す部分がシャフト内径に対して太かったり細かったりして、そのままでは使えないものでした。

そのため長さだけではなく、シャフト内径にピッタリ収まるように削ったりカーボンシート等で太くする必要がありました。

カーボンシャフトの場合は同じブランドの同じシャフトでも、重量帯やフレックスなどで内径が違うものがほとんどですし、スチールシャフトでもNS-950GHは太くて大変だけど、1050GHは950より細いとか、かなり違うんです(^^;;


3D-CADでの設計なら0.01ミリまで設計出来ますが、実際に3Dプリンタで出力すると流石にそこまでの精度はありません。
でも0.1ミリまででしたら十分可能ですし、出力した時の収縮も考えて作ればピッタリとハマるモノが作れます。

強度的にも1インチ程度までならペンチで思いっきりチカラを加えてみても問題はなさそうです。
市販のモノと違って強度を保ったままでの肉抜きも出来ますし、素材自体もABSを使いますので同じ大きさでしたら40%近くも軽量化出来ます。

まさに良いことづくめのように思えますが、デメリットも。

ひとつひとつ3D-CADで設計するので、それなりに時間がかかりますし、何よりも出力するのに時間がかかります。


内野様カウンターバランス書き出しデータ
広島のU様の書き出しデータです。
各1~2個の予備も含めて作ります。

小さなモノとは言っても、17個出力するのに4時間弱・・・。
設計も含めて考えると5~6時間はかかることになります。

ちなみにこの一次MOI調整用カウンターバランス作成工賃は1つにつき1,500円(税別)を頂いています。
高いとお感じになるかもしれませんが、ひとつひとつ3D-CADでの設計から行って1,500円だったら、それほど高くないと考えています。


まぁ、それでもプリントしている時間は他の作業を行っていれば良いので、この程度の手間暇は特に問題ないかと(^^

実際プリントしている間にこうしてブログの更新をしたりも出来るわけですからね(^^




以下独り言ですが・・・(笑)

美空ひばりの唄で地の涯と言われたここ弟子屈なんですが、その弟子屈の中でも超ド田舎の、自然以外なぁ~んもないこの地で、MOIマッチングやCADでのカウンターバランス等々の最新のことをしているなんて、なんか凄いなというか感慨深いというか・・・。

まぁ、今の時代、どこにいても技術や知識やノウハウがあればどこにいても仕事は出来るのでだからどうしたという感じでもありますが、こうしてブログ等で書かなければ、誰一人としてそんな事は思わないでしょうねぇ(^^;;

フェイスブックやツイッターで話題になっているウェイト外しで飛ぶ?ということに関してフェイスブックで考える所を書いたので、フェイスブックをご覧になれない人のためにこちらにも書いていきましょう(^^



「ドライバーのウェイト外すと飛距離が伸びる?」

ドライバーのウェイトが仮に6gとして45インチのドライバーだとした場合のウェイトありと無しのクラブMOIの差は80kg-cm2くらいになります。
2016年の市販ドライバーの平均的なクラブMOIが2830kg-cm2程度でイマのドライバーも同じくらい。
平均的な男子のアイアンのクラブMOIは2620~2640kg-cm2程度ですので、ドライバーの適正MOI値は2720~2790kg-cm2程度。
男子でもドライバーのクラブMOI値は高すぎる傾向にあります。

そのことから女子の場合、ドライバーの平均MOI値である2830kg-㎝2は高すぎて振りにくいのでウェイトを外した状態の2750kg-cm2程度なら振りやすく、飛距離も伸びることが考えられます。

話題になっている女子プロの正確なクラブMOIを測っていませんのでなんとも言えませんが、仮に44.5インチ程度でシャフトも50g台だった場合、クラブMOIは2700台前半の事も考えられます。

話題になっているからといって単に外すだけではクラブMOIが低くなりすぎてかえって飛距離も方向性も悪くなる可能性が高いので、キチンとMOIマッチングが出来る工房にお願いしたほうが良いでしょうね(^^


では早速、話題のエピックフラッシュ(限定モデル)でクラブMOI的に検証していきましょう。

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これからクラブMOIマッチングするドライバーの中にありました。
オーナー様、頑張ってMOIマッチングしますので、MOIマッチングの普及啓蒙のために写真と検証で使わせてくださいね!!


