ゴルフ「北の国から」

ゴルフトゥデイでの連載「ゴルフ〜北の国から〜」をしていたファルコンまつばらです。 クラブMOIマッチングを中心とした理想の工房を北海道に作るまでの模様、そしてクラブMOIマッチングの今とこれからを中心に様々なことに顔を突っ込んでいきます(^^;; なお、純はもしかしたら出てくるかもしれませんが、蛍や五郎さんは出てきませんので、念のため・・・。

HAYABUSA Ironついに発売!!
マッスルバックアイアンの常識を覆す優しさと美しさで大好評を頂いております。

MOIマッチングを伴わない作業はどんなにお金を積まれたらやりますが、あまり積まれなければ(縦に立たない限り)やりませんのでご了承ください。
MOIマッチングのご依頼・お問い合わせはseabose@me.com
までお願い致します。

HAYABUSA PC IRONのテストをしていて、身にしみて分かった事を・・・。

それは、HAYABUSA PC IRONが無印のHAYABUSA Ironに比べてインテンショナルショットに向かないと言うことです。

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優しいアイアン=多少のミスがあっても真っ直ぐに飛んで行くアイアンなんですね。
オートマチックなアイアンというのもほぼほぼ同じ意味です。

優しいアイアンはミスに強いアイアンですから、インテンショナルショットを打つにはあまり向いていません。

インテンショナルショット=わざとミスしてボールを曲げていくと言うことなので、優しいアイアンでインテンショナルショットを打とうとするとマッスルバック以上に曲げてやる必要が出て来るんですね。

そしてHAYABUSA PC IRONはめっちゃ優しくオートマチックに打てるアイアンなので、もの凄く曲げるショットをして始めてインテンショナルに曲がるんです。

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インテンショナルショットは何もフックとかスライスに限りません。
ボールコントロールしている人は多少なりともインテンショナルにショットをしているんです。

コースが曲がっているから多少ドロー気味に打ちたいとか、右から風が吹いているからフェード気味に打って距離を調整したいと言った事も含まれます。

100叩く人であっても、そうしたボールコントロールをしたい人はマッスルバックやポケットでは無いキャビティアイアンを使って構わないんです。


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このトレードオフになる関係があるから、ターゲットユーザーの住み分けがある訳でして、正直HAYABUSA PC IRONはプロや上級者には勧められません。

要は自分のゴルフをある程度分かること、そしてその上で自分の好きなクラブを使う。
それで良いのでは無いかと思うファルコンなのでした。

突然ですが、皆さんに質問です。

皆さんが考えるナイスショットってどのような事を指すのでしょうか?

クラブの真芯で当たり、フェースもスクエアな状態で当たる事がナイスショットなのでしょうか?


先に答えを言いますと、それで正解でもあり、不正解でもあります(^^;;


何故そんなことを聞いたかと言うと、ボールをコントロールする上で、必ずしも真芯で当てる必要性は無いですし、スクエアな状態で当てる必要も無いんです。
どういうことかと言いますと、ボールコントロール(インテンショナルショット)をする場合は、わざと芯を外したり、スクエアでは無い状態でボールヒットしなければ、ボールコントロールは難しいからです。

このボールコントロールというのは、別にインテンショナルフックやインテンショナルスライス、スティンガーショットと言った上級者やプロゴルファーがボールコントロールする場合に限りません。

分かりやすく言うと、バンカーショットでフェースを開いてエクスプロージョンショットをすると言うのも立派なボールコントロールです。


多くの人が勘違いをしているのですが、ゴルフクラブでボールコントロールすると言う事は大なり小なりのミスヒットをする事でコントロールしています。


クラブの真芯でボールに対して完全にスクエアに当たったらスピン軸も方向も真っ直ぐになるので、球は曲がらないのに対して、芯を外したりスクエアに当てない事によって、方向も変わりボールも曲がるのです。

特にウェッジではこうしたボールコントロールを様々な形で用いる事で開いても閉じても思った通りの方向に打ち出せるし、スピン量の大小やボールの高い低いなどをコントロールする訳です。


この部分がウェッジ作りの上で問題になるというか、落としどころを探すのが凄く難しい部分となります。
ミスショットに寛容(優しさ)ウェッジであればコントロール性がある程度犠牲になりますし、コントロール性を重視するとミスヒットに対する寛容性(優しさ)が犠牲になる訳です。


