ゴルフ「北の国から」

ゴルフトゥデイでの連載「ゴルフ〜北の国から〜」をしていたファルコンまつばらです。 クラブMOIマッチングを中心とした理想の工房を北海道に作るまでの模様、そしてクラブMOIマッチングの今とこれからを中心に様々なことに顔を突っ込んでいきます(^^;; なお、純はもしかしたら出てくるかもしれませんが、蛍や五郎さんは出てきませんので、念のため・・・。

May 2022

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いい加減100年も前の測定方法を盲信するの止めても良いんじゃない?

と思う。


大正8年

なおこの写真もスイングバランスが発案されたのとほぼ同時期の写真です。

写真も銀盤から、フィルムになって、今やデジタル隆盛の時代なのに、ゴルフクラブだけはこの時と同じヒッコリーと同じ計測方法だというね・・・。

ヘッドが重い方がハンマー効果で飛ぶ。

と言うのをお聞きになった方も多いと思います。

メーカーも一時期ハンマー効果で飛ぶ!!とか盛んに宣伝していましたし。

このハンマー効果、ヘッドが重ければ飛ぶと言うことと誤解している方は多いです。
プロゴルファ-でも、工房のクラフトマンでもそう誤解している方はいらっしゃいます。

が、もしそれが本当だったらなんでウェッジのヘッド重量のほうがドライバーの1.5倍もあるのでしょうか?
ハンマー効果で飛ぶのだったら、飛ぶ方が良いに決まってますから、ドライバーのヘッド重量が500gとか1kgとかあっても良いはずです。

おかしいですよね・・・(^^;;



実際の所、重ければ飛ぶと言う訳では無く、当たり負けしない重量が必要であると言う事なんですね(^^

ボールのルール上の重量制限は45.93g(1.62オンス)以下となっていて、同じ大きさで同じ反発であれば重い方が飛ぶと言われていますが、ヘッドには重量制限のルールは無いので、500gでも1kgでも作ろうと思えば作れるんです。

ですが、500gはおろか250gのドライバーでさえ無いのは何故でしょうか?

ハンマー効果があるなら250gくらいだったらあっても良いはず。


これ、結局の所、明確なのは当たり負けするかしないかであって、ハンマー効果自体はそれほど大きな関与はしないんです。
中空出ないアイアンやウェッジでも全てチタンやアルミでヘッドを作れば、軽いモノが作れます。
カーボンや樹脂のヘッドであれば、もっと軽いヘッドも作れます。

仮に50gで460ccのドライカーボンヘッドを作ったとすると、皆さんお考えのように当たり負けして全然飛ばないんです。
ヘッドスピードは上がるでしょうから、50m/sとして、50m/sでフルショットしても100ヤードも飛ばないでしょう。

では実際に当たり負けしないためにはどの程度の最低重量が必要なのか・・・。

物理的にはおおよそ3.25倍~3.5倍と考えられています。

ですので45.93gのボールに対して160g程度のヘッドであれば理論的には当たり負けはしません。

160gでヘッドを作れば、当たり負けせず、軽く振りやすいクラブとなり、ヘッドスピードも上がってすっげー飛ぶクラブが出来るハズ。

なのですが、160gのヘッドはありません。

なぜなら、160gで作ったら確実に芯で当てないといけませんから。


ですので、重量に余裕を持たせ、ヘッド上下左右のMOIを上げることに余分な重量を使うんです。
そうすれば多少芯を外して打ったとしても、当たり負けすること無く飛んでいってくれることとなります。
必要となってくる重量の余裕はヘッドのどの部分にどのように割り当てるかにもよって変わってきますので一概には言えませんが、最低でも15~20gは必要だと考えられます。

現状、総重量で一番軽いと思われるドライバーはマジェスティのサブライムの246gなのですが、シャフト重量が33g、グリップ重量が30gと超軽量なモノを使っています。
グリップテープがおおよそ2g、ソケットや接着剤としておよそ2g使ったとして、ヘッド重量は179gとなりますから、マジェスティの場合おおよそ19gの余裕をもってヘッドのスイートスポットの増大に割り振っている事になります。

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まぁ、マジェスティを買う方はココのブログを見る事は少ないでしょうが、ヘッド180g程度、シャフト50g程度、グリップ50g程度と考えると280gくらいのドライバーからが当たり負けしない一般的なドライバーと考えられます。

あとは余裕をもった重量をどれだけ必要と考えるかによっても変わってきますので、おおよそ200g弱のイマドキのドライバーヘッドはほとんどの場合当たり負けしない設計となっていると言えましょう。


