ゴルフ「北の国から」

ゴルフトゥデイでの連載「ゴルフ〜北の国から〜」をしていたファルコンまつばらです。 プロや一般アマチュアのクラブMOIマッチングやクラブの設計・開発だけで無く、日本クラブMOIマッチング機構(JCMO)の会長でグランドマスター(最上位)として数多くのクラフトマンに対して指導・育成を行っています。 最近はnoteに書く事が多いのでこちらのブログはあまり更新をしておりませんのでご了承ください。 noteは https://note.com/falconmatsubara インスタはhttps://www.instagram.com/falcon_matsubara/ インスタは英語での発信が主です。

カテゴリ:MOIマッチング > MOIマッチングの理解を深める

F1、MotoGP、Mastersと全てリアルタイムで見ているので超絶に寝不足のファルコンです。

タイトル画像はMasters最終日のデシャンボーのプラクティスショット。
ドライバーを含む52球全て(計測出来た全ての球)が左に行っています。

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拡大した図

続いて割とリラックスしている(と思われる)11日のプラクティスショットを見てみましょう。

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2箇所で115球打っています

11日のプラクティスでは2箇所から打っていて、前半が左側で後半が右側で練習しています。
右側は長い番手だと林にかかるので、前半の右打席(中央ですけど)からのショットを分析していくとドローヒッターらしく右に出てからフック回転のサイドスピンで左に持っていく球筋もあります。

ここでお馴染みのイラストをご覧ください。

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お馴染みのイラスト①

クラブMOIは振るのに必要なチカラですから、必要以上のチカラが出てしまった場合には振りすぎになるため、Aの位置で当たる事になります。

デシャンボーの場合はクラブMOI値がほぼ統一されたワンレングスアイアン。ドライバーもFWもある程度デシャンボーの適正MOI値に近いはず。
それを踏まえてプラクティスショットの球筋やファイナルラウンドでの球筋を見ていくと・・・

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ティーオフでいきなり左に行ってしまいます。
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左の林の中からのセカンドショットではさすがに左には外しません

ティーオフでいきなり左に外し、林の中に入れてしまいます。
セカンドショットは左の林の中からで、長い番手を使い高さを抑えたハーフショットでしたからさすがに左には外しませんが、逆に距離が足りず、グリーン手前右に外します。

2番でも同様、ティーショットが左に行ってしまいます。

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飛びすぎや・・・

365ヤードと言うことで飛びすぎですが、飛びすぎと言うことはそれだけ振りすぎてしまった結果とも言えます。
つまり、左に行って当然とクラブMOIマッチング理論としては考える事も出来る訳です。

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林ギリギリでピンがグリーン右端にあるため狙いますが・・・

左からの2ndショットはピン筋(右側)では無くやはり左に。

3番ホールのティーショットでは・・・

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ベスポジよりは左ですね。

3番ホールのティーショットはそれほど引っかけていませんが、それでも左のバンカーギリギリのところでしたから、ベスポジとは言えません。
また、ティーショットをアイアン(おそらく5番)で気持ち抑えめに打っているので、極端に左には行っていないのだとおMOIます。

4番のパースリーでは5番アイアンを使ってグリーン左に外します。

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解説も左に行きまくっていると・・・

5番ホールでは、ようやくティーショットが良い位置にいきますが、

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良いところに持っていきましたが中央でも右でも無く左です。

ホント、左にしか行ってないです・・・。
2ndショットはようやく真っ直ぐいきます。

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169ヤードという事でPWかな?

169ヤードですからPWかそれ以下の番手ですが、ショートアイアンでもワンレングスで37.5インチで作っていますし、ムキムキマッチョですからPWの飛距離は普通に打って180ヤード近く飛びます。
スリークオーターまではいきませんが、実際のショットを観てもそこそこ力を抜いて打っているのが分かります。
であれば真っ直ぐ行くのもよく分かります。

時間があれば全てのショットで検証したいところですが、私もそこまでヒマじゃ無いので、今回はこの辺で勘弁してやることにしましょう(笑)

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左ばかりのプラクティスを出してまとめに入ります。

結論。
このように最終日でしかも最終組といったプレッシャーのかかるシチュエーションでは、緊張したり気持ちが高ぶる事でアドレナリンが出てしまいます。

BoseIronFactoryでサポートをしている平本世中選手などもレギュラーツアーでの優勝経験がまだ無いのでどうしてもそうなるんです。

デシャンボーもMastersはまだ優勝経験が無いですし、アメリカ人ですので「絶対に勝ちたい!」という気持ちはもの凄く強かったはずです。
しかもワンレングスでクラブMOIマッチングしているのとほぼ同じですので、アイアンからドライバーまでフルショットをするクラブではアドレナリンの影響で振りすぎてしまいほとんどのショットで左に行ってしまう事となります。

ちなみにクラブMOIマッチングをしていない選手の場合は、クラブMOIの低いショートアイアンで左に行く傾向があります。
デシャンボーと同じような最終日・最終組で初のツアーVを目前としている選手が崩れていくショットを分析すると、ほぼ確実に左に外して崩れていくので、注意して見てみるとそのことがお分かりになると思います。

