ゴルフ「北の国から」

ゴルフトゥデイでの連載「ゴルフ〜北の国から〜」をしていたファルコンまつばらです。 クラブMOIマッチングを中心とした理想の工房を北海道に作るまでの模様、そしてクラブMOIマッチングの今とこれからを中心に様々なことに顔を突っ込んでいきます(^^;; なお、純はもしかしたら出てくるかもしれませんが、蛍や五郎さんは出てきませんので、念のため・・・。

July 2024

BoseIronFactoryの試打スペースの回りは360度牧草地に囲まれています。

牧草地には夏になると虻(アブ)が出てくるのですが、今年の虻はもの凄い数で噛まれると長期に渡って腫れて痛がゆいので、夏の間の試打や試打スペースの管理がもの凄く大変なんです。

IMG_1342
IMG_6744
IMG_2385 (1)
このような素晴らしい環境とトレードオフです(^^;;

虻は熱源に向かって飛んでくるので、気温が体温以上にならなければ人に向かってきます。
気温が37度とかはここ弟子屈ではあり得ないですし、車も2台とも黒いしエンジンの熱もあるので、車の乗り降りの際にも虻の大群に襲われる事となります。


もちろん試打をする際にも大量の虻が寄って来ますし、虻はシャツやボトムスを着ててもその上から襲ってきます。
虫除けやハッカ油などは効くのですが、ハッカ油の効き目は割と短時間ですし、虫除けはもっと短期でしか効きません。

試打スペースの管理としてこの時期は最低でも2日に1回は芝刈りをしなければいけないのですが、早朝の虻がまだ活動しない時間帯は朝霧で濡れていて芝刈りが出来ないですし、虻が少なくなる夕方から芝刈りをはじめるとすぐに暗くなってしまうため集草が難しいです。

もちろん現状の試打も虻におびえつつの試打となりますので、HAYABUSA PC Ironの開発にも差し支えます。

そのため、全ての虻が捕獲出来る訳では無いのですが、この写真のアブキャッチャー(アブキャップ)の導入をすることとしました。


アブキャップ

弟子屈カントリーをはじめ、牧場などでも多く設置されていてそれなりの実績はありますし、数年単位にはなりますが、虻の発生率も下がるとの統計もあるので、高いんですが導入する事に。

これで虻が数割でも少なくなれば良いんですが、果たして・・・(^^;;

AI_BgImage_20240419_222041_3-2
AI_BgImage_20240419_222926_2-1
HAYABUSA Iron(番手モデル)

通常のHAYABUSA Ironは見た目の精悍さと逆にキャビティ並みに優しく、且つコントロール性もある事で非常に好評なのですが、マッスルバック形状を元としているためにどうしても難しいイメージが先行してしまう方もいらっしゃいます。

そのためBoseIronFactoryではJCM-03CAVITYもラインアップしているのですが、やはりHAYABUSA Ironの直系でのアイアンが欲しいと言う声が高かった事も事実です。

LDI-1
JCM-03CAVITY

また、よりシニアや女性などにもより安心してお使い頂くためにも、更に優しいモデルを求める声も大きくなってきています。


そのためHAYABUSA形状でのより優しいアイアンをここ数年考えていたのですが、なかなか元となる鍛造が見つからず、イチから作る事も考えつつ、私自身も悶々とした日々を過ごしていたのですが・・・。



ようやく見つかったんです( ´ ▽ ` )ノ


IMG_1300
HAYABUSA PC Ironの試作モデル

しかもポケットキャビティです。
一般的に軟鉄鍛造をポケットキャビティとする場合は、ポケット部分を後から溶接して付けるのですが、このポケットキャビティは溶接では無く、高い技術力が要求されるCNCミルドによるポケットです。
ソール幅も広く、フェースも大きいので構えた際にとても安心感があります。

また、グースもある程度取ってあるので、グースから安心感を受ける人も多い。
(グースに関しては捕まりが良くなると言う考え方もありますが、個人的に理論的に捕まりが良くなるとは考えてはいません。安心感という面のほうが強いです)

IMG_1299
HAYABUSA PC Ironの試作モデル(7番)

この鍛造の場合、ソールの厚みも十分にあるので、HAYABUSA Ironのアイデンティティであるバックフェースの窪みも十分作る事が出来ます。
ポケットキャビティで既に十分なミスヒットに対しての寛容性は有りながら、更にバックフェースの窪みを設ける事によって、上下だけで無く左右のミスヒットへの寛容性も現状考えられるアイアンでMAXと言える寛容性があります。

IMG_1654
HAYABUSA PC Ironの試作モデル(PW)

IMG_1641 (1)
HAYABUSA PC Ironの試作モデル(5番)

試打は順調に進んでいますが、飛距離も優しさも、そして打感もとても良い形で進んでいます。

また、このアイアンはタケ小山プロの戦友である浦東塾長にも試打して頂き、共同開発という形で進めて行くアイアンとなります。




まだ最終的に決定したわけではありませんが、HAYABUSA PC Ironの番手構成は以下の形で考えています。
4~PWの7本に加えて、ストロングロフト設計ですので、ギャップを埋めるGWの全8本。
6~GWまでの6本が基本セットで、5番と4番はオプション設定。

今野プロモデル番手刻印Gと012含
画像はHAYABUSA PC Ironに使う予定の番手の刻印です。
番手刻印のフォントにも拘りを持つのがBoseIronFactory流ですね(^^

まだまだ試作とテストを繰り返して行きますが、今年中に何とか発売開始出来るよう開発を進めておりますので、皆様ご期待下さい!!