本日のポイント

ヘッド重量が重ければ飛ぶと言う、ハンマー効果はさほど気にする必要はない。
当たり負けしない重量プラス芯を外したときにどれだけ余裕をもった重量配分があるかのほうが重要だけど、その部分はヘッド重量で推測するしかない。
(厳密に言うとヘッドの上下左右のMOIを公開している場合にはソレである程度は判断できる)

蒸気自動車


蒸気機関で走るクルマがまだまだ新車で購入できる時代。
写真のDoble Steam MotorsのモデルEは1924年発売とのことです。

クルマで言うとあの有名なT型フォードもまだまだ新車で買えた時代です。
フォードモデルTの1927モデル
T型フォード
(1908年 - 1927年)

排気量は2896ccで公称出力20-24HPと、今となっては軽トラの半分以下の馬力です。

スイングバランスの時代の自動車
どのメーカーかは分かりませんが、こんな馬車みたいなクルマも新車で買えた時代です。



同じ頃に発明(?)発案されたのがゴルフクラブで今もほとんどのメーカーが採用しているスイングバランスの考え方です。

1920年代初頭にスイングバランスの考え方は発案され、途中12インチへ変わったとはいえ、すぐに14インチを基準とする形に戻りましたから、T型フォードや蒸気自動車と同じ年代の考え方を未だにそのまま使っていると言う形になります。

未だにT型フォードや蒸気自動車に乗っている人はほぼ居ないと言っても良いでしょうが、実際に乗っているかたが居たとしてもマニアな方で、全体からするとごく少数と思います。

が、スイングバランス(スイングウェイト)に関してはどうでしょう?
TaylorMadeもミズノもCallawayもダンロップもPINGもBRIDGESTONEもONOFFもマルマンもヨネックスも名前を一度でも聞いたことのあるクラブメーカーはもちろん、BoseIronFactory以外の中小規模クラブメーカーに至るまで、ほぼ全てのメーカーでスイングバランスが採用されています。

ぶっちゃけ、その最新の2022年モデルのドライバー、実はフォードT型の発想から1mmも進化してないんですよ。

今やガソリン車でさえ肩身の狭い時代になってきました。
近い将来電気自動車に置き換えなくてはならない事も間違いは無いでしょう。

そんな時代なのに、未だに第一次世界大戦直後の、蒸気機関車や蒸気自動車、フォードT型も全盛だった頃に発案されたスイングバランスにまだ拘るんですか?と言うお話なのです。


HAYABUSAウェッジってスゴいんだぜ。
と言う動画をご覧ください(^^




設計や開発での苦労話など、いろいろご説明したい所はあるのですが、文字で説明しても実際の所は伝わりにくいので、動画を見て頂くのが一番かと。

48度、50度、52度、54度(以上AW)

54度、56度、58度(以上SW)の

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今回は少し前に書かせて頂いた、ライ角の不思議の答え合わせをしていきます。

まず、復習ですが、ライ角がアップライトだと右、フラットだと左に行くのは間違いありません。
但し、ロフトが寝ているクラブで、あり得ないくらいにフラットやアップライトにしないと目に見えるほど大きな違いはありません(下記参照)。

正直言って前後1度位の違いであれば、ライ角自体よりも実際のライの傾斜やスイング軌道の誤差に消されてしまいますから、さほど気にすることは無いと言えます。

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では、前回の答え合わせに入っていきましょう。

同じクラブでプラスマイナス5度=合計10度のライ角の違いがあれば上の写真のように大きく変わってきますが、実際のライ角のフローはアイアンで0.5度刻み、ウッドやUTではもう少しある程度です。
そしてご存じのようにロフトが立ってくるに従ってライ角が方向性に与える影響も少なくなってきます。

この2点によってライ角を変えることでの球筋へはさほど大きくは影響しないと言う事となります。

前回書いたようにライ角のフローを逆にしていったとしても、ウェッジ類では変わってくるのですが、ロングアイアンやUT,FWにドライバーはライ角のフローを逆にしても大きな影響は無いと言うことです。

対してライ角を逆フローにして普通にスイングすると、長さの違いに対してヘッドが逆方向を向く事となりますから、ヘッドのトゥ側が引っかかったりヒール側が引っかかったりすることとなります。
構えた時の違和感も相当なモノとなるでしょう。
ライ角の逆フローでこのようなデメリットが出てくるので、ライ角を逆フローさせる意味も無いと言う事ですね(^^;;