なお、グリーン左に外して崩れていく選手が多いため、著名な設計家が設計したトーナメントコースではグリーン左にバンカーを設ける事が多いです。
これはコース設計家がクラブMOI理論に精通していると言うことでは無く、コース設計家がなんとなく「左に外す人のほうが多いから左に多くバンカーを作ろう」と考えているのだとおMOIます。

デシャンボーというと身体能力だけで無く、メンタルも強すぎのイメージでしたが、デシャンボーも人の子だったと言うことかもしれませんね。

ファルコンです。
先ず最初に、ごめんなさいm(_ _)m
魚雷バットの話を聞いて、「は?いまさら?」という感想が一番に感じた事です。

魚雷バットが話題になっていると言うことでいろいろなニュースを漁ったところ、先端部が細くなっていて魚雷のような形だからとのこと(すみません、ゴルフ以外のスポーツにほとんど関心が無いものでして・・・)。

魚雷バットを慣性モーメントの観点から考えると、先端を細くする事でバット全体のMOI値を下げる事が目的だと考えられます。
慣性モーメントの高低は(振る時に)外周に近い部分の重量を変えていくほうが効果があります。
ゴルフクラブで言うとヘッド、バットで言うと先端部分を軽くする事でクラブ(バット)全体のMOIを下げ、振り遅れの抑制やコントロール性を高める効果が期待出来ます。

宮本さんの解説ではMOI(慣性モーメント)に関してはお話していませんが、「操作性が上がる」事を理論的に説明すると上記のようになります。

野球は詳しくないと言うか全然知らないので、どなたか詳しい方に検証して頂きたいんですが、魚雷バットで量産されたと言うホームランはライト方向よりもセンター・レフト方向へのホームランが増えているはずです。

その理由ですが、クラブMOIマッチングの理論と同様ですが、高かったバット全体のMOI値が、先端部を細くする事で低くなります。
バットMOIが低くなり、振りやすくなるのでバットを振るスピードが上がりますし、振り遅れも解消される傾向になるでしょう。
スイングスピードも上がり、振り遅れも解消されることからホームランが量産されていると考えられます。

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バットのイラストが無くてすみません

今までCの位置で当たる事も多かったのでライト方向へのホームランが多かったのに対して、魚雷バットの場合はB(センター方向)やA(レフト方向)へのホームランが増えていると考えられます。

また、野球に詳しいメディアの方や関係者の方、魚雷バット導入以前のスイングスピードと魚雷バット導入してのスイングスピードの検証をしてみると、ほとんどの選手がスイングスピードの上昇があるはずですので、是非調べて頂きたいですね。

また、宮本さんは以下のようにもお話しています。

「ただ、みんながみんな使うとしたら、慣れるのには時間がかかるでしょう。いきなり使ってしっくりくる人もいるでしょうが、トップバランスでヘッドの先が効いたバットを使っている人は、バットを振ったときの感覚が違いすぎて大きな違和感を持つでしょう。」

面白いのは、これはクラブMOIマッチングにも全く同じ事が言えるんですね。
「ただ、ゴルファーのみんながみんなクラブMOIマッチングをするとしたら、慣れるのには時間がかかるでしょう。いきなり使ってしっくりくるゴルファーもいるでしょうが、スイングバランスで慣れたクラブを使っている人は、クラブを振ったときの感覚が違いすぎて大きな違和感を持つでしょう」

クラブMOIマッチングでは実際にその通りで、長い間スイングバランスのクラブで練習して来たシニアプロやベテランの方に完璧にクラブMOIが統一されたクラブとするとMOIマッチングの効果よりも違和感のほうが大きくなります。
アマチュアの方はプロよりも練習量も少ないため、シニアの方でも多くの場合MOIマッチングの効果のほうが違和感を超えます(但し、年齢が上になるほどクラブMOIマッチングに慣れるのに時間がかかる傾向はあります)。
この点に関しましても、クラブMOIマッチング認定クラフトマンであれば対処方法を知っていますのでご安心ください。

クラブMOIマッチングと魚雷バットで一番異なる点ですが、クラブの本数が多いと言うことですね。
クラブの本数が多いからこそ、クラブMOIを統一していく事が大切です。
一方でバットのほうは魚雷バットでも普通のバットでも、多くの本数を使う訳では無いので、キッチリ統一されている必要は無いとおMOIます。

なお、今後日本国内で魚雷バットが普及するかどうかは、正直まだ分かりません。
と言うのも、ゴルフでも野球でもオーソドックスなモノを好む傾向が強いからです。
魚雷バットが普及するとしたら、MLBだけで無く日本でも合う人がたくさんの実績を出して行く事が必要になると考えています。

また、魚雷バットが普及したとしたら。。。と言う前提で考えて行くと、バットMOIも人それぞれに適正MOI値があるはずですので、プロの中ではその人により合ったバットMOI値を使う事になると思います。
詳しくは知りませんが、バット全体のMOI値を計測する計測器もあったはずですので、バットの振り心地を数値化し、よりその人に合ったバットMOI値のバットを使う事が増えてくるのでないかと。

そうなったら面白いなぁと思うと共に、「野球に先を越されたら私の立場は無くなってしまうなぁ」とも思うファルコンなのでした(^^;;


※野球関係のメディアの方々からの取材依頼もお受け致しますので、詳細に関して取材されたい方はseabose@me.comまで御連絡くださいませ(^^

BoseIronFactoryのファルコンです。
前回までの検証でクラブMOIマッチングの凄さがお分かりになった方も多いのでは無いでしょうか?