ただ、ウェッジの場合短くてフェースも広く、重量的にも重いためあまりミスヒットに対しての寛容性(優しさ)は必要無いとも言えます。

重さが寛容性に影響すると言うのはあまり聞き慣れないかもしれませんが、ウェッジの場合のヘッド重量は標準的なウェッジで300g程度あるのに対して、標準的な5番アイアンでは257g前後です。
40g以上違いますし、ヘッド自体の大きさもかなり違います。
その分真芯で当たらなくともボールは当たり負けしにくくなります。
(この当たり負けのしにくさというのはハンマー効果では無いんですが、そのことはまた勘違いされている一因になっているでしょう。この件はまた改めて書く事があるかもしれません)

そうした意味ではロングアイアンよりショートアイアンやウェッジは優しいと言うことになりますね。

ここで勘違いしてはいけないのが、単にロングアイアンは長いから難しいとか、ロフトが立っているから難しいと言う訳では無いということ。
ぶっちゃけ上記の理由でロングアイアンは難しいと言う人はクラブの構造を理解していない人だと言っても良いでしょう。

ウェッジにマッスルバックが多く、ポケットキャビティなどの寛容性(優しさ)を追求したものが少ないのはこうした理由があります。
「いやいや、TaylorMadeのHI-TOEウェッジなんかはキャビティになってるし、それはやっぱり優しくするためでしょ?」と思われる方もいらっしゃると思いますが、あのキャビティは優しさではなく、キャビティ部分の重量をフェース上部に厚みを持たせて上部に持っていくため(バックスピン量が増える傾向がある)です。



では、ここで開発中のHAYABUSA PC WEDGEをご覧頂きます。


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まだまだ発売は先になりますが、HAYABUSA PC Ironのようにポケットキャビティ構造としていないのは、そうした設計意図があるんですね。


多くの皆さんから期待して頂いているHAYABUSA PC IRON

ロゴ等の位置を決めるための最終試作が完成したとの連絡を受けました。
既に性能等のテストは完了しておりますので、あとはスムーズに進むと思われますので、最新情報をお届けします。

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一体成型の鍛造ながらも深く広いポケットキャビティです。

まだ最終試作は到着していませんので、ロゴ等の入っていないものの写真となりますが、その特徴を再度お知らせします。

1.一体成型の鍛造ながら、深く広いポケット。
(溶接による2ピース構造では無いのでとても柔らかい打感で、且つミスショットにも優しい)

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2.HAYABUSA Iron譲りのバックフェースの窪み
(通常のポケットキャビティ以上に左右の打点のブレにも優しい設計)


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3.ストロングロフト設計とフェース肉厚の最適化で飛距離性能も追求
(一般男性用、シニア・レディース用、ジュニア用で3種のロフト・ライ設計)


4.HAYABUSA Ironのファルコンソールを更に進化させた新ソールにより、縦の飛距離も安定。
(芝を切りにくいリーディングエッジ、多少ダフってもスムースに抜けるソール形状)

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5.最適な重心設計による、バックスピン量の安定とサイドスピン(スピン軸)の番手毎の最適化。


6.一般男性用、シニア・レディース用、ジュニア用の3種のバリエーション。
(ロフト・ライ、重量の全てをバリエーション毎に専用設計しています)

7.ロングアイアンは飛距離が出て、ショートアイアンはより真っ直ぐ飛ぶようにヘッドだけで無くシャフト長も含め、クラブとしての総合性能を最適化。
(組上げにMOIマッチングだけで無い特殊なノウハウが必要なため、JCMO認定店以外での販売は致しません)

8.コンピュータシミュレーションによる番手毎の飛距離差の安定化。
(弾道測定器による膨大な弾道データの取り込みとそのデータベースからのシミュレーション)

9.若干FP値を持たせることで初中級者に安心感を提供。




と、ここまで書いた所で下書き保存していたのですが、先ほどロゴを入れた最終試作が到着しましたので、ご覧頂く事とします。

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近々にも発売予定時期や価格などの情報をお知らせ出来ると思いますので、ご期待ください!!