但し、実際にライ角が適正値であったとしても、長い番手では右に行きやすく、短い番手では左に行きやすいのは紛れもない事実です。

ライ角で方向性は確かに変わりますが、方向性はライ角だけではありませんし、むしろライ角が方向性に与える影響というのはさほど大きくはありません。


方向性にライ角よりも大きな影響を及ぼすモノ。

その点に目を向けることが出来れば、あなたのゴルフはもっとシンプルで合理的なモノになってくるんです。

ライ角よりも大きな影響を及ぼすモノはクラブMOIなのですが、長くなりましたので、また次回以降に書きますね(^^

カウンターバランスは多くの場合、スイングバランスを合わせるために用いられますが、クラブMOIマッチングにおいても必要となってくる場合があります。

カウンターバランス自体でクラブMOIはさほど変わりませんので、クラブMOIマッチングを否定される方々の中にはこの事を以てクラブMOIマッチングの矛盾として捉える方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、クラブMOIの値だけで無く、こちらはゴルフスイング全体のことを検証し理論化し、最適な形でボールヒットの瞬間までコントロールするのがクラブMOIマッチングですから、矛盾だと思われる方々は「木を見て森を見ず」であると言えましょう。

ではどのような場合にカウンターバランスが必要になるのかですが、高いクラブMOIでもチーピンや引っかけを起こす方に必要となります。
高いクラブMOIでしたら通常では右に行くことはあっても、左に行くことは考えにくいので、この点でもクラブMOIマッチング自体を否定されそうですが・・・(笑)

先ほど、「ゴルフスイング全体のことを検証し」と書きましたが、この部分はまさにスイング全体から来る事象で、実はクラブの問題ではありません。
クラブMOIの値だけで無く、スイングそのものまでコントロールしていくのがクラブMOIマッチングですので、クラブ以外のコントロール=腕や肩、身体のMOIまでもクラブでコントロールしていくんです。


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カウンターバランスが必要となってくる場合の多くはUTで、表のようにUTだけクラブMOI値が低めであると言う事からUTにカウンターバランスを仕込むことが有用となって来る方もいらっしゃいます。

カウンターバランスが必要かどうかは、もちろん人によって違いますので、ご自身で判断せず、こちらの判断に任せて頂くこととなります。

BoseIronFactoryの場合は年間2,000本程度の実績とデータの蓄積がございますので、こちらの判断を信頼して頂いてお任せ頂きたいと思います。

なお、実際にどの程度の重量のカウンターバランスが必要になってくるかもお任せ頂きますが、写真のように
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1本1本必要な重量のカウンターバランスを製作します。

そのため、カウンターバランスが必要な場合、1個あたり1,500円(税抜き)の制作料を頂きますが、カウンターバランスまでもがカスタム対応という事でもありますので、ご了承くださいますようお願いいたします。

ネットでよく見られる陰謀論。

人工地震とかもそうですし、ゴルフでは割と有名なのは自称タイガーウッズのコーチという方なんかも陰謀論と言って良いかもしれません。飲むだけで癌が完治するといった怪しげなサプリだったりもその範疇に入るのかもしれませんね。

常識を覆す事が陰謀論という定義をするのなら、クラブMOIマッチングも陰謀論といえましょう(←自分で言うか!?)


実際にクラブMOIマッチングが陰謀論かというと、それは皆さんの考えにお任せしますが、地動説も未だに陰謀論で、地球は丸くなくてフラットだという陰謀論もありますのでご参考までに・・・(笑)

ゴルフ業界にはいろいろと不思議なことがたくさんありますが、ライ角の不思議もとても不思議です。

まず、間違いないのは、ライ角がアップライトなら左に、フラットなら右に行くということで、ライ角によって方向性が変わってくると言う事。

ある程度の知識のあるゴルファーなら、これは常識と言える事ですよね。

ライ角2度アップライト

ライ角適正
ライ角2度フラット
ミズノさん、画像お借りしましたm(__)m



じゃあいったいどこが不思議なのさ?と。

はい。そうなんです。
これだけでは何の不思議も無いですし、至極ごもっとも!!としか。


一方で未だに多くの方はドライバーで右に行って、ショートアイアンで左に引っかけると言うお悩みをお持ちな訳です。

ここで「あれ?何かおかしくね?」と思うのがファルコンなのです。

ドライバーで右に行くのならドライバーのライ角をアップライトにすれば解決し、ショートアイアンやウェッジで左に行くのならショートアイアンのライ角をフラットにすれば両方とも解決じゃないですか?

と言う事は、仮に7番アイアンでまっすぐ行くライ角が62度だったと仮定すると、8番で61.5度、9番で61度、PWで60.5度、ウェッジで60度とかで良いはず。

逆に6番で62.5度、5番で63度、UTで63.5~65度、FWで67~70度、DRでは73~75度とかにすれば全て解決するハズ。
あ、ここでFWやドラのライ角が0.5度刻みでなく大幅に変えているのは、ロフトが立つにつれライ角が方向性に与える影響は少なくなると言う事からです。
結構考えてるでしょ?(笑)



でも実際にはライ角のフローって、全くの逆じゃ無いですか?