ですが、本当に効果のあるクラブMOIマッチングは出来るショップが限られています。
クラブMOIマッチングは非常に精緻な作業を求められますので、キチンとJCMO(日本クラブMOIマッチング機構)で学んだクラフトマンで無ければ無理な作業です。
(何故無理な作業なのかは今後このnoteでご説明していきます)

そこで、安心してクラブMOIマッチングを任すことの出来るショップをご紹介します。
なお、BoseIronFactoryはファルコンのショップですので、BoseIronFactoryに御依頼をされるのであれば、それなりに儲かりますが、その他のショップからは1円も頂いていませんので忖度はありません(笑)

JCMO グランドマスタークラフトマン認定店舗

BoseIronFactory(JCMO本部、ジュニア育成ショップ)
〒088-3228
北海道川上郡弟子屈町奥春別原野40線西61
定休日:毎週火曜日
営業時間:10:00~24:00、土曜のみ AM5:00~24:00
TEL:080-5444-0101
​WebSite:https://www.ironfactory.info/
メール:seabose@me.com
Instagram:Instagram
​X(旧ツイッター):https://x.com/FalconMatsubara
認定クラフトマン(グランドマスター):ファルコンまつばら(JCMO会長)

JCMO S級クラフトマン認定店舗

​Golf Craft Stinger(JCMO中部拠点、ジュニア育成ショップ)
〒448-0813
愛知県刈谷市小垣江町石ノ戸17-1
TEL:090‐2619‐5763
メールアドレス golfcraftstinger@gmail.com
認定クラフトマン(特S級):長谷川 晋也


ハヤシゴルフ工房
〒142-0063 東京都品川区荏原5-6-3
TEL:03-3784-4352
​認定クラフトマン(S級):林 知男​​


ゴルフ工房 ギアサポート
〒307-0031
茨城県結城郡八千代町西大山613-17
TEL:090-3595-2585
営業時間:10:00~19:00
休業日:日曜日
認定クラフトマン(S級):羽鳥 具幸

JCMO A級クラフトマン認定店舗​

T-LABO
〒981-3329 宮城県黒川郡富谷町大清水2-22-1 S-COURT大清水内
TEL:022-341-3160
営業時間:平日・祝日11:00~19:00
     土日10:00~19:00
休業日:毎週木曜日、第3水曜日
認定クラフトマン(A級):竹井 次郎


TEE-1 新潟店
〒950-2121 新潟県新潟市西区槇尾127
TEL:025-201-6396
FAX:025-201-6396
営業時間:平日・祝日11:00~19:00 土日10:00~19:00
休業日:毎週水曜日、第3木曜日
認定クラフトマン(A級):斉藤 陽一


GOLF MAX さいたま浦和店
〒336-0021 埼玉県さいたま市南区別所1-26-13
TEL/FAX 048-799-3888
営業時間:平日・祝日11:00~19:00 土日10:00~19:00
休業日:毎週水曜日、木曜日
認定クラフトマン(A級):吉岡 隆行

​​
Ne’sFACTORY
〒651-1252 兵庫県神戸市北区山田町原野39-4 1F MAST内
TEL:080-3034-4335
認定クラフトマン(A級):川崎 良文​


英田ゴルフ製作所
〒701-2601 岡山県美作市尾谷665
TEL:0868-74-3784
FAX:0868-74-3585
メールアドレス keiya@aida-golf.com
HP:http://www.aida-golf.com
認定クラフトマン(A級):奥西 桂耶

DIVERSE GOLF
〒300-2633
茨城県つくば市遠東1111-19
TEL:029-828-8117
E-mail info@diverse-golf.com
HP:https://diverse-golf.com/
認定クラフトマン(A級):大西 健太


現状では以上の店舗となります。
過去に認定していたショップであっても、認定の継続を行っていないショップや認定基準以下のMOIマッチングを正規料金を取って行っていたショップ等は認定取消となりますので、掲載しておりません。

とは言いましても、今後も認定店は増えていく予定ですので、その際はJCMOホームページをご確認くだされば幸いです。

クラブMOIマッチングのやり方自体に関しては、長さと重さを中心に作業していきますので、それだけを見ると複雑な作業ではありません。

但し、長さに関しては最終的に0.1mm単位、重さに関しては0.01gとなります。
もし、JCMO認定店以外のショップに頼む事を考える場合、長さや重量の精度はどこまで拘るかをお聞きになると良いかもしれません。
もしかしたら、そのショップの方がこのnoteを見ているかもしれませんから、実際に0.1mm、0.01gをどのような測り方で測っているか聞くのも良いと思います。

また、”なんちゃってMOIマッチング”をしているショップのほとんどはクラブMOIスケールでの測り方や計測する時の注意点を知らないショップが多いです。
ここでその測り方を書いてしまうと見て真似をすると思いますので書きませんが、正確なクラブMOI値を計測する事自体が本当に難しいですし、ノウハウが必要となります。

