まず、自分で言いますがHAYABUSA Ironってマジに凄いんです。
難しい見た目にも関わらずとても優しいし、優しいのにコントロール性も十分にある。
これって高い次元で両立させるにはとても難しい事なんです。
まず、HAYABUSA Ironの特徴の一番目立つ部分のスプリットバックフェース構造に関して。
7番アイアン(34度相当)のスプリットバックフェースを例にとると、一番薄くなっている部分の厚さが、9.6mm
トゥ側の一番厚い部分の厚さが19.3mmです。
厚い部分と薄い部分の差が2倍あるのですが、鉄の比重が7.86倍(水1cc当たり1gの7.86倍)ありますのでこれだけでも相当フェース左右への重量配分がされている事になります。
フェース上下の重量配分に関しては上側はあまり考えていませんが、その分下側への重量配分には気を使っています。

フェース下部への重量配分ですが、具体的には以下の形で重量を低重心の構造にしています。
1.ブレードアイアンにしては非常に短いネック長で重心を低く設計。
2.フェース中央部以下に厚さを持たせることによって重心を低く設計。
3.トップブレード(トップライン)部分を薄くシャープに削る事で、見た目の精悍さを出すと同時に重心を低く設計。
1.のネック長に関してですが、ポケキャビアイアンなどはとてもネック長が短く設計されていますが、HAYABUSA Ironはブレードアイアンの中でもおそらく一番短い部類に入るのでは無いかと。
2.のブレード中央部より下に厚みを持たせることですが、多くのブレードアイアンがそうした形での設計となっていますが、HAYABUSA Ironの場合はスプリットバックフェース構造で左右に重量配分を行っているため、左右下部の厚さが他のブレードアイアンと比べても厚くなっています。
そのため他のブレードアイアンよりも重心が低く出来るのです。
3.のトップブレードの薄さによる低重心化は正直他の部分からするとたいした重量は取れないのですが、単にフェース下部の重量増以上にクラブMOI的には効いてくるんです。
慣性モーメントは円の外周に近い部分ほど効いてきます(cm²と言うように二乗に比例して効いてくる)。
つまり物理的にトップブレードというフェースの一番上の重量は二乗で効果あると言うこと。
重量的にはそれほど多くは無いのですが、二乗で効いてくる分、設計として非常に有用であると言うことになります。

次にHAYABUSA Ironの優しさのベースとなっているのが、独自のソール形状です。
HAYABUSAウェッジのファルコンソールは写真のように玉子を縦半分に切った形をしています。
HAYABUSA Ironではウェッジのように玉子型のソール形状そのままとはいかないのですが、HAYABUSAウェッジで培ったノウハウを元にした、丸いソールとなっています。
そのため、リーディングエッジで芝を切って進むと言うよりは芝をいなしてかき分けながらヘッドが進んでいきます。
そうなると芝をボールとの間に噛む事がほぼ無くなるので、フライヤーが起きにくくなります。
当然アイアンとしては非常に抜けが良くてヘッドスピードも落ちないと言うことプラス飛ぶフライヤーも飛ばないフライヤーも起きにくい。
ヘッドスピードが落ちにくく、フライヤーも起きにくいと言うことは縦の飛距離が安定します。
横の飛距離はスプリットバックフェース構造で安定していて、縦の飛距離はソール形状によって安定する。
つまり様々な設計思想をバランス良く取り入れることで、縦の飛距離(の階段)も、よこの方向性も非常にまとまってくるのがHAYABUSA Ironと言うことになります。
もちろんクラブMOIマッチング専用設計という事で、長い番手でもヘッドスピードが増大する事からキチンと飛距離が出ます。
クラブMOIマッチングと物理的に考え抜いた設計となっていますから、どのような方でも安定したアイアンショットが可能となるわけです。
一方で操作性ですが、操作性を左右するのはフェースの開きや閉じだけで無くフェースのどの位置に当てるか、それとどの軌道で当てていくかによります。
HAYABUSA Ironの場合、フェースのどの位置に当てるかはスプリットバックフェース構造により若干操作性へ与える影響は少なくなります(純然たるマッスルバック対比)が、それ以外の優しさの部分は操作性に影響があるどころかむしろ操作性にプラスになります。
つまり意図して操作するショット(インテンショナルショット)には十分以上の操作性を有するのに、寛容性・優しさは最大限の設計となっているんです。
そんなHAYABUSA Ironはバリエーションも豊富で、
1.ノーマルバージョンのロフト表示モデル。