不思議です。

ホント、不思議なのでどなたかヤフー知恵袋に聞いてみてください。

きっと数多くのシッタカ君がアタマを悩ませながら説明をしてくれると思います(←だからファルコンは性格悪いと言われるし、嫌われるんだよなぁ)。


では、何故逆のフローなのか?ファルコンなりに考えてみると・・・
いや、やっぱ止めておきます。

まずは皆さんご自身で考えてみてくださいね(^^;;

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これ、昨日のダイヤモンドカップのリーダースボードなのですが、この中にクラブMOIマッチングを行っているプロがいます。

そのプロはMOIマッチングを行って非常に調子が良いと言う事ですが、調子の良いドライバーのスペックはと言うと、スイングバランスC8.0で総重量308gとのこと。

そのプロのドライバーはMOIマッチングする前はとても調子が悪くて、イップスになっていたほどとのことですが、そうしたイップスになるほどまでに追い詰められたスイングバランスから来る弊害について考察してみたいと思います。


スイングバランスから来る弊害
このプロはまだ若く体力もあり、飛ばし屋です。2020-2021年度のドライビングディスタンスは300ヤードを超えて、ランキングでもトップ5にランクインするくらいです。

そう聞くと多くの方が「バランスC8.0ってダメでしょ!!」と思うでしょう。

このプロは有名メーカーと用具契約を結び、ツアープロサポートを受けていますが、そのメーカーはクラブMOIマッチングの概念自体がないので、当然そのように考え、C8.0でドライバーを作ることはしていなかったと考えられます。
いえ、もしかしたらC8.0で作っていたのかもしれませんし、それこそD5.0~C5.0あたりまで試行錯誤していたのかもしれません。
クラブMOIを考えなければ、総重量1kgでバランスC8.0のドライバーでさえ簡単に作ることができるのですから。

ですが、そうして出来たドライバーは、当然「調子の良いときと同じハズなのに全然違うドライバー」となります。
実際に違うのは全く考慮されていないクラブMOIだけなので、本当に全然違うんだけど、違っているところが誰にも分からないのです。

そうした中で、このプロはドライバーイップスになっていきました。

他のプロからも「○○がキャディバッグにドライバー入れているなら予選落ち間違いなし」と言われる程のイップスです。

現在は予選落ちどころか決勝ラウンドで上位に食い込んでいますから、きっと藁をもつかむ思いでクラブMOIマッチングを行い、結果を出しているものと思います。
用具契約をしているのに、そのメーカーのツアープロサポートでは無く、クラブMOIマッチングに頼ってきたのですから、藁をもつかむ思い以上かもしれません(そのためお名前を出していません)。


また、今回は分かりやすくツアープロの実際のお話を例に出していますが、こうしたことはアマチュアの皆さんにも十分起こり得る事、と言うより「同じスペックなのに何か違う」という事は殆どの皆さんが体験している事だと思います。決してこのプロの話は他人事では無いと言うことですね。
そしてイップスにならないためには、アマチュアでも結果を出すためにはクラブMOIマッチングが欠かせない要素であることもお分かりになると思います。


ただ、クラブMOIを知る者としては、クラブMOIマッチングを普及・啓蒙する立場としては、「このメーカーにクラブMOIの概念さえあればこのプロもイップスにならずに済んだのに」と思うこともあります。
気持ちも新たに、「もっともっとクラブMOIマッチングを普及啓蒙を行っていかなければ」と思うファルコンなのでした。

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ユーティリティってロングアイアンよりも打ちやすいじゃないですか?
表のように、3Uも4Uも7番アイアンと同じくらいのクラブMOIなのですから、打ちやすくて当然です。
何で打ちやすいかと言うと、
1.ヘッドの重さが軽め
2.アイアンはスチールシャフトが主流でUTはカーボンが主流
と言う事です。

ロングアイアンの打ちにくさの理由として「長いから」「ロフトが立っているから」というのを上げる人がいますが、UTとロングアイアンではUTのほうが長く、ロフトも立っています。
物理的、クラブMOI的に考えないとこうした矛盾が生じます。

ですが、ゴルフに携わる人の多くがこうした矛盾に気付かずまことしやかにそう言っているのを聞いたことがあると思います。

このところ何回かに渡って書いているスイングバランスに関しても、このユーティリティと同じ矛盾があるのですが、おっしゃっている方々はもちろん、それを鵜呑みにする人も多いので、困ったモノです・・・(笑)

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