正確な測定方法を知らずにMOI値の測定をしても20kg-cm²くらいは平気で変わって来ます。
20kg-cm²と言えばクラブMOI検証(3)で書いた通りの2番手分に相当する違いです。
そんな大雑把な形で”なんちゃってMOIマッチング”しても効果が無いばかりか、MOI値もグチャグチャで使い物にならないクラブしか出来上がりません。

上記の動画は同じクラブ(TaylorMadeP790の8番)を測り方を変えて測ったものです。
2614.9kg-cm²が間違った測り方、2590kg-cm²が正しい測り方をした場合のクラブMOI値です。
全く同じクラブでも、測り方次第でこれだけ変わってくるのです。
25kg-cm²と言えばほぼ3番手分(3番アイアンと5番アイアン)に相当する差です。
”なんちゃってMOIマッチング”のショップでなんちゃってMOIをすると、クラブの振り心地が揃うどころか、下手したらPWが7番アイアンの振り心地となったり、7番アイアンが4番アイアンの振り心地になったりする事も考えられる訳です。

当然”なんちゃってMOIマッチング”のショップでなんちゃってMOIしたクラブであっても調整料金は必ず支払いますが、調整から戻って来たクラブは「スイングバランスで作られた吊しの状態のほうが良かった」と言うことにもなります。
私達としてもなんちゃってMOIで調整されたクラブで「クラブMOIマッチングはたいした事無いどころかかえって使えないクラブになる」といった評判が広まる事は絶対に避けたいですし、なんちゃってMOIで無駄なお金を使って欲しくは無いと言うこともあります。

また、実際にBoseIronFactoryやJCMO認定店に持ち込まれたクラブの中にはなんちゃってMOIで組まれたクラブが持ち込まれる事があるのですが、正直基本工賃の2~3倍のお金を頂いても割に合わない程酷いモノがあります。
もちろん通常通りの工賃でお受けしますが、なんちゃってMOIで工賃を支払い、JCMOでやり直しの工賃を払うと言うことを防ぐ意味でも、最初からキチンとしたクラブMOIマッチングが出来るJCMO認定店にご用命頂く事が大切だと考えています。

もちろん、JCMO認定店以外に素晴らしいクラブMOIマッチングが出来るショップがあるかもしれませんし、きっとあると思います。
ですが、JCMO認定店以外の技術や知識、ノウハウを私達が確認する手段はないので、こちらで責任の持てるJCMO認定店をお勧めするしか無いのです。

再度申し上げますが、BoseIronFactory以外のショップから私には1円も入ってきません。
その上でJCMO認定店を強くお勧めするのですから、それだけの意味があると言うことを念頭に置いて頂けるとよろしいかと思います。

JCMO認定店はこちらから!!
なお、BoseIronFactoryでのクラブMOIマッチングですが、比較的空いていますので是非BoseIronFactoryへ・・・(^^)v

さて、いよいよ実打データを元にクラブMOIマッチングの効果の検証を行っていきます。

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画像が細かくて申し訳ありません。

データをを紐解く事で、少しでもクラブMOIマッチングに対しての理解を深めて頂ければと思います。

クラブMOIマッチングでは長い番手と基準番手、短い番手で統一された振り心地にする事で、基準番手と同じような位置でボールインパクトを迎えると言うチューニング方法です。

結果、長い番手では振り遅れが抑制され、短い番手では振りすぎを防ぐ事となり、どの番手でも基本的には基準番手と同じ球筋となります。

まずはクラブMOIマッチングの理論に関して勉強していきましょう。

スイングバランスで作られたクラブの場合、基本的に長い番手になるほどにクラブMOI値が高くなっていきます。

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岩崎プロのMOIマッチング前の状態。
ご自身で調整していないので、分かりやすいクラブMOIのフローです。


長い番手になるほどクラブMOIが高くなっていくのがこの表からもお分かり頂けると思います。
クラブMOIが高くなる=振るのに必要なチカラが多く必要となる。と言うことですから、高いMOI値に対応出来るチカラが出せない場合、振り遅れが生じます。
他方、短い番手では振りやすく(振るのにチカラが要らない)なるため、振りすぎてしまいます。
結果、長い番手では打ち出し角が増加、短い番手では打ち出し角が減少し、結果ロフトなり
(ロフト通りではありません)の打ち出し角となります。

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長い番手では振り遅れるため1の位置で当たり、
短い番手では振りすぎる事から3の位置で当たります。

では、ここで実際の球筋がどうなっているのかをデータを見て検証していきましょう。

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実際に打って集めたデータです。

表を見ていくと3番アイアンのスイングバランスでは打ち出し角が12.62度、クラブMOIマッチングしたアイアンでは打ち出し角が16.05度となっています。
対して短い番手のPWでは、MOIマッチングのPWが29.40度、スイングバランスのPWが32.72度となっています。

長い番手で球が上がらず、短い番手では球は上がりすぎない。
クラブMOIの理論通りで一安心です。

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基準番手(得意番手)の場合は2の位置で当たります。

ここでMOIマッチングに???と思っている方々は、32.72度と言う打ち出し角を見てショートアイアンで3の位置で当たってない証拠と言う方もいるかと思います。
ピッチングウェッジのロフトが46度なので、13.28度低い。
3の位置で当たったのであれば打ち出し角が50度とかになっても良いはず。
と言うことです。
その論理で言うと3番アイアンのロフトは20度ですので、これもおかしい事となりますが・・・。