HAYABUSA PC IRONに合う新しいウェッジを試作しています。 ウェッジの場合、必ず芯に当ててナイスショットしなければいけないと言う訳ではありません。 わざと芯を外す事で様々な球筋を操るのがウェッジです。 キャビティのウェッジがそれほど多く無いのは、わざと芯を外す打ち方をしても芯で捉えたのと一緒になると球筋のコントロールが出来ません。 通常のHAYABUSAウェッジの場合はそうしたコントロールがやりやすいようにマッスルバック形状としていましたが、今回はあまり球筋のコントロールをしない代わりに優しさを前面に出す形で試作しています。
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HAYABUSA PC IRONはジュニアから、アベレージゴルファー、レディース&シニアと、アスリートゴルファーとの棲み分けされたとても優しいアイアンです。 そのアイアンと合わせるウェッジは、球筋のコントロールを第一に考えるよりも、HAYABUSA PC IRONとの繋がりの良い優しさが第一です。
既にHAYABUSA Ironでバックフェースの窪みから得られる優しさは実証済みですし、元より重量が重いウェッジですから、バックフェースの窪みも大きく取ることが出来ました。 実際の試打はこれからとなりますが、おそらくこの形でイケると感じています。

多くの方にご期待を頂いているHAYABUSA PC IRONの進捗のお知らせです。

24年12月24日現在の進捗としては、最後の試作がもう少しで上がってくると言う状態となっています。

最後の試作と言うことでHAYABUSAロゴをどの部分に入れるかと言った性能としてはほとんど関係の無い部分が残されている形になります。

性能面のテストに関しては既にほとんどの部分で完了しており、細かな部分に関しての微調整はありますが、その点に関しての目処も付いています。

浦東プロによる試打も順調に進んでおり、浦東プロモデルに関しても大きな調整は無いと思われます。


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市販品の製造に関してですが、最終試作の上がりを見てからとなりますので、もう少しお時間を頂く事となります。
また、販売価格に関しては市販品としてGOサインが出た時点で製造原価が出てきますので、価格の確定に関してももう少しお時間を頂く事となります。

ですが、どちらもおおよその見込みを先にお知らせ致します。

発売時期に関しては2025年4月下旬の見込み。
販売価格に関しては6番からPWのヘッド5個で165,000円(消費税込)の見込みです。
もちろん弊社でも取り扱うJCMO認定店でもヘッド単体での販売は致しませんので、これにシャフト・グリップ代金が別途かかります。

ラインアップとしては、上記の5本セットのオプションとして5番アイアン及びGWとAWがあります。

5番アイアンもGW・AWもヘッド単体で1個あたり33,000円を見込んでいます。

なお、当初の計画ではSWも同型状で製作予定でしたが、SWの製作は中止致しました。
そのかわり現状のHAYABUSAウェッジをより優しくしたモデルを新たに開発する事と致しました。

但し、HAYABUSAウェッジを優しくしたモデルはまだ開発が始まったばかりですので、発売時期・販売価格共に未定です。


また、以前にもお話した通り、HAYABUSA PC IRONでは一般男性向けモデル及びシニア・レディースモデル、そしてジュニア専用モデルも発売致します。
一般男性向けモデル及びシニア・レディースモデルに関してはヘッド重量以外は基本的に変わりませんし、価格も発売時期も上記の通りを予定しています。

ジュニア専用モデルに関しては、ロフト・ライ、番手構成や価格に関しても一般男性向けやシニア・レディース向けモデルとは異なります。
販路に関しましても、BoseIronFactory及び愛知県刈谷市のゴルフクラフトスティンガーの2店のみとさせて頂く予定ですので、ジュニア向けモデルをご希望の方は別途ご相談ください。


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HAYABUSA PC IRONのバックフェースの窪みのアイデア自体は通常のHAYABUSA Ironと変わらないのですが、HAYABUSA PC IRONの窪みはHAYABUSA Ironの窪みよりも深く大きくなっています。

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ポケットキャビティにする事で、余剰重量がマッスルバック形状を元とするHAYABUSA Ironよりはるかに多くなっていますし、打点(フェース面)と窪みの間にポケットがあるので、ポケットが壊れないギリギリのところまで窪みを深く取れると言う利点がHAYABUSA PC IRONにあるからです。

このことによりHAYABUSA PC IRONのフェース左右のMOIは非常に大きくなり、左右への打点のブレによる寛容性の高さはHAYABUSA Ironの倍以上の数値(理論値)を達成しています。

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HAYABUSA Ironのスイートスポットのイメージ

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HAYABUSA PC IRONのスイートスポットのイメージ

実際には同じフェース面の写真では無いので比較しにくいのですが、HAYABUSA Ironでも通常のキャビティ並みのスイートスポットの広さがあったのに対して、HAYABUSA PC IRONではほぼフェース全面がスイートスポット(※1)となっています。

