F1、MotoGP、Mastersと全てリアルタイムで見ているので超絶に寝不足のファルコンです。
タイトル画像はMasters最終日のデシャンボーのプラクティスショット。
ドライバーを含む52球全て(計測出来た全ての球)が左に行っています。

続いて割とリラックスしている(と思われる)11日のプラクティスショットを見てみましょう。

11日のプラクティスでは2箇所から打っていて、前半が左側で後半が右側で練習しています。
右側は長い番手だと林にかかるので、前半の右打席(中央ですけど)からのショットを分析していくとドローヒッターらしく右に出てからフック回転のサイドスピンで左に持っていく球筋もあります。
ここでお馴染みのイラストをご覧ください。

クラブMOIは振るのに必要なチカラですから、必要以上のチカラが出てしまった場合には振りすぎになるため、Aの位置で当たる事になります。
デシャンボーの場合はクラブMOI値がほぼ統一されたワンレングスアイアン。ドライバーもFWもある程度デシャンボーの適正MOI値に近いはず。
それを踏まえてプラクティスショットの球筋やファイナルラウンドでの球筋を見ていくと・・・


ティーオフでいきなり左に外し、林の中に入れてしまいます。
セカンドショットは左の林の中からで、長い番手を使い高さを抑えたハーフショットでしたからさすがに左には外しませんが、逆に距離が足りず、グリーン手前右に外します。
2番でも同様、ティーショットが左に行ってしまいます。

365ヤードと言うことで飛びすぎですが、飛びすぎと言うことはそれだけ振りすぎてしまった結果とも言えます。
つまり、左に行って当然とクラブMOIマッチング理論としては考える事も出来る訳です。

左からの2ndショットはピン筋(右側)では無くやはり左に。
3番ホールのティーショットでは・・・

3番ホールのティーショットはそれほど引っかけていませんが、それでも左のバンカーギリギリのところでしたから、ベスポジとは言えません。
また、ティーショットをアイアン(おそらく5番)で気持ち抑えめに打っているので、極端に左には行っていないのだとおMOIます。
4番のパースリーでは5番アイアンを使ってグリーン左に外します。

5番ホールでは、ようやくティーショットが良い位置にいきますが、

ホント、左にしか行ってないです・・・。
2ndショットはようやく真っ直ぐいきます。

169ヤードですからPWかそれ以下の番手ですが、ショートアイアンでもワンレングスで37.5インチで作っていますし、ムキムキマッチョですからPWの飛距離は普通に打って180ヤード近く飛びます。
スリークオーターまではいきませんが、実際のショットを観てもそこそこ力を抜いて打っているのが分かります。
であれば真っ直ぐ行くのもよく分かります。
時間があれば全てのショットで検証したいところですが、私もそこまでヒマじゃ無いので、今回はこの辺で勘弁してやることにしましょう(笑)

結論。
このように最終日でしかも最終組といったプレッシャーのかかるシチュエーションでは、緊張したり気持ちが高ぶる事でアドレナリンが出てしまいます。
BoseIronFactoryでサポートをしている平本世中選手などもレギュラーツアーでの優勝経験がまだ無いのでどうしてもそうなるんです。
デシャンボーもMastersはまだ優勝経験が無いですし、アメリカ人ですので「絶対に勝ちたい!」という気持ちはもの凄く強かったはずです。
しかもワンレングスでクラブMOIマッチングしているのとほぼ同じですので、アイアンからドライバーまでフルショットをするクラブではアドレナリンの影響で振りすぎてしまいほとんどのショットで左に行ってしまう事となります。
ちなみにクラブMOIマッチングをしていない選手の場合は、クラブMOIの低いショートアイアンで左に行く傾向があります。
デシャンボーと同じような最終日・最終組で初のツアーVを目前としている選手が崩れていくショットを分析すると、ほぼ確実に左に外して崩れていくので、注意して見てみるとそのことがお分かりになると思います。
なお、グリーン左に外して崩れていく選手が多いため、著名な設計家が設計したトーナメントコースではグリーン左にバンカーを設ける事が多いです。
これはコース設計家がクラブMOI理論に精通していると言うことでは無く、コース設計家がなんとなく「左に外す人のほうが多いから左に多くバンカーを作ろう」と考えているのだとおMOIます。
デシャンボーというと身体能力だけで無く、メンタルも強すぎのイメージでしたが、デシャンボーも人の子だったと言うことかもしれませんね。