まず、ウェイトの重量は15.8gありました。
ウェイトは仕様によって異なると思いますが、入庫してきたのは割とハードヒッターである男性用のクラブです。
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ウェイトを標準のストレートな球筋となるはずの位置に固定した時のクラブMOIは2855.5です。

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ウェイトを外した場合のクラブMOIは2640.6と214.9kg-cm2も下がりました。

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このMOI値はDGのアイアンでは7~8番くらいにあたります。
「7~8番アイアンが良いからちょうどいいや!外して試してみよう!!」というのは違いますので注意が必要です。

ドライバーの場合ティアップして打ちますし、ヘッドの構造・シャフトもカーボンと、アイアンとは違うMOI値にする必要がありますので、これでは成人男性にはクラブMOIが低すぎて引っ掛け球しか出ないと考えられます。

次にウェイトをドロー側にすると、2850.7、フェード側にすると2869.8となります。

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ドロー側はそれほど変わりませんが、フェード側は標準のストレートポジションよりも15kg-cm2弱MOIが上がっています。
これはドロー側フォード側ともクラブMOIマッチングの理論通りで、クラブMOIの増減によって球筋が変わっていくことを示しています。
具体的にはクラブMOIを低くするとドローやフック系の左方向へ、クラブMOIを高くするとフォードやスライス系の右方向に行くこととなります。

MOI説明
スライダーがドロー側にある場合はクラブMOIが低くなり、結果振りやすくなって振りすぎてしまう事になります。
そのためBの位置でストレートだとすると、ドロー側にスライドした場合、Aの位置で当たることになり、ドローの球筋になります。

逆にフェード側にスライドした場合、クラブMOIが増大しますので振りにくくなります。
振りにくくなった結果、振り遅れてCの位置で当たり、そのためにスライス回転がかかりフェードやスライスの球筋になります。

この球筋のコントロールをひとりひとりのお客様に合わせるため、クラブMOIを通じて最適な形にチューニングしていくのがクラブMOIマッチングです。



次にウェイトを外すべきか外さないべきか。という点です。

検証に使わせていただいたEPICフラッシュ(限定モデル)に関してはウェイト重量が15.8gもあるため、外すだけではクラブMOIが低くなりすぎる傾向があります。
成人男性の場合ではこれだけ低くなると引っ掛けやチーピンしか出ないでしょう。

女子プロが外して使っていますが、おそらくもともとの重量が15.8gあったとは考えにくいですし、成人男性とは体力も違います。

また、外している女子プロが全てEPICフラッシュの限定モデルというわけでもありません。
同じEPICフラッシュでもサブゼロを使っていてサブゼロのもう一つのウェイト(スライドしない方)を外している女子プロもいます
スライドしないウェイトの実測をしていませんから正確な所は分かりませんが、おそらく6~8g程度だと思われます。
上の記述で6gと仮定しているのはそのためです。

6g程度だとすると、上に書いている通り、外すことで2750程度になりますのでそのくらいでちょうどいい位置(Bの位置)で当たるようになるのだと思われます(^^



ここを読んだ皆さん、ここを読んでいないけれどウェイト外しの記事を読んだ皆さんが、ドライバーのウェイト外して調子がいいいからと外すのは良いと思います。

しかしながら、なぜ調子が良くなったのかの理由が分からないとヘッド(同じ型のヘッドでも)やシャフトを変えた時に調子を落とすことになりかねません。

そうした部分をクラブMOIで管理していけば、より精度も高くなりますし、シャフトやヘッドそのものの違いも分かるようになり、結果効率もいいですし、いい調子を継続していけると考えています。

同じヘッド、同じシャフト、同じグリップで同じ重量や長さ、同じスイングバランスで組み上げたとしても、実際のクラブMOIはかなり変わってきます。その事が分からないと全く同じに組んだのに何で違うんだろう?ということが分からないので、迷宮に入ったまま出てこれないゴルファーが多いと感じています。

プロゴルファーでよく聞きますよね?
ツアーレップが全く同じに組み上げたのに、「なんか違うんだよね~(^^;;」と言って使ってもらえないとか。

実はこれ、プロだけでなく一般ゴルファーでも当てはまることなんですね。
そのためBoseIronFactoryをはじめとするJCMO認定店ではクラブMOIをプラマイ3kg-cm2の範囲に収めないと認定しないし、お客様にお渡ししてはいけないというルールを作っています。
プラマイ3kg-cm2というのは、45インチのドライバーで言えば、0.23gの違いになります。
全盛期のNプロがドライバーに1gのおもりを付けたら違うと感じたということが言われていますが、その4倍くらいの精度でMOIマッチングしています。