この図はあくまでも説明のためのものであり、分かりやすいように相当誇張して書いています。
実際にはクラブの入射角がダウンブローでボールコンタクトを迎えるので、1~3はもっと図に向かって左の位置で当たります。
イメージで言うと、3番が実際には1の位置というイメージで良いでしょう。
ですのでスイングバランスの3番アイアンの場合は1の位置では無く、0若しくは-1の位置でボールコンタクトを迎えるとお考えください。
なので、3番アイアンでは打ち出し角が12.62度から16.05度まで高くなると言うことです。
逆にクラブMOIの効果に疑問をいだいている人に質問するならば、3番アイアンの打ち出し角が高くなり、PWの打ち出し角が低くなる理由をお聞きしたいものです。

話は若干逸れますが、実際のインパクトゾーンというのはもの凄く短いんですね。
インパクトゾーンを高速カメラで見ると、5cm位しかありません。
また、フェースのローテーションを含むビジネスゾーンは長くても20cm程度です。スイングアークの大きい人でもたった20cmの間にボール軌道に繋がる全ての事柄は起こっていると言うことになります。

次に方向性に影響を与えるフェースの開閉に関してです。


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こちらの図も分かりやすいように誇張して書いています。

クラブMOIが高いと振り遅れる、クラブMOIが低いと振りすぎると言うのがクラブMOIマッチング理論の本旨ですから、長い番手ではCの位置で当たり、短い番手ではAの位置で当たります。

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ここでは左右距離(左右へのばらつき)、打ち出し方向(右がプラス左がマイナス)、フェース角(右がプラス左がマイナス)を見ていきます。

スイングバランスの3番アイアンの左右へのばらつきは8.16ですから150ヤード先で右に8.16ヤード
対してクラブMOIマッチングでは、156ヤード先で-1.64なので左に1.64ヤードの所がばらつきの中心部分となります。

一方でPWはスイングバランスが105.8ヤード先で左に6.25ヤード、クラブMOIマッチングでは107.3ヤード先で左に0.72ヤードという事です。

また、出玉の方向を見ると、スイングバランスの3番アイアンが3.58度右方向に出ているのに対して左方向に-1.64度
スイングバランスのフェース角は右方向に4.02度に対して左方向に-0.16度となっています。

PWではバランスの方向角(出玉の方向)が-2.40度になっているのに対して-0.72度、フェース角はどちらもプラス方向ですが1.42度と1.26度となっています。

ここもフェース角以外は理論通りの結果が出ています。

フェース角に関しては理論と逆の結果となっていますので、今後検証を進めご報告しますね。
(ぶっちゃけ全部理論通りだったらやらせなんじゃ無いかと疑われるかと思っていたので、実はフェース角だけ違っていてちょっと安心というか、信じて頂けるかなぁと思っていたりします(笑))

少しばかり長くなりましたので、次に続きます。

今回から数回に渡って、クラブMOIマッチングで実際の球筋がどのように変わっていくのか?=クラブMOIマッチングは効果があるのか?と言うことをデータを見ながら検証していきたいと思います。

検証をするにあたっては、考え得る限りの公正を期すため、同じヘッド、同じシャフト、同じグリップで2セットを用意し、よりスイングバランスの揃ったセットをスイングバランスでの検証用とし、もう一つをクラブMOIマッチングを行った。

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スイングバランス検証用セットスペック
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ロフト角・ライ角に関しては、スイングバランス検証用セットとクラブMOIマッチング検証用セットで若干異なっていたので、どちらもメーカー発表値に合わせた。

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ツアーステージX-BLADEのスペック
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スイングバランスで組まれたセットのクラブMOI値推移グラフ

スイングバランス検証用セットのクラブMOI値推移グラフを見ると5番と6番が割と近いMOI値であるが、その他の番手は同程度の割合で推移している事が分かる。

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クラブMOIマッチングしたセットのビフォー

対してクラブMOIマッチング検証用のクラブはスイングバランス検証用に比べてクラブMOI値の推移が一定では無かった。

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クラブMOIマッチング後のクラブMOI値(2630kg-cm²合わせ)

一定では無かったクラブMOI値推移だが、クラブMOIマッチングを行った結果、目標値である2630kg-cm²近辺までMOI値を追い込んだ。

測定はガーミンApproach R50を使って測定。

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クラブパスやアタックアングルも出てくるが、球筋を中心にデータを。

ボールはTitleist PRO V1の2024モデルを使用し、アベレージ85~90程度のアマチュアゴルファー3人にそれぞれ10球ずつ打ってもらったデータを使用している。

使用した番手はロングアイアン代表として3番、ミドルアイアン代表として7番アイアン、ショートアイアン代表としてPWを使用して計測している。

次回からは実際に計測したデータを元に、スイングバランスとクラブMOIの実際の出球の傾向を検証していきます。


スイングバランスの歴史は1920年代に始まりました。
T型フォードがバリバリ現役で販売されていた時代です。当時はパワステもエアコンも無いですし、ワイパーやスピードメーターすらありません。

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ワイパーなんて要らない!!
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メーターも要らない!!

