ずっと更新せずにおりましたが、珍しく2日連続の更新です。
さて今回は皆さん気になされるヘッドスピードのことを例にとってお話ししましょう。
クラブを1インチ伸ばせば約1m/sヘッドスピードが伸びて、3~6ヤード飛距離が伸びるという神話があります。
このことは誰しも疑うことなく、まことしやかにお話されていますが、そこは百戦錬磨のゴルフ記者だったり評論家だったりしますから、「1インチ伸ばすと1m/sヘッドスピードが速くなると”言われています”から・・・」と皆さん他人のせいにしています。
これは実際にはほとんど伸びたためしがないからではないかと。
こうしたことに対して疑問を持つのがクラブMOI的思考の第一歩です。
実際に計算してみる。検証してみるというのがクラブMOI的思考の実践となります。
45インチのドライバーで1インチ伸ばした場合、その長さは45×25.4=1143mm→46×25.4=1168.4mmになります。
ヘッドスピードは周速度といって、回転運動における外周部の速度です。
同じ回転数で回転した場合、半径が大きくなれば周速度=ヘッドスピードも上がると言う事になります。
同じ回転数で回転した場合、半径が大きくなれば周速度=ヘッドスピードも上がると言う事になります。
この点においては理論的整合性は取れていることになりますが、実際のところはどうかと言うと、これまた話が違ってきます。
ヘッドスピード40m/sの場合の回転数は、回転数 = 周速度40m/s ÷(直径2286mm × π)
ヘッドスピードが40m/sで45インチの半径とした場合、回転数は5.56975回転となります。
回転数を5.56975回転で固定した場合、半径が1143mmから1168.4mm(直径2336.8mm)となった場合の計算式は、周速度 = 直径2236.8mm × π × 回転数5.56975 となりますので、40.889m/sとなります。
1m/sまではいきませんが、0.9m/sなのでほぼ正しいといえますね。
と思われるでしょうが・・・・、実際にスイングする時ってクラブだけがクルクル回る訳でありません。
腕や身体全体も動いてこそのスイングとなるわけです。
体の回転まで入れたいところですが、ここは譲って腕までとしましょう。
私の肩から手首までの腕の長さが550mm位あります。
半径1143mmに550mmを足して、半径1693mm。
半径1143mmに550mmを足して、半径1693mm。
1693mmでヘッドスピード40m/sの場合、回転数は3.7603回転。クラブだけの回転数と違って、ずいぶんとゆっくりになりましたが、実際に動画を撮って検証してみると確かにその通りになります。
そうなると45インチから46インチになると1693mmに25.4mmを足して、1718.4mm×2=3436.8mmが直径となります。
その場合の周速度の計算は、周速度 = 直径3436.8mm × π × 回転数3.7603=40.6m/s
まだ四捨五入すれば1m/sになりますけれども、1インチにつき~ということですから、2インチ伸ばして47インチにしたとすると、直径が3487.6mmですから、2インチ伸ばしても41.2m/sにしかなりません。
ここまで来ると、いくらなんでも盛り過ぎと言わざるを得ません。
ですが、確かに元々の周速度=ヘッドスピードが速ければ、1インチ伸ばして1m/s上がる人もいます。計算上は45インチでのヘッドスピードがおおよそ70m/s以上ある人です(笑)
そして、大切なのはこの計算はもちろん1インチ伸ばしても2インチ伸ばしてもクラブMOIが変わらないと言う前提となります。
おおよその計算値でありますが、平均的なドライバーもクラブMOIが2830kg-c㎡で、単純に1インチ伸ばすと、クラブMOIは2989.4kg-c㎡となり、160kg-c㎡近いクラブMOIが増大します。
アイアンの1番手で約10kg-c㎡の変化ですから16番手分のクラブMOIが増加することになります。
※アイアンの1インチが2番手分なのに対して、なぜ同じ1インチで16番手分ものクラブMOIが増大するのか?=5番アイアンでも38インチ標準で、ヘッド重量は7gピッチで軽くなっていきます。今回の場合はヘッド重量が同一で、元々45インチと5番アイアンよりも7インチ長い。クラブMOIは長さの2乗に比例して高くなりますから、2乗分高くなります。
2インチ伸ばすと3149kg-c㎡となりますから、それではよほどのゴリラでなければまともに降ることすら出来ずに右に飛んでいくしかないドライバーとなります。
おおよその計算値でありますが、平均的なドライバーもクラブMOIが2830kg-c㎡で、単純に1インチ伸ばすと、クラブMOIは2989.4kg-c㎡となり、160kg-c㎡近いクラブMOIが増大します。
アイアンの1番手で約10kg-c㎡の変化ですから16番手分のクラブMOIが増加することになります。
※アイアンの1インチが2番手分なのに対して、なぜ同じ1インチで16番手分ものクラブMOIが増大するのか?=5番アイアンでも38インチ標準で、ヘッド重量は7gピッチで軽くなっていきます。今回の場合はヘッド重量が同一で、元々45インチと5番アイアンよりも7インチ長い。クラブMOIは長さの2乗に比例して高くなりますから、2乗分高くなります。
2インチ伸ばすと3149kg-c㎡となりますから、それではよほどのゴリラでなければまともに降ることすら出来ずに右に飛んでいくしかないドライバーとなります。
クラブMOIが変われば振る事自体によりチカラが必要となりますから、2インチ長くなると相当ヘッド重量を軽く(計算上は23g程度)しないといけないでしょう。
このように単に”言われている”ということを信じて実践してしまうと、整合性が取れないばかりか、実際にもかえって振りにくくなるだけのドライバーが出来上がります。
本当に1インチで1m/s伸びるのであれば、ルール上48インチまでは許されているので、48インチのドライバばかりになっても良いはずですが、実際には48インチのドライバーはほぼ市販されていません。
このことは1インチ伸ばすと1m/sヘッドスピードが上がることの逆説的な証明とも言えます。
逆に言うと45インチのドライバーではなく、44.5インチにするだけでもクラブMOIは大幅に下がりますから、振りやすくなるので、ドライバーが右に行きがちな方は0.5インチカットするだけでもものすごく振り心地は良くなりますので、お勧め出来ますね(^^このように単に”言われている”ということを信じて実践してしまうと、整合性が取れないばかりか、実際にもかえって振りにくくなるだけのドライバーが出来上がります。
本当に1インチで1m/s伸びるのであれば、ルール上48インチまでは許されているので、48インチのドライバばかりになっても良いはずですが、実際には48インチのドライバーはほぼ市販されていません。
このことは1インチ伸ばすと1m/sヘッドスピードが上がることの逆説的な証明とも言えます。
もちろん、こうした振り心地を数値的に表し、可視化出来る、クラブMOIマッチングでしたら、もっとお薦めですが・・・(^^
ということで、今回は文字ばかりになってしまいましたが、ご容赦くださいませ。