なお、BoseIronFactoryの場合は標準でおおよそプラマイ1kg-cm2に、プレミアムプランですと0.4kg-cm2の精度で行います。0.4というと測定器の計測限度に当たり、45インチのドライバーで言うと0.03gの精度ということになります。
もちろんこのくらいになると測る計測器によって変わってきますから、どちらかと言うと私個人のコダワリという面が強いんですけどね(^^;;





クラブMOIが同じなら長くなるに比例してヘッドスピードも速くなります。
対して、今のスイングバランスでは長くなるに連れてクラブMOIは高くなる傾向になりますから、スイングバランスで合わせたクラブでは振るための抵抗がより大きくなり、その抵抗によってヘッドスピードは相殺され、長くなった分に比例したヘッドスピードアップは期待できないということになります。
よく1インチ長くするとヘッドスピードは1m/s上がるということが言われていますが、単に1インチ長くするだけではクラブMOIが増大するため、ヘッドを軽量化する等のチューニングも併せて行うことが必要です。

BoseIronFactoryの超ロングアイアンはそうした部分を踏まえ、ボールに当たり負けしない範囲でヘッドは軽量に作ってあります。
更に0番アイアンは基本カーボンシャフトですから、スチールシャフトより圧倒的に軽くなっています。
そのため0番アイアンでもクラブMOIはスチールシャフトのアイアンの3~5番アイアンよりも低い事も。(←スチールシャフトもヘッド重量も様々な重量帯がありますから)
つまり、3~5番アイアンが打てれば0番アイアンであっても打てるように設計しているんです。
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Ver.2015-3WebShop
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Ver.2015-1WebShop

試打用の0番もありますので、嘘だと思われる方はどうか試してみてください。


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また、12度とか14度とかだったらアイアンでは無くウッドを使うというのが一般的ですが、アイアンにはウッドと違ってバルジもロールもありません。
ウッドのバルジ・ロールはギア効果によって球が戻ってくるために設定されていますが、パーシモン時代のクラブと違って、低スピン化の傾向がある今のウッドのギア効果はそれほど高くはありません。
バルジ・ロールが無い分、アイアンの方向性・直進性はウッドよりも高いと言えますから、狭いコース、風の強いコースなどではBoseIronFactoryの超ロングアイアンは非常に強い武器となると思っています。

昨日入庫して、今日MOIマッチングを開始したアイアン型UTのお話です。

DG-AMT BLACKの4番用を挿してあるUTでそれほど長く作っていないのにバランスはD3.1という状態だったので予想はしていましたが、ヘッドを抜いてみて「あらやっぱり・・・」という状況。

シャフトからリードパウダー(鉛粉)が出るわ出るわで、リードパウダーが13g弱も入っていました。


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このクラブは友人からの戴き物だということですが、高いお金出して手放すしかなかった前のオーナーさんが可哀想に思えてしかたがありません。

せっかく良いクラブなのに、このように13g弱ものリードパウダーを入れるということは、DG-AMTというウエイトフローして長くなるに連れて軽くなるシャフト、A-GRAINDという良いヘッドの性能をスポイルする方向で組上げているんですから・・・。

特に重量帯別になっているDG-AMTの場合、13g者リードパウダーを入れるのであれば、通常のDG-AMTでもDG-AMT TOUR WHITEでも全く問題なく、むしろ軽いくらいですから、わざわざAMT BLACKにする意味なんて全く無いんですから。

そう考えるとバランスを出すためだけにリードパウダーを入れていると言うことは明白であって、スイングバランス有りきということになります。
せっかく選んだAMT BLACKというシャフトも全く意味は無く、単に降りにくくなるだけです。


他の工房さんを否定するようなこと、他の工房さんの考え方を否定するようなことは書かないようにしようと思っていましたが、この13gというのを見るとあまりのレベルの低さに怒りを通り越して、悲しさがこみ上げて来ます。



皆さんにはそうした無駄なお金を使って欲しく無いので、禁を破って敢えて書かせていただきました。

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写真だと大した量には見えませんが、実際にシャフトの中に入ると雪崩のように出てきます。

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