蒸気自動車もまだまだ現役で、新車も買えた時代です。

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なんならドアも屋根も要らない!!
でも私でも修理出来そう。

スイングバランスの歴史と言っても、14インチ計として発案されて12インチになった後、また14インチに戻ったと言うだけで、それ以外は全く変わっていません。

スイングバランス計自体、イマドキのデジタル表示こそありますが、機械自体の構造は写真のものと全く変わりません。

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これが一番正確なスイングバランス計と言われています。
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天秤はかり

スイングバランス計の原理は上の写真の天秤はかりと同じです。

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天秤はかりの体重計

上の写真は体重計ですが、これも天秤はかりの1つのバリエーションです。
体重のような重いものを測る場合、体重100キロ近辺の人だったら天秤のもう一方に100キロのオモリを付けないと釣り合いませんから、測るのが大変になります。
そこで、てこの原理を使って100キロのオモリが1/10以下で済むようにしてあるのですが、写真を見て、スイングバランス計と構造的に非常に似ているのがお分かりになると思います。
ちなみに、天秤はかりの英語での名称は「balance scale」です。
全く以てそのままですね(笑)

天秤はかりの良い点は構造が単純で、重力加速度に影響されない点です。
重力加速度に影響されない事で、厳密には重さ(N)では無く、質量を測る事が出来ます。
重力加速度に影響されないため、例えば水の中でも1kgのものは1kgの分銅と釣り合います。
対してクラブMOIは重力加速度の影響をモロに受けます(と言うよりも重力加速度を測る)から、重力加速度が一定の条件下で測定しないとなりません。
まぁ、このあたりは実際に計測する人が知っていれば良い知識なので、クラブMOIマッチングで恩恵を受けるゴルファーの皆さんは知らなくても良い事だとは思いますけどね(^^;;

一方でクラブMOIスケールは静的に測るものでは無く、動的な振幅数を計測するのでレーザーを当てて正確な振幅数を基準として計測します。
当然電子基板もありますし部品点数も多く、非常に複雑な構成です。

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クラブMOIスケール2+の実機

クラブMOIスケールの構造が複雑であり、板バネ等の気温や微妙な空気の流れと言った重力加速度の影響を受ける複雑な計測方法を用いているため、クラブMOIスケールは電子はかりと同じように、公正(キャリブレーション)を常に行いながら使う必要があります。
上の写真の先にオモリのついた棒がキャリブレーションに於ける分銅と同じ意味を持つキャリブレーションスティックですが、このスティックを使い、毎日公正をする(場合によっては1日に何度でも)事でようやく信頼に値する数値が出ます。


最後にぶっちゃけますとスイングバランスで組んだほうが圧倒的に楽だし、儲かるんですけど、私はT型フォードよりテスラのほうが良いなぁ・・・。

クラブMOIマッチングのご依頼は下記までメールにてお願い致します!!
seabose@me.com

HAYABUSA IronHAYABUSAウェッジ等の御依頼は下記のリンクから!!


先ず最初に・・・・。

最近はnoteで書く事が多いので、ライブドアブログはなかなか更新頻度が上がりません。
申し訳無いのですが、今後はこちらよりnoteのほうを主流として書いていくと思いますので、BoseIronFactoryの情報やクラブMOIマッチングのことに関してアップデートしていただける方はnoteのほうをブックマーク願います。


さて、先日の続きでクラブMOIマッチングのトリセツ、実践編となります。

実際のラウンドでのトリセツ

1.     その日の体調や気温・湿度等々のクラブ以外の状況によっては適正MOIは若干変化する。
試合の最終日等でアドレナリンが出るといつも通りと思っていても振りすぎてしまうことが多く、その結果ボールは左に行きがちになります。
特に世中君の場合、まだ経験が浅くレギュラーツアーでの優勝も無いために、3日目までは良いところに着けていても最終日でイマイチと言うことが多いのだと思われます。
一番良いのはアドレナリンが出た時用のサブセットを作ることですが、時間も無いので、以下に対応方法を書きます。

2.     適正MOIの見分け方は、自分が考えているよりもボールが右に行きやすいか左に行きやすいかで見分ける。
具体的にはその日の朝の練習で、意識せず普通に打ってみて、自分の思っている弾道より右に行くか左に行くかを見ること。
右に行く場合は、完璧にベストな体調では無いので、右に行く程度によって短く握る。
逆に左に行く場合は、ベストな状態で振りすぎていると言うことなので、左に行く度合いに合わせて長めに握る。
長く握ればクラブMOIが(少しだけど)増加、短く握るとクラブMOIが(少しだけど)低下するので。
長く握る、短く握る度合いは0.25~0.5インチ程度でOKですが、球筋を見極めながら調整してください。

長く握るか短く握るかでクラブMOIが変わることを理解すれば、試合中でも修正可能です。
どの番手であっても同じクラブMOIに調整してあるので、前のホールで5番アイアンが左に行くようであれば、次のホールで8番アイアンを使う時に長めに握ればOKと言った具合で、使う番手が4番でもPWでも同じことです。

