態度が悪かったり、スロープレーだったりで、強い割にはあまり人気があるとは言えないブライソン・デシャンボー。
デシャンボーと言えばワンレングスアイアンというくらいに有名ですね。
実はBoseIronFactoryでは、デシャンボーがアマチュアで頭角を現す前からワンレングスアイアンの研究と検証をしてきました。
ワンレングスアイアンは各番手ともに同重量のヘッドで同重量のシャフトを同じ長さで組んでいますから、クラブMOIは基本同じになりますから。
長さは全て37インチで、クラブMOIが高すぎないように、ヘッドの重量も考えた上で製作しました。
で、結果から言うと、ほとんどの人が、短い番手ではロフトからすると少し飛びすぎ、長い番手では全然飛ばないという結果になりました。
特に3番や4番などのロングアイアンでその差は顕著となり、3番に至っては多くの方のボールは上がらず、ゴロや低いライナーに近い球筋で、どう見てもヘッドスピードが足りないと言う結果でした。
飛距離の階段が上手く出来ないんですね。飛距離の階段が出来てこそのアイアンセットですから、これは致命的です。
ワンレングスアイアンが普及しない原因はこのことにあるのですが、では何故こうした結果になるのか?という事を考察していきましょう。
まず、クラブMOIは同じなので、原因はクラブMOIの違いによるものではありません。
普通のアイアンセットと違うのは、長さが同一であるということと、ヘッド重量も同一であるということです。
通常のアイアンセットの場合は、長さは0.5インチ刻みでヘッド重量は7g刻みです。
クラブMOIマッチングの場合は長さは基本0.5インチ刻みで、もう少しヘッドの重量差をつけることで同一MOIにすることが多く、重量差だけで難しい場合は0.1インチ程度の長さの差が出てきます。
ワンレングスの場合、番手が長くなっても長さも重量も変わりませんから、全てのクラブで同一のヘッドスピードになりますが、通常のクラブ、クラブMOIマッチングのクラブの場合、ロングアイアンになるにつれて長くなって軽くなることから、ヘッドスピードも上がります。
ロフトが立つに連れて、必要とされるヘッドスピードも速くなっていくので、ロフトに見合ったヘッドスピードが出せないワンレングスアイアンは上の番手に行くに従ってどんどん飛距離が出なくなってくるという訳です。
では、一般ゴルファーがワンレングスアイアンで飛距離の階段が出来ないのに、なぜデシャンボーは飛距離の階段が出来ているのかを考察していきます。
一般のゴルファーのヘッドスピードはドライバーでおおよそ40~42m/sといった所なのに対して、デシャンボーは60m/s程度です。
一般ゴルファーよりも1.5倍もヘッドスピードが速いデシャンボーなら、37.5インチのワンレングスアイアンでも飛距離差を付けるに十分なヘッドスピードがあります。
だからデシャンボーはワンレングスでも問題は無いのです。
ちなみに、そのデシャンボーですら、2021年のクラブセッティングを見ると6番からしかアイアンは入れておらず、4番5番はアイアン型のユーティリティです。
2020年の4番5番はかろうじてアイアンではありますが、専用設計されたユーティリティに近いアイアンになっています。
デシャンボーでさえ、4番5番を6番以降のアイアンヘッドとは違うものにしているということは、上記の考察が正しい事を推測させると言っても良いでしょうし、平均的なヘッドスピードの一般ゴルファーがワンレングスアイアンを使うのは危険であると言っても良いと思います。
ではワンレングスアイアンに未来は無いかというと、そうではありません。
BoseIronFactoryで一時期発売していたワンレングスアイアンはキチンとその点を考慮した上で設計しています。
それは、5~PWの通常の6本セットでは無く、5本セットでの販売という形で、5本それぞれのロフト設定を、25度、30度、35度、40度、45度と、通常の4度刻みではなく、5度刻みにすることでロフト差を付け、飛距離の階段を作るようにしたものです。
この設計はバッチリで、キチンと飛距離の階段も出来たのですが、何故現在は販売を取り止めている家というと・・・。
そこまでしてワンレングスで得られるメリットって、普段から行っているクラブMOIマッチングで得られるメリットと何も変わらないんです。
むしろヘッドの選択肢は限られてしまいますし、5度刻みのワンレングスの場合、ヘッドスピードが遅めな人は7~8ヤードピッチでの飛距離の階段、ヘッドスピードが早い人だと13~14ヤードの飛距離の階段になってしまうので段差が高すぎたり低すぎたりというデメリットもあります。
更には長さが同じなので番手を間違えることも頻繁に起こります。
そうしたメリットよりもデメリットの多い状況の中、クラブMOIマッチングという解決策のほうがやはり優れているということで、ワンレングスアイアンの発売は止めました。
ブライソン・デシャンボーが「ゴルフの科学者」を自称しているのに対して、私は「ゴルフの物理学者」を自認していますので、(売れるというだけで)ワンレングスアイアンは今後も基本的に作らないと思います。
デシャンボーと言えばワンレングスアイアンというくらいに有名ですね。