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通常のキャビティアイアンのスイートスポットのイメージ

HAYABUSA Ironと3枚目の通常キャビティのスイートスポットがネック側に偏っているのはネックにシャフトが付いているからです。
以前にも書いた通り、ゴルフの難しさはシャフト軸線上でボールを打たないからなのですが、シャフトがあり重心がネック寄りになるため、スイートスポットの中心がネック寄りになります。

対してHAYABUSA PC IRONのスイートスポットが他の2つと比べてヘッド中心(トゥ寄り)になっているのは、元々のポケットキャビティ部分の重量配分がトゥ寄りになっているからです。
重量配分の妙
元々が赤丸のようにトゥ側に重量を寄せているのにもかかわらず、窪みを作る事で更に白丸部分の厚さが厚くなる事でネック(シャフト)側の重量に対して均衡を取れるだけのトゥ側の重さを確保しています。

そのため、窪みの位置もHAYABUSA Iron寄りもトゥ寄りにする事が可能となり、スイートスポットをフェースのほぼ全面にまで拡大する事が出来ました。

HAYABUSA Ironの発売から5年、その間ずっと暖めていたアイデアがようやく具現化出来る所まで来ていますので、大きな期待を持って発売をお待ちください!!




※1:スイートスポットはその部分にボールがヒットした場合に中心部の90%以上の飛距離(ボール初速)が確保出来る部分としています。

前回はHAYABUSA PC IRONを何故1ピース構造のポケットキャビティにしたのかをお話しました。

今回は1ピースのポケット構造を採用した事で得られる恩恵に関してお話していきます。

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ポケット構造にする事で得られるメリットは幾つもありますが、まずはキャビティにすることで得られるメリットを見ていきたいと思います。

キャビティにする事で得られるメリットは、まとめて言ってしまえば優しいと言う一言ですんでしまうのですが、なぜキャビティにする事で優しさというメリットが発生するのかもお話しましょう。

キャビティとは「何かに囲まれた空間、穴、へこみ」の意味で、バックフェースにへこみを作る事でその分の余剰重量をフェースの周囲に配置する事が主な目的です。
余剰重量をフェースの周囲に配置出来ると、真芯で当たらなくとも当たり負けする事が減りますので、スイートスポットが大きくなります。
キャビティがミスヒットに強いというのは多少ミスヒットしてスイートスポットの中心を外してもちゃんとボールが飛んでくれるし、芯を外してもそれほど飛距離も方向性も狂う事が無いと言うことです。

キャビティが優しいと言われるのはミスヒットしてもある程度はクラブがなんとかしてくれるということです。


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ポケットキャビティの場合ですが、通常のキャビティの優しさをより際立たせた形状となります。
通常のキャビティの周囲に重量配分してミスヒットに対して優しくすると言う点にプラスして、

1.ポケット構造にする事でより低重心化する事が出来る
2.ポケット構造にする事でより重心を深くする事が出来る
3.ポケット構造にする事で、通常キャビティよりフェースを大きくする事が出来る
4.ポケット構造にする事で、ソールを広くする事が出来る

と言ったメリットが付加されます。


1.の低重心化はある程度ロフトが立っていてもボールが上がりやすいと言うメリットに繋がりますし、2.の深重心もボールが上がりやすいと言うメリットがあります。また、低重心・深重心になるとスピン量が減る傾向がありますので、飛距離的にも球の曲がりにも低スピンは有利です。
また、この2点によりボールが上がりやすくなるため、ロフトをストロングロフト化して、低めのヘッドスピードの方にも飛距離の階段が出来やすくすると言うメリットも。
3.のフェースを大きくするのは大きくするだけでしたら見た目の安心感しかメリットは無いのですが、キャビティ構造によりスイートスポットが広く大きくなっているので、フェースを大きくしても問題はありません。

4.に関しては「広くする事が出来る」と言うより「広くなる」と言う結果論になるのですが、ぶっちゃけある程度以上のソール幅があれば広くなる事で性能面では特にメリットはありません。
もちろん見た目の安心感はありますので、それがメリットと言えばメリットなのでしょうが、逆にソールが広いとそれだけ芝や地面との摩擦が増えるので、BoseIronFactory的には正直それほどのメリットは感じていません(これに関しては別の機会にその解消方法を書きます)。


1~3ともメリットがあればデメリットもあります。
低重心と深重心によってもたらされる低スピンの傾向は、サイドスピンも低スピン化しますから、インテンショナルにボールを曲げていく事は難しくなります。
3のフェースの大きさに関しても大きくなってもスイートスポットが広くなっているので、インテンショナルにボールを曲げていく事に関してはデメリットとなりますね(デメリットの程度は非常に低いですが)。
また、低スピン化すると言うことはグリーンでボールが止りにくくなる。と言うことでもあります。ボールが止りにくくなる事に関しては当然対応策を考えていますので、ご安心ください(これも別の機会にお話しします)。