RODDIOのNEW FWに関しては10回くらいブログで書いてもまだ書き足りない位の凄さなんですが、クラブMOIマッチング的な観点からも凄いのがRODDIO FWなんですね。

例えば・・・ドローバイアスソールなんですが、


IMG_1701 (1)

前回のブログ記事でも書いた通り、重量が88gでゴムブッシュ入れて91gとニュートラルソール、アンチフックソールの92g(ゴムブッシュ入れて95g)とは4g軽く作られています。


これを見た時に、ニヤッとした方はクラブMOIマッチング理論の事も良くお分かりなのかもしれません。

と言うのも、これってクラブMOIマッチング理論通りなんです。

しかもソールというスイングの支点から一番離れたソールの重量ですから、この部分の軽量化は非常に効果的。
RODDIOさんにはクラブMOIマッチングの理論を詳細に説明している訳ではありませんので、理論として軽量化をしたと言うよりは感覚的・経験則的なところから軽量化となったのかとは思いますが・・・。


ヘッド(ソール)が軽くなると、その分クラブMOIは下がり振るために必要なチカラも少なくなります。
振るために必要なチカラが少なくて良いと言うことは、振り遅れる事も無くなります。

振り遅れが無ければフェースローテーションもしっかりと出来てボールにコンタクトするので、ドローになりやすいと言う訳です。


IMG_1710 (1)
ドローバイアスソールのゴムブッシュを取ったもの


BoseIronFactoryとしては当然分かっていた事ですので、前のFWの時から既に同じ考えでソールのチューニングを行っていたのですが、RODDIOが純正の形でドローバイアスソールを作ってくれたのは非常に助かりますね(^^


IMG_1694
BoseIronFactoryのソールチューニング(87.5g)
(ちょっと見た目が悪くなってしまったので、売り物では無く取ってあるものになります)


IMG_1693
こちらが標準のソール(92g)

以前より実際にこうしたソールチューニングを行っていますので、今回のRODDIOのソールがドロー、アンチフック、ニュートラルの3つとも効果が大きいのはよく分かります。

しかも、私の削ったソールが87.5gで標準ソールが92gと、ドローバイアスソールとその他のソールでほぼ同重量というのもRODDIOの本気度合いというか、BoseIronFactoryの思惑通りというかで、とても興味深いものがありますね(自画自賛が過ぎる・・・(笑))



RODDIO製品のご依頼はRODDIOの事を知り尽くしているBoseIronFactoryまで!!

2024_teaser_Fairwaywood_onsale

いよいよ発売が近づいてきたRODDIO NEW FWに関してRODDIOの大ファンでもあるBoseIronFactoryが考察していきます。

一言で言ってしまうと痒いところの全てに手の届いた改良なんですが、結構マニアックに細かいところまで見ていきます。

今回は一番分かりやすいソールに関してです。
今までのFWも今回のFWもなのですが、RODDIOのFWのキモと言えるのがソールの構造と重量(重心)の設計です。

まずは実際に測ってみましたので、ご覧ください。

IMG_1700 (1)

スプーンのボディ実測値は107.6g

対してソールプレートの重量の実測値は、
IMG_1701 (1)

91gでした。

測ったのはドローバイアスソールで標準で88g、ゴムブッシュの3gを入れて91gですので精度的にも非常に高く作られていますね。
なお、ニュートラルソールとアンチフックソールだと4g重く92gになります。
ここに重量調整用のスクリューが3つ付きますので、1.5g✕3つの軽いチタンスクリューの場合で4.5g、重いタングステンスクリューの場合で10.5gの重量が追加され、タングステンの場合ではソールプレートで101.5g(NソールとAHソールだと105.1g)となります。

RODDIO FWの凄いところは実はこの重量配分にあるんですね。

ニュートラルソールAHソールでタングステンスクリューを使った場合でのボディ本体とソール周辺の重量配分はほぼ5:5。
5:5の重量配分だからソールプレートでの弾道のコントロールが可能となりますし、5:5の重量配分だから超低重心となり、球も上がりやすくなるんです。

とても良く考えられた構造なのですが、前作のFWも重量配分的にはNEW FWと非常に近い考え方で作られています。
ただ、前作のFWの場合はソールプレートの重量の配分で弾道をコントロールしていく事はあまり大々的に公開していませんでしたし、調整幅もNEW FWに比べると狭かったので、今回のNEW FWではもっと大々的に言っても良いのかなとは思っています。

今回のRODDIO FWはもの凄く調整幅の広い素晴らしい素材なので、私達にとっては調理のし甲斐があるFWになっています。
ですが、FWの製作意図を深くくみ取って組み上げないと買ったは良いけれど全然合わないFWになる事もあると言うある意味(組み上げる者にとっては)非常に難しいFWです。
クラフトの技術に長けたコンシェルジュショップでしか販売出来ないので、そのあたりは大きな問題は無いでしょうが、ショップによっては一発でフィットする組上げが難しい場合もあると思われますので、少しずつ自分仕様にカスタマイズしていくFWともいえるでしょう。

次回はFWソールによる弾道コントロールの考え方に関してMOIマッチング的な事も含めて考察していきます。

↑このページのトップヘ