

4回に分けて書いて来たスイングバランスとクラブMOIマッチングの検証もいよいよ大詰めです。
まずはこれまで触れてこなかった7番アイアンに関して、再度スイングバランスとクラブMOIマッチングでどういった変化があるか見ていきます。

3番やPWではクラブMOI値を統一する事で、様々なメリットが出てきた事は既に述べました。
ですがほとんどいじっていないはずの7番アイアンでもかなり劇的な変化が出ています。
総飛距離(127.1→135.7)、キャリー(119.6→123.6)、打ち出し角(22.30→22.55)ボールスピード(ボール初速、40.26→42.84)、バックスピン(4829→5215)、サイドスピン(右361→右256)、左右距離ブレ(2.60→0.90)、打ち出し(左右)方向(右1.46→左0.90)、フェース角(右向き3.48→右向き1.50)、ヘッドスピード(33.15→33.40)、ミート率(1.21→1.28)
全ての項目で良い方向に改善されています。
これはどういうことなのでしょうか?

先ずスイングバランス検証用の7番アイアンとクラブMOIマッチング検証用の7番アイアンのスペックをもう一度見ていきます。
くどいようですが、同じヘッド、同じシャフト、同じグリップです。
変わっている部分は、
1.シャフト振動数=328.01と332.63
2.レングス=36.750と36.700
3.スイングバランス=D1.8とD0.5
4.総重量=442.3と443.7
5.クラブMOI値は、2649.6kg-cm²と2630.3kg-cm²となっています。
1.のシャフト振動数は揃っていたほうが良いですが、DG-S200と言うあまり精度の高いとは言えないシャフトですし、振動数が4cpm程度変わっても飛距離や球の方向性に目に見える影響を与えるとは考えにくい。
2.レングスの変化は0.05インチ(1.27mm)ですので、変わっているけれどほぼ影響は無し。また、レングスに関しては1.27mmですが短くなっているので、飛距離が落ちる説明にはなっても飛距離がアップするのは説明出来ません。
3.のスイングバランスが変わっていると言う点に於いてはスイングバランスを推奨している方からの意見があればお聞かせください。
こちらで何か言うのもフェアでは無いと思いますので(笑)
4.総重量に関してですが、スイングバランスが下がっているのに総重量はクラブMOIのほうが重いです。
同じ7番でも2本のクラブは別のクラブを使っていますから、個体差によるもので、カウンターバランスを入れて居る訳でも無いので「DGの重量精度ってそんなもんだよね」と言う印象しかありませんが、重くなっているので、飛距離が落ちても良いはずなのですが・・・
そして・・・
クラブMOIは2649.6kg-cm²と2630.3kg-cm²で19.3kg-cm²の違いがあります。
同じ7番で一番変わっているのがクラブMOIであること、及び上記の変わった部分でさほど球に対する影響があるとは考えにくい事から、球が変わった原因に一番寄与しているのはクラブMOI値の違いによるモノだと考えるのが妥当と思われます。
一般的に1番手で10kg-cm²の差が出てきますので、クラブMOIマッチングの7番とスイングバランスの7番では5番と7番の差があるので、そう考えるとご納得頂けるかと思いますしね。
それを踏まえてもう一度見ていくと、
総飛距離(127.1→135.7)、キャリー(119.6→123.6)=キャリーを含め、打ち出し角以下が原因で伸びたと考えられます。
打ち出し角(22.30→22.55)=MOIマッチング理論通り。
ボールスピード(ボール初速、40.26→42.84)=ヘッドスピード及びボールコンタクトが適正に近づいたためボールスピードが上昇した。
バックスピン(4829→5215)=適正値に近づいた。
サイドスピン(右361→右256)=より適正値に近づいた。
左右距離ブレ(2.60→0.90)=MOIマッチング理論通り。
打ち出し(左右)方向(右1.46→左0.90)=MOIマッチング理論通り。
フェース角(右向き3.48→右向き1.50)=MOIマッチング理論通り。
ヘッドスピード(33.15→33.40)=MOIマッチング理論通り。
ミート率(1.21→1.28)=MOIマッチング理論通り。
全て理論通りになっています。
当然と言えば当然なのですが、個人的には7番アイアンの結果こそがクラブMOIマッチングの真価を表しているのではないかと考えています。
同じヘッド、同じシャフト、同じグリップで作られた、同じ7番アイアンで、実質違うのはクラブMOI値のみです。
クラブMOI値の違いだけでこれだけ実際の球筋が変わってくるのです。
さて、4回に訳で書いて来たスイングバランスとクラブMOIマッチングによる球筋やスイングへ与える影響の違いですが、今回で一旦終了となります。
この検証を公正に行っている事は当然の事ですが、それでもまだ信じられない方やファルコンが嘘をついているとかデータを改ざんしていると思われる方もいらっしゃるかもしれません。
そのような事は一切無いのですが、無い事は証明のしようがありませんので、そうお思いの方はクラブMOIマッチングしなくとも結構です(笑)
クラブMOIマッチングのご用命はBoseIronFactory若しくはJCMO認定店にご用命ください。
認定店以外でもなんちゃってMOIをやっている所はありますが、そうしたところでなんちゃってMOIされたクラブが「使い物にならなくなった」とJCMO認定店に持ち込まれる事例が多発しています。
お客様は使い物にならなくするために工賃を払う事になり、ちゃんと効果のあるMOIマッチングの出来るJCMO認定店に再度MOIマッチング依頼を出して再度工賃を払うと言うことになります。
不要な工賃をなんちゃってMOIに使うより、キチンとしたJCMOの認定店でクラブMOIマッチングをする事を強くお勧めします。
(認定店以外でもキチンとしたクラブMOIマッチングが出来る所があるのかもしれませんが、確認のしようが無いので分かりませんから)