では、インテンショナルボールが打てないかと言うと実はそうでも無いんです。
HAYABUSA IronやJCM-01BLADEと比べるとインテンショナルボールは打ちにくい設計ですが、きちんとスライス回転・フック回転をかけてやる打ち方が出来ればもちろんインテンショナルボールは打てます。

インテンショナルボールが打ちにくいと言ってもサイドスピンが少なくなるだけで、ゼロになる訳ではありませんから、マッスルバックと同じインテンショナルボールを打とうとしても曲がり幅が少なくなるだけで、曲がらないと言う訳ではありませんので。

ただ、きちんとサイドスピンがかかる打ち方をしないといけないですし、普通に打つとHAYABUSA PC IRONがある程度自動的に真っ直ぐに矯正してくれると言うこととなります。


次回はHAYABUSA PC IRONならではの設計意図と、その実現のための方法をお話していきます。

多くの方々からご期待頂いているHAYABUSA PC IRONですが、現在開発の終盤を迎えておりますが、発売自体は2025年になると思われます。

こちらでは開発意図、設計意図からお話して、実際にどのようにその意図をHAYABUSA PC IRONに反映させていったかをお話していこうと思います。

先ずはHAYABUSA PC IRONの要であるポケットキャビティの事からお話していきましょう。

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軟鉄鍛造アイアンで深く広いポケットを作るためには、通常ポケット部分をヘッドのボディとは別に作ります。
別に作ったキャビティ部分とボディと溶接して貼り合わせるのが通常です。

鋳造でしたら溶けた鉄を流し込んで行くため深く広いポケットを作る事が可能ですが、鍛造の場合、高温に熱した鉄を叩いて成型するため、深くて広いポケットを作るためには2ピース構造として溶接で貼り合わせることが必要でした。

溶接による貼り合わせのメリットとしては安価に深く広いポケットが出来ると言うメリットがありますが、一方でデメリットとしては溶接による加熱加工が鍛造本来の打感を損ねると言うデメリットがありました。

一般的に軟鉄鍛造のメリットとしては、
○やわらかい打感で、心地よい感触が得られる
○スピン量が増し、グリーンで止まりやすい
○ロフト角やライ角を自分のスイングに合わせて調整できる
○芯を喰ったショットでも余計な振動が発生しにくい
と言ったことが上げられますが、軟鉄鍛造で一番最初に考えが浮かぶのはやはり柔らかな打感によってもたらされる芯に当たった時の気持ちよさでしょう。

大きなメリットである打感の良さをスポイルしてしまう溶接をする位なら、鋳造で作ったほうが複雑な形状も作れますから。


逆に言えば浅く狭いポケットだったら削り出し(CNCミルド)で後から加工して作る事は可能なのですが、浅く狭いポケットでしたらポケットの効果もそれほど見込めません。

HAYABUSA PC IRONのポケットは番手別に深さも広さも設計してありますが、非常に深く広いポケットとなっています。
溶接による2ピース構造では無く、CNCミルドによる機械加工で掘っているのですが、これには非常に確かな技術とノウハウが必要となります。
また、1ピース構造となる事で深く広いポケットを彫り込んでいくには時間がかかるので、コストもかかります。

そのため、2ピース構造がほとんどを占めるのですが、BoseIronFactoryとしてはコストよりも軟鉄鍛造の打感やその他のメリットが勝ると考えているので、HAYABUSA PC IRONに関しては敢えて1ピース構造のポケットを選択しました。


現在開発中のHAYABUSA PC IRONですが、一般男性用だけで無く、シニア男性用・一般女性用、そしてジュニア用の製作も致します。
ジュニア用はロフト・ライ・重量はその他のモデルと変わりますが、形状や性能は基本的にその他のモデルと全く同一です。
ジュニア~一般(男女)用~シニア用とゴルフを始めてから一生同じ形状・性能のアイアンが使えるって、とても凄いことだと思うのですが、今のジュニアがシニアになる時まで私は生きていないでしょうから、もう暫く頑張ってから若い世代に事業を譲る事になるんでしょうね(^^;;


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発売日・価格共にまだ決定ではありませんし、Teshikaga HKDのロゴだけですが、プロトタイプ(最終試作)第一弾のHAYABUSA PC Ironをご覧ください。


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