仮に、朝の練習で長く握っても左に行ってしまう場合ですが、その場合はツアーバンに駆け込み、全番手に2gちょうどの鉛を貼ってもらいましょう。
全番手に2gちょうどの鉛を貼った場合、スイングバランスで言う所の1.5番手分のMOIが上がります。
通常の番手間のインチ差が0.5インチなので、1.5番手分MOIが上がればいつも通りに握っても0.75インチまで長く握ったのと同じ効果があります。


と言うことで、2025シーズンは優勝しまくりまくってください!!
ファルコンまつばら

ここ最近弟子の皆がクラブMOIマッチングの普及啓蒙に尽力してくれている事でいろいろな方からお問合せを受ける事が多くなってきました。

こちらに聞いてくる人はブログやWebSiteを見るより聞いた方が早いし、お金もかからないから聞いちゃえ!!と聞いてくるので、ここに書いてもクラブMOIマッチング自体の問い合わせが減るとは思いませんが、ちゃんと調べる方々のためにクラブMOIマッチングに関して書こうと思います。

1.クラブMOIとは?

クラブMOIとはゴルフクラブ全体のMOI(Moment of Inertia=慣性モーメント)の事を指します。
ゴルファーにとってMOIはヘッドの寛容性(当たり負けのしにくさ)を表す指標として古くは5900g-cm²とか最近では10K=10,000g-cm²などの数値は聞き覚えがあると思います。
10KのMOIはヘッド単体で計測した場合ですが、一方のクラブMOIはヘッドだけで無く、シャフト・グリップを含めたクラブ全体の慣性モーメントです。同じ計測単位でも良いのですが、桁が大きくなりますので、g-cm²では無くkg-cm²の単位で表すこと(例:2750kg-cm²)を私達JCMO(日本クラブMOIマッチング機構)では採用しています。

2.クラブMOIは高くても低くてもNG

ヘッド単体の10KとかのMOIがミスヒットした時の寛容性(優しさ)を表すので、クラブMOIも大きい程良いと勘違いされる方もいらっしゃるのですが、クラブMOIに関しては高ければ良いと言う訳ではありません。
先ずは慣性モーメントがどういうモノかをご説明しましょう。

慣性モーメントはモノを回転させる際にどれだけのチカラが必要かを数値で表したもので、ヘッドの10Kの場合はフェースの上下と左右の慣性モーメントを合わせて10000(10K)g-cm²としています。
上下左右を合わせた慣性モーメントですから、ボールを打った際に上下左右のどの部分で当たっても10Kまでなら当たり負けしない(ヘッドが開いたり閉じたりの回転をしない)という事を表し、数値が高くなればなるほどミスヒット時の当たり負けしにくくなると言うことになります。
ミスヒットしてもヘッドが回転しにくく、抗ってくれる=優しさに繋がると言うことです(※多少暴論と言うか正確ではありませんが、説明のためですので、ご了承ください)。

一方でクラブMOIのほうの回転は、ミスヒットしてクラブが回ると言う回転では無く、スイングが円運動で回転する事を意味します。
スイングする時にクラブが抗ってくるチカラ=振るために必要なチカラのことです。
クラブを振るときに感じる抵抗と言ってもいいのですね。
クラブを振るときに必要なチカラが数値として示されるクラブMOIですから、クラブMOI値が高ければ良いとはなりません。

逆にクラブMOI値が低ければ良いのかと言うと、それもダメです。
ヘッドの付いていないシャフトだけを思いっきり振るとヘッド?スピードは速くなりますが、マン振りし続けるとかなりの確率で身体を壊します。
ヘッドという200g程度以上あるモノが無いと、クラブMOI値はもの凄く低くなるのですが、低すぎても決して良いと言う訳ではありません。
つまり、クラブMOI値は高すぎても低すぎてもいけないのですが、その部分がクラブMOIマッチングの真髄であり、難しいところなんです。

3.クラブMOIの高低でどのような影響が出てくるか?

適正なクラブMOI値でないとどのような影響が出てくるかと言う点ですが、先ずクラブMOIの高低はゴルファーそれぞれが感じる振り心地からして変わって来ます。
その人にとってクラブMOI値が高ければ「重く振りにくい」と感じますし、低ければ軽く振りやすいと感じますが、シャフトだけを振るのが軽く振りやすいとはならないように高すぎてもダメですし、低すぎてもダメなのです。

クラブMOIの高低は実際の球筋にも多大な影響が出てきます。

画像
この図はテストに出ます(クラブMOIマッチングセミナーの卒業テストですが・・・)

クラブMOIが高すぎる=振りにくい=振るために大きな力が必要と言うことですが、その力を出し切れなかった場合、クラブは振り遅れますね。
結果Cの位置で当たってボールはプッシュスライス気味に飛んでいきます。

逆にクラブMOIが低すぎる=振りやすいので振りすぎると言うことになりますので、ボールコンタクトはAの位置で当たって引っかけることとなります。

画像
こちらは正面から見た図

正面から見るとクラブMOIが高い=振り遅れると言うことになりますので、1の位置でボールコンタクトを迎え、クラブMOIが低い=振りすぎる事から3の位置で当たる事になります。
1の位置で当たった場合、ロフトは立った状態でボールヒットしますから、球は上がりません。
逆に3の位置で当たった場合はロフトが寝た状態でボールヒットするので球は上がりすぎる事になります。