実はBoseIronFactoryでは、デシャンボーがアマチュアで頭角を現す前からワンレングスアイアンの研究と検証をしてきました。
ワンレングスアイアンは各番手ともに同重量のヘッドで同重量のシャフトを同じ長さで組んでいますから、クラブMOIは基本同じになりますから。
こちらが3-PWの8本のワンレングスアイアンで、2014年に製作したものです。
長さは全て37インチで、クラブMOIが高すぎないように、ヘッドの重量も考えた上で製作しました。
で、結果から言うと、ほとんどの人が、短い番手ではロフトからすると少し飛びすぎ、長い番手では全然飛ばないという結果になりました。
特に3番や4番などのロングアイアンでその差は顕著となり、3番に至っては多くの方のボールは上がらず、ゴロや低いライナーに近い球筋で、どう見てもヘッドスピードが足りないと言う結果でした。
飛距離の階段が上手く出来ないんですね。飛距離の階段が出来てこそのアイアンセットですから、これは致命的です。
ワンレングスアイアンが普及しない原因はこのことにあるのですが、では何故こうした結果になるのか?という事を考察していきましょう。
まず、クラブMOIは同じなので、原因はクラブMOIの違いによるものではありません。
普通のアイアンセットと違うのは、長さが同一であるということと、ヘッド重量も同一であるということです。
通常のアイアンセットの場合は、長さは0.5インチ刻みでヘッド重量は7g刻みです。
クラブMOIマッチングの場合は長さは基本0.5インチ刻みで、もう少しヘッドの重量差をつけることで同一MOIにすることが多く、重量差だけで難しい場合は0.1インチ程度の長さの差が出てきます。
ワンレングスの場合、番手が長くなっても長さも重量も変わりませんから、全てのクラブで同一のヘッドスピードになりますが、通常のクラブ、クラブMOIマッチングのクラブの場合、ロングアイアンになるにつれて長くなって軽くなることから、ヘッドスピードも上がります。
ロフトが立つに連れて、必要とされるヘッドスピードも速くなっていくので、ロフトに見合ったヘッドスピードが出せないワンレングスアイアンは上の番手に行くに従ってどんどん飛距離が出なくなってくるという訳です。
では、一般ゴルファーがワンレングスアイアンで飛距離の階段が出来ないのに、なぜデシャンボーは飛距離の階段が出来ているのかを考察していきます。
一般のゴルファーのヘッドスピードはドライバーでおおよそ40~42m/sといった所なのに対して、デシャンボーは60m/s程度です。
一般ゴルファーよりも1.5倍もヘッドスピードが速いデシャンボーなら、37.5インチのワンレングスアイアンでも飛距離差を付けるに十分なヘッドスピードがあります。
だからデシャンボーはワンレングスでも問題は無いのです。
ちなみに、そのデシャンボーですら、2021年のクラブセッティングを見ると6番からしかアイアンは入れておらず、4番5番はアイアン型のユーティリティです。
2020年の4番5番はかろうじてアイアンではありますが、専用設計されたユーティリティに近いアイアンになっています。
デシャンボーでさえ、4番5番を6番以降のアイアンヘッドとは違うものにしているということは、上記の考察が正しい事を推測させると言っても良いでしょうし、平均的なヘッドスピードの一般ゴルファーがワンレングスアイアンを使うのは危険であると言っても良いと思います。
ではワンレングスアイアンに未来は無いかというと、そうではありません。
BoseIronFactoryで一時期発売していたワンレングスアイアンはキチンとその点を考慮した上で設計しています。
それは、5~PWの通常の6本セットでは無く、5本セットでの販売という形で、5本それぞれのロフト設定を、25度、30度、35度、40度、45度と、通常の4度刻みではなく、5度刻みにすることでロフト差を付け、飛距離の階段を作るようにしたものです。
この設計はバッチリで、キチンと飛距離の階段も出来たのですが、何故現在は販売を取り止めている家というと・・・。
そこまでしてワンレングスで得られるメリットって、普段から行っているクラブMOIマッチングで得られるメリットと何も変わらないんです。
むしろヘッドの選択肢は限られてしまいますし、5度刻みのワンレングスの場合、ヘッドスピードが遅めな人は7~8ヤードピッチでの飛距離の階段、ヘッドスピードが早い人だと13~14ヤードの飛距離の階段になってしまうので段差が高すぎたり低すぎたりというデメリットもあります。
更には長さが同じなので番手を間違えることも頻繁に起こります。
そうしたメリットよりもデメリットの多い状況の中、クラブMOIマッチングという解決策のほうがやはり優れているということで、ワンレングスアイアンの発売は止めました。
ブライソン・デシャンボーが「ゴルフの科学者」を自称しているのに対して、私は「ゴルフの物理学者」を自認していますので、(売れるというだけで)ワンレングスアイアンは今後も基本的に作らないと思います。
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