ゴルフ「北の国から」

ゴルフトゥデイでの連載「ゴルフ〜北の国から〜」をしていたファルコンまつばらです。 プロや一般アマチュアのクラブMOIマッチングやクラブの設計・開発だけで無く、日本クラブMOIマッチング機構(JCMO)の会長でグランドマスター(最上位)として数多くのクラフトマンに対して指導・育成を行っています。 最近はnoteに書く事が多いのでこちらのブログはあまり更新をしておりませんのでご了承ください。 noteは https://note.com/falconmatsubara インスタはhttps://www.instagram.com/falcon_matsubara/ インスタは英語での発信が主です。

January 2025

HAYABUSA PC IRONのテストをしていて、身にしみて分かった事を・・・。

それは、HAYABUSA PC IRONが無印のHAYABUSA Ironに比べてインテンショナルショットに向かないと言うことです。

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優しいアイアン=多少のミスがあっても真っ直ぐに飛んで行くアイアンなんですね。
オートマチックなアイアンというのもほぼほぼ同じ意味です。

優しいアイアンはミスに強いアイアンですから、インテンショナルショットを打つにはあまり向いていません。

インテンショナルショット=わざとミスしてボールを曲げていくと言うことなので、優しいアイアンでインテンショナルショットを打とうとするとマッスルバック以上に曲げてやる必要が出て来るんですね。

そしてHAYABUSA PC IRONはめっちゃ優しくオートマチックに打てるアイアンなので、もの凄く曲げるショットをして始めてインテンショナルに曲がるんです。

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インテンショナルショットは何もフックとかスライスに限りません。
ボールコントロールしている人は多少なりともインテンショナルにショットをしているんです。

コースが曲がっているから多少ドロー気味に打ちたいとか、右から風が吹いているからフェード気味に打って距離を調整したいと言った事も含まれます。

100叩く人であっても、そうしたボールコントロールをしたい人はマッスルバックやポケットでは無いキャビティアイアンを使って構わないんです。


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このトレードオフになる関係があるから、ターゲットユーザーの住み分けがある訳でして、正直HAYABUSA PC IRONはプロや上級者には勧められません。

要は自分のゴルフをある程度分かること、そしてその上で自分の好きなクラブを使う。
それで良いのでは無いかと思うファルコンなのでした。

突然ですが、皆さんに質問です。

皆さんが考えるナイスショットってどのような事を指すのでしょうか?

クラブの真芯で当たり、フェースもスクエアな状態で当たる事がナイスショットなのでしょうか?


先に答えを言いますと、それで正解でもあり、不正解でもあります(^^;;


何故そんなことを聞いたかと言うと、ボールをコントロールする上で、必ずしも真芯で当てる必要性は無いですし、スクエアな状態で当てる必要も無いんです。
どういうことかと言いますと、ボールコントロール(インテンショナルショット)をする場合は、わざと芯を外したり、スクエアでは無い状態でボールヒットしなければ、ボールコントロールは難しいからです。

このボールコントロールというのは、別にインテンショナルフックやインテンショナルスライス、スティンガーショットと言った上級者やプロゴルファーがボールコントロールする場合に限りません。

分かりやすく言うと、バンカーショットでフェースを開いてエクスプロージョンショットをすると言うのも立派なボールコントロールです。


多くの人が勘違いをしているのですが、ゴルフクラブでボールコントロールすると言う事は大なり小なりのミスヒットをする事でコントロールしています。


クラブの真芯でボールに対して完全にスクエアに当たったらスピン軸も方向も真っ直ぐになるので、球は曲がらないのに対して、芯を外したりスクエアに当てない事によって、方向も変わりボールも曲がるのです。

特にウェッジではこうしたボールコントロールを様々な形で用いる事で開いても閉じても思った通りの方向に打ち出せるし、スピン量の大小やボールの高い低いなどをコントロールする訳です。


この部分がウェッジ作りの上で問題になるというか、落としどころを探すのが凄く難しい部分となります。
ミスショットに寛容(優しさ)ウェッジであればコントロール性がある程度犠牲になりますし、コントロール性を重視するとミスヒットに対する寛容性(優しさ)が犠牲になる訳です。