クラブMOIがその人にとって適正なクラブMOI値だった場合、振り遅れる事も振りすぎる事も無いので、ボールコンタクトの際にフェース面は真っ直ぐ、適正なリアルロフトで当たる事となります。
B-2の位置で当たるので球が当たる効率としても一番良く、真っ直ぐ遠くへ飛ぶ事になります。

4.クラブMOI=スイングバランスでは分からない

詳細は次回以降に解説しますが、クラブMOIはスイングバランスの数値を見ただけでは分かりません。
例えばC0.0でも重く長いクラブであればクラブMOIは高くなりますし、D5.0でも軽く短いクラブであればクラブMOIは低くなります。
仮に普通に組まれたクラブで、スイングバランスがドライバーからウェッジまで全てD1.0で組まれていた場合、ドライバーのクラブMOIは高く、ウェッジやショートアイアンのクラブMOIは低くなります。
スイングバランスで組まれたクラブの傾向としてはクラブが長くなるにつれてクラブMOIは高くなる傾向です。

そこで3.の図を再度見てください。
ドライバーやロングアイアンではクラブMOIが高いため、振り遅れてボールヒットする=C-1の位置で当たるので、球は右に行き、球は上がらない。

ショートアイアンやウェッジではクラブMOIが低く振りすぎてボールヒットする=A-3の位置でボールヒットする。
結果、球は上がるけれど、左に引っかける。
と言うことになります。

B-2の位置で当たるようにするのがクラブMOIマッチングです。
やり方は至極単純。
B-2の位置で当たるクラブ(いわゆる得意番手)のクラブMOI値を計測し、その番手に他の番手のクラブMOI値を合わせていく(13本全てのクラブを同じMOI値にする訳ではありません)と言うことです。
慣性モーメント自体が重さと長さ(直径)に比例して高低していきますので、MOIマッチングの調整方法は基本的に重さと長さを調整していくこととなります。
ただ重さで言うと最終的には0.01g単位まで、長さで言うと0.1mm単位まで追い込んで調整しますし、どこで0.05g軽くするかを決めるには膨大なノウハウや技術・知識が必要です。

5.スライスしないはずのドライバー、ライ角が合っていても引っかけるショートアイアン

新製品のドライバーのキャッチフレーズやゴルフ雑誌の特集ではずっと「捕まるドライバー!!」とか「ショートアイアンで引っかけないために」と行った事が言われています。
逆に言うとこの数十年、ドライバーはスライスするし、ショートアイアンでは引っかけ続けていると言うことでもあります。
大資本のメーカーが毎年スライスしないドライバーを作っているにもかかわらず、実際に打ってみると多くの人がドライバーでのスライスに悩み続けていると言うことです。

なぜならばクラブメーカーはクラブMOIマッチングのことを知りません。
試しにゴルフ量販店に行って、「クラブMOIって何ですか?」と聞くと「今はTaylorMadeやPINGが10Kのクラブ出してます。以前だとナイキの四角いドライバーがありましたね」とか答えると思います(笑)
いくらクラブMOIマッチング理論が物理の原理原則に基づいた理論であっても、知らなければ分かりませんし、私達JCMO(日本クラブMOIマッチング機構)としてもメーカーを巻き込んだ形でもっともっとクラブMOIマッチングの理論を広めていかないといけないですね。

ただ、だからこそ先見の明があってスイングバランスに(悪い意味で)慣れきっていないトーナメントプロなどはクラブMOIマッチングで差をつけるチャンスですし、アマチュアでも自身のゴルフをシンプルにするために必要なクラブチューニングがクラブMOIマッチングと言えるのでは無いでしょうか?

次回は男子シード選手の平本世中プロに渡したMOIマッチングのトリセツ(実践編)をお送りします。
実際のラウンドでの対処方法ですので、これで平本世中プロも今季は優勝してもらいたいと思っています!!

ありがたい感想を頂きましたので、久しぶりに掲載させて頂きたいと思います。

~~~~~~~~~ここから~~~~~~~~~~

使用した感想ですが、専門的なことは説明が難しいですが、
そのまま感じたことを伝えます。

まず、練習場でSW→PW→9→7→DRを打ち
最初に感じたのは「あれ?」です。
朝一で今日一?
まっすぐ飛ぶんです。

まあまあ
練習場が調子良くてコースでは結果が悪いことは度々あるので
コースでどうなるのか試してみてからと思い
練習していない7Wでティショットしてみました。

打った瞬間、ミスった(やや先っぽ)と思い打球をみたら
まっすぐ飛んでます。
また「あれ?」です。

2打目UT4使用し、ショットしたところ
またまっすぐ飛んでます。

どこをどうやったらこんなになるのか
このMOIすごいなあ~と感じながら
こんな調子で1日終わりました。

また、気にいったことは
自分のスイングの悪いところがわかりやすいんです。
クラブに変な挙動をあたえると、その様な球筋がでます。

もっと早くMOIすれば良かったと後悔しています。
引き続き、これからもよろしくお願いいたします。


~~~~~~~ここまで~~~~~~~

こうした感想を頂けることが、クラブMOIマッチングをやっていて本当に良かったと思わせてくれます。

引き続き、良いクラブを作ると共に良いクラブに調整していきますので、宜しくお願い致します。

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