ただ、ウェッジの場合短くてフェースも広く、重量的にも重いためあまりミスヒットに対しての寛容性(優しさ)は必要無いとも言えます。

重さが寛容性に影響すると言うのはあまり聞き慣れないかもしれませんが、ウェッジの場合のヘッド重量は標準的なウェッジで300g程度あるのに対して、標準的な5番アイアンでは257g前後です。
40g以上違いますし、ヘッド自体の大きさもかなり違います。
その分真芯で当たらなくともボールは当たり負けしにくくなります。
(この当たり負けのしにくさというのはハンマー効果では無いんですが、そのことはまた勘違いされている一因になっているでしょう。この件はまた改めて書く事があるかもしれません)

そうした意味ではロングアイアンよりショートアイアンやウェッジは優しいと言うことになりますね。

ここで勘違いしてはいけないのが、単にロングアイアンは長いから難しいとか、ロフトが立っているから難しいと言う訳では無いということ。
ぶっちゃけ上記の理由でロングアイアンは難しいと言う人はクラブの構造を理解していない人だと言っても良いでしょう。

ウェッジにマッスルバックが多く、ポケットキャビティなどの寛容性(優しさ)を追求したものが少ないのはこうした理由があります。
「いやいや、TaylorMadeのHI-TOEウェッジなんかはキャビティになってるし、それはやっぱり優しくするためでしょ?」と思われる方もいらっしゃると思いますが、あのキャビティは優しさではなく、キャビティ部分の重量をフェース上部に厚みを持たせて上部に持っていくため(バックスピン量が増える傾向がある)です。



では、ここで開発中のHAYABUSA PC WEDGEをご覧頂きます。


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まだまだ発売は先になりますが、HAYABUSA PC Ironのようにポケットキャビティ構造としていないのは、そうした設計意図があるんですね。


多くの皆さんから期待して頂いているHAYABUSA PC IRON

ロゴ等の位置を決めるための最終試作が完成したとの連絡を受けました。
既に性能等のテストは完了しておりますので、あとはスムーズに進むと思われますので、最新情報をお届けします。

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一体成型の鍛造ながらも深く広いポケットキャビティです。

まだ最終試作は到着していませんので、ロゴ等の入っていないものの写真となりますが、その特徴を再度お知らせします。

1.一体成型の鍛造ながら、深く広いポケット。
(溶接による2ピース構造では無いのでとても柔らかい打感で、且つミスショットにも優しい)

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2.HAYABUSA Iron譲りのバックフェースの窪み
(通常のポケットキャビティ以上に左右の打点のブレにも優しい設計)


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3.ストロングロフト設計とフェース肉厚の最適化で飛距離性能も追求
(一般男性用、シニア・レディース用、ジュニア用で3種のロフト・ライ設計)


4.HAYABUSA Ironのファルコンソールを更に進化させた新ソールにより、縦の飛距離も安定。
(芝を切りにくいリーディングエッジ、多少ダフってもスムースに抜けるソール形状)

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5.最適な重心設計による、バックスピン量の安定とサイドスピン(スピン軸)の番手毎の最適化。


6.一般男性用、シニア・レディース用、ジュニア用の3種のバリエーション。
(ロフト・ライ、重量の全てをバリエーション毎に専用設計しています)

7.ロングアイアンは飛距離が出て、ショートアイアンはより真っ直ぐ飛ぶようにヘッドだけで無くシャフト長も含め、クラブとしての総合性能を最適化。
(組上げにMOIマッチングだけで無い特殊なノウハウが必要なため、JCMO認定店以外での販売は致しません)

8.コンピュータシミュレーションによる番手毎の飛距離差の安定化。
(弾道測定器による膨大な弾道データの取り込みとそのデータベースからのシミュレーション)

9.若干FP値を持たせることで初中級者に安心感を提供。




と、ここまで書いた所で下書き保存していたのですが、先ほどロゴを入れた最終試作が到着しましたので、ご覧頂く事とします。

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近々にも発売予定時期や価格などの情報をお知らせ出来ると思いますので、ご期